会計学基礎 6月29日 財務諸表の作成と公開 アウトライン 財務諸表の体系 損益計算書に示される情報内容 貸借対照表に示される情報内容 財務諸表の体系 主要な財務諸表 貸借対照表 損益計算書 企業の経営成績 キャッシュ・フロー計算書 企業の財政状態 企業の資金の状況 株主資本等変動計算書 企業の資本の変動の状況 財務諸表に付随する情報 注記事項 重要な会計方針や特定の科目の詳細などを財務諸 表の本体とは別の箇所に記載したもの 付属明細表(付属明細書) 主要な科目の詳細について、法律で作成が義務づけ られている書類 会計期間 貸借対照表は企業の決算日における財政状態 を表している その他の三つの財務諸表は、企業の一定期間 における経営成績等を表しており、この一定期 間のことを会計期間と呼ぶ 会計期間は通常1年間であるが、半年、または3 ヶ月を会計期間とする財務諸表も作成され、そ れぞれ中間財務諸表、四半期財務諸表と呼ば れる 会計単位 財務諸表を作成する場合の単位のことを会計単 位と呼ぶ 個別の企業を会計単位とするのが個別財務諸 表 企業グループ全体を会計単位とするのが連結 財務諸表 (他に、本支店や、事業部門を会計単位とするこ ともある) 財務諸表の表示様式 勘定式:財務諸表をT字型(左右対照)の様式で 表示する 報告式:財務諸表を上から下に項目を並べる形 で表示する 損益計算書に示される情 報内容 区分損益計算書の構成 営業収益(売上高)ー売上原価=売上総利益 粗利益ともよばれる 売上総利益ー販売費および一般管理費(販管費) =営業利益 ここまでで、企業の主たる営業活動の成果をあらわ す 区分損益計算書の構成 営業利益+営業外収益ー営業外費用=経常利益 営業外収益・費用の代表例は受取・支払利息 経常利益は、営業利益に営業活動外の経常的な項 目を加算したもの 経常利益+特別利益ー特別損失=税引前当期純 利益 特別利益・損失は経常性のない(滅多に発生しな い)取引に起因する利益・損失と、過去の損益の修 正項目を含む 区分損益計算書の構成 税金等:企業が支払う税金(法人税・住民税・事業 税)と、税効果会計にともなう法人税等調整額 当期純利益:1年間の企業活動の結果をあらわす 収益の分類 営業収益:企業の主たる営業活動(本業)によっ て生じた収益 営業外収益:本業外であるが、本業を財務面か ら支援する活動により獲得される収益 製造業、商業では売上高が代表 サービス業では運送料収入(運輸)、通信料収入(電 話)などが主な営業収益になる 受取利息、受取配当金、有価証券売却益など 特別利益:経常性のない収益と過去の損益の修 正 費用の分類 企業の主たる営業活動(本業)によって生じた費用 売上原価:販売された商品(・製品)の仕入(・製造)原価 販売費:商品や製品を販売する際に生じる費用 一般管理費:企業全体を運営するための費用 販売手数料、広告宣伝費、販売部門の交通費、貸倒引当金 繰入など 一般管理部門の人件費、家賃、減価償却費、交通費など 実務上販売費と一般管理費の明確な区分は困難なた め、「販売費および一般管理費(販管費)」としてまとめ て表示する 費用の分類 営業外費用:本業外であるが、本業を財務面か ら支援する活動により発生した費用 支払利息、有価証券売却損など 特別利益:経常性のない損失と過去の損益の修 正 利益の分類 売上総利益 仕入価額と売上価額の差であり、仕入価額にどの程 度の粗利益を上乗せして販売できたのかをあらわす 売上総利益率(売上総利益/売上高)を用いて分析 する 営業利益 主たる営業活動(本業)から得られる利益 企業の収益性を示す重要な項目 営業利益率(営業利益/売上高)を用いて分析する 利益の分類 経常利益 経常的に発生する活動から得られる利益 営業外収益・費用は本業によるものではないが、恒常的 に発生する~例:借入金に対する支払利息 もっとも基本的な利益である、とするテキストも多い 諸外国の損益計算書には無い項目 当期純利益 当期に発生した全ての収益から全ての費用(含む税 費用)を差し引いた利益 会計期間の最終的な経営成績 利益の分類 売上高は誰に帰属するか 営業利益は誰に帰属するか 金融機関、税務署、株主 経常利益・税引前純利益は誰に帰属するか 取引先、従業員、金融機関、税務署、株主 税務署、株主 当期純利益は誰に帰属するか 株主 利益の分類 このように、異なる種類の利益は異なる利害関 係者(のグループ)に帰属している このため、誰が、何の目的で財務諸表を分析す るのかによって、注目される利益の種類も異なっ てくる 貸借対照表に示される情 報内容 貸借対照表 貸借対照表上、資産と負債は以下の区分で表 示される 流動資産/流動負債 固定資産/固定負債 繰延資産 流動/固定の分類基準 流動資産と固定資産、流動負債と固定負債を分 類する基準は二つ 正常営業循環基準(原則) 企業の営業取引過程の中の資産(負債)は全て流動 資産(負債)であるという考え方 次頁スライドの黄色の部分 1年基準(原則が適用できない場合) 1年以内に現金化(決済)される資産(負債)を流動資 産(負債)とする 企業におけるキャッシュ(カ ネ)の流れ 土地・建物・工場 原材料 証券投資 仕掛品 現金 商品・製品 銀行借入 株主 売上債権 営業活動 投資活動(資金投下) 財務活動(資本調達) 繰延資産 既に支出した、または支払義務が確定した費用 のうち、将来にわたって支出の効果があると認 められたものを繰延資産として計上できる 次年度以降、償却の対象となる 対象は株式交付費、社債発行費、創立費、開業 費、開発費に限定されている 純資産の分類 純資産(資本)は、株主に帰属する株主資本とそ の他の項目に分かれる 株主資本は、株主が拠出した部分(資本金、資 本準備金)と、企業が稼得した利益のうち社内に 留保した部分(利益剰余金)、企業が所有してい る自社の株式(自己株式)に分かれる 次回への準備 次回は企業集団の財務報告について取り扱う( テキスト12章) 期末試験(7/27)は、テキスト4,5,6,7,12 章の中の数章に関連する(主に)計算問題を出 題します
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