デジタル表現論 第3回 CG以前の映像技術(SFX) 伊藤 穣 [email protected] CGの区分 • 3D – 立体的な画面 • “飛び出す映像”という意味の3Dとは異なる • 2D – コンピュータ上で描画ソフトを使ったもの • 手描きのスキャンを含む – デジタル制作は、ある意味で全てCG • 2D的な3D – 実は3Dだが2D風の映像として仕上げる 今回の内容 • SFX(Special Effects:特殊効果) – ミニチュア – 着ぐるみ – 特殊メイク – スクリーンプロセス – マットペインティング – ストップモーション・アニメーション 着ぐるみとミニチュア • 「ゴジラ」(1954) 太平洋戦争戦後9年 – 本多猪四郎 監督 – 円谷英二 監督(特撮) 非CG • 出演:宝田明、河内桃子、平田昭彦、志村喬 – 着ぐるみとミニチュアは日本のお家芸 • 視聴場面 – 東京に上陸し、市街を蹂躙するゴジラ。人々は、 なすすべもなく逃げ惑う・・。 ストップモーション・アニメーション • 模型や粘土などを、少しずつ動かしてコマ撮 りする技法 – 想像上の生物などの表現に多様された • 有名なアーティスト – レイ・ハリーハウゼン(1920-2013) – フィル・ティペット(1951-) 光学合成 • 別のフィルム映像を、ひとつに合成する – 「オプティカル・プリンター」という装置を用いる – 「マットペインティング」という細密な絵と合成する 場合もある • ブルーバック合成にも使われる – 青い背景の前で撮影 • デジタルにおけるクロマキーと類似 • 現在は、デジタル合成が主流 スクリーン・プロセス • あらかじめ撮影した風景などを、映写機でス クリーンに投影し、その前で役者が演じる – 逆のパターンもある CG以前の映像技術 • 「アルゴ探検隊の大冒険」(1963) 非CG – レイ・ハリーハウゼン 特撮・制作 – スクリーンプロセス、ストップモーションアニメーション などを多用 • 視聴場面 – 禁忌を破って財宝を手にしてしまったヘラクレス。す ると・・・。 – 金の毛皮を奪って逃げる主人公達は、世にも恐ろし い追手を迎え撃つことに。 CG以前の映像技術 • 「タイタンの戦い」(1981) 非CG – レイ・ハリーハウゼン 特撮・制作 – ギリシャ神話のエピソードをもとに映画化 – ストップモーション・アニメーションを多用 • 視聴場面 – 「その目を見ると石になる」という怪物メデューサ を倒しにきたペルセウス達だが・・。 – 巨大なサソリとの激闘。 CG以前の映像技術 • 「タイタンの戦い」(2010) – ルイ・レテリエ 監督 – サム・ワーシントン主演 – CGでリメイク • 視聴場面 – 巨大すぎるサソリとの激闘。 – 「その目を見ると石になる」という怪物メデューサ を倒しにきたペルセウス達だが・・。 CG以前の映像技術 • 「チャーリーとチョコレート工場」(2005) – ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演 – 児童文学作品をもとに映画化 • 視聴場面 – 不思議なチョコレート工場の見学会に招かれた 子供達。開発中のお菓子を、ひとりが勝手に食 べてしまい大変なことに。 CG以前の映像技術 • 「夢のチョコレート工場」(1971) 非CG – メル・スチュアート 監督 – ジーン・ワイルダー 主演 • 視聴場面 – 不思議なチョコレート工場の見学会に招かれた 子供達。開発中のお菓子を、ひとりが勝手に食 べてしまい大変なことに。 特撮とCG • 特撮には制約が多い – カメラアングル、カメラワーク • たとえば、スクリーンプロセスの場合、背景の映像と手 前の俳優が位置を入れ替えることができない。 – 予算 – 俳優、スタッフの安全性 • 制約が工夫を生み、驚きに繋がる – 「どうやって撮ったのか」と思わせる
© Copyright 2024 ExpyDoc