資料2 敦賀発電所2号炉使用済燃料移送時における保安規定違反

資料2
敦賀発電所2号炉
使用済燃料移送時における保安規定違反に
対する根本原因分析の実施状況について
平成20年11月
日本原子力発電株式会社
保安規定違反に係る事象の概要
<保安規定違反の内容>
○保安規定:使用済燃料ピットでの使用済燃料移送作業中に係る運転上の制限
□ 燃料取扱棟空気浄化系2系統が健全であること(第135条)
□ 計測制御系の所要系統数が健全であること(99条)
□ 中央制御室非常用循環系2系統が健全であること(第133条)
□ 非常用ディーゼル発電機1基以上が健全であること(第139条)等
○保安規定に運転上の制限が導入された平成13年1月6日から現在までに実施した 2号炉使用済燃料ピットでの使用済燃料の移送作業について、
上記運転上の制限が満足されていないものが認められた。
<発見の経緯>
○敦賀発電所2号炉の第16回定期検査中、平成20年3月29日より敦賀1号炉の使用済燃料を2号機に
輸送する作業を実施していた。
○5月12日に6月分の定期試験計画の策定にあたり保安規定で定める要求事項についての発電所員が確認
作業を行っていたところ、2号機使用済燃料ピットでの使用済燃料移送中に要求される、非常用ディーゼ
ル発電機等の運転上の制限の一部が遵守されずに作業が行われていた可能性があることが確認されたため、
移送作業を中断し、調査を行った。
1
保安規定違反に係る事象の概要
<2号炉における照射済燃料移動作業>
燃料検査ピット
燃料の取替等
2号炉において、照射済燃
料の移動作業は、保安規定
では、以下の作業が該当す
る。
燃料の検査
[発電室]
[安全管理グループ]
燃料取扱
キャナル
1
使用済燃料
ピット
原子炉
2
1 定期検査中に原子炉から照射された燃料※1 と新燃料を取り替えるための「燃料取替等」
[発電室]
2 照射された燃料の外観検査、及び燃料酸化
膜厚さ測定等のための「燃料検査」
[安全管理グループ]
⇒違反
3 1号炉からの使用済燃料※2の構内移送作業、
貯蔵されている使用済燃料(1・2号炉燃料)
の構内移送作業(号機間輸送作業)、
六ヶ所村への使用済燃料搬出のための構外
移送作業「使用済燃料の運搬」
⇒違反
[安全管理グループ]
2号炉使用済燃料ピットは1号炉と共用
しており、1号炉使用済燃料を貯蔵可能
としている。そのため、使用済燃料を構
内移送して、2号炉で貯蔵する。
使用済燃料
の運搬
1号炉原子炉建屋
[安全管理グループ]
原子炉
3
キャスク
※1 照射済燃料:原子炉で照射された燃料をいう。
※2 使用済燃料:照射済燃料のうち、原子炉に装荷予定のなく、再処 理が計画された燃料をいう。
3
使用済燃料貯蔵池
キャスクピット
2
保安規定違反に係る事象の概要
<発電所の体制>
敦賀発電所長
1号炉原子炉主任技術者
2号炉原子炉主任技術者
安全管理グループ
原子燃料・
化学・放射線・
環境管理
運営管理グループ
運営管理総括
品質保証グループ
品質保証活動の管理
務
室
総
総務・労務・
経理
技術センター
直営工事の計画・実施
修
室
保
発電設備の保守
電
室
発
発電設備の運転管理
電
長
発
発電設備の運転管理(
当直)
3
保安規定違反に係る事象の概要
<照射済燃料移動時に要求される運転上の制限>
保安規定条項
第99条
計測制御
運転上の制限
定期試験 DG起動論理回路
1系統
定期検査時に機能検査を行う
中央制御室非常用循環系作動論理
回路
1系統
定期検査時に機能検査を行う
アニュラス空気浄化系作動論理回路 1系統
定期検査時に機能検査を行う
非常用高圧母線低電圧
所要の母線当たり3系統
定期検査時に設定値確認、機能検査を行う
第133条
中央制御
室空気浄
化系
2系統が動作可能であること
1月に1回、ファンを起動し動作可能であることを確認
(定期試験)
第135条
燃料取扱
棟空気浄
化系
2系統が動作可能であること
(照射終了後所定の期間を過ぎた
燃料の取扱の場合除外できる)
1月に1回、ファンを起動し動作可能であることを確認
(定期試験)
第139条
非 常 用
ディーゼ
ル発電機
・所要の非常用高圧母線に接続
するDGのうち、1基以上が動
作可能であること
・燃料油サービスタンクの貯油量
が規定値内であること
・1月に1回、DGを始動し、無負荷運転時の電圧、周波数
が規定値内であることを確認(定期試験)
・1月に1回、燃料油サービスタンク貯油量を確認
(定期試験)
他に外部電源、直流電源、非常用母線に対する要求あり
4
保安規定違反に係る事象の概要
<保安規定違反となった
系統概略図>
論理回路 計測及び制御設備(保安規定第99条)
※1
※2
燃料落下検知
非常用母線
電圧低検知
アニュラス(通常運転中)
中央制御室
隔離信号
SSPS(原子炉安全保護装置)
排気筒
フィルタ
MCR非常用
循環系作動回路
定期検査時
通常
燃料取扱棟空気浄化系(2系統)
(保安規定135条)
ESA(安全保護系シーケンスキャビネット)
燃料が落下し破損した場合に放射性物
質が環境に放出されるのを防止する。
アニュラス浄化系
作動回路
DG起動論理回路
定検
定検モード切替で
接点開放
MCR非常用
循環系作動回路
ESA点検で
接点開放
落下信号 ※1
輸送容器
使用済燃料ピット キャスクピット
電源供給
※2
発電機
低電圧
フィルタ
ディーゼル発電機(1系統)
(保安規定139条)
中央制御室非常用循環系(2系統)
(保安規定133条)
ディーゼルエンジン
変圧器
安全系の電源喪失時に電源を供給
する。
環境に放出された放射性物
質が中央制御室に入るのを
防止している。
5
保安規定違反に係る事象の概要
<保安規定違反はどのように行われたか?>
いつ?
◇定期検査中に
誰が?
何を?
◇発電室は ◇安全管理グル
ープの作業に
対して
どのように?
いつから?
◇移動作業時のプラン
ト管理を行わなかった
◇平成13年から
<保安規定違反にならなかった事象>
◇定期検査中に
◇発電室は ◇発電室の作業
に対して
◇移動作業時のプラン
ト管理は行っていた
◇平成13年から
◇運転中に
◇発電室は ◇安全管理グル
ープの作業に
対して
◇(移動作業時の)プラ
ント管理は行っていた
◇平成13年から
<保安規定が遵守された理由>
1)発電室自らの作業に対しては、チェックシートを用い、燃料移動時の保安規定遵守事項の管理を行っていた。
2)運転中は、モード1(出力運転)の要求により、定期試験の実施要求等を満足させて、運転を行っていた。
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保安規定違反に係る事象の概要
<直接原因分析による原因と対策>
原 因
対 策
①
「照射済燃料移動中」の定義が、社内規程で明確になっていなかった。
「照射済燃料移動中」の定義を社内規程で明確にする。
①
②
平成13年1月の保安規定改正により従来の「燃料の原子炉内への装荷、原
子炉外への取出し、原子炉内の配置替えの場合」以外に「照射済燃料移動中」
の要求が追加され、第99条(計測及び制御設備)、第133条(中央制御
室非常用循環環系)、第135条(燃料取扱棟空気浄化系)、第137条
(外部電源)、第139条(ディーゼル発電機)第142条(非常用直流電
源)、第144条(所内非常用母線)の機能が必要になったが、逐条での教
育は実施していたものの「照射済燃料移動中」という観点でこれらの機能を
まとめた形で教育が実施されていなかった。
「照射済燃料移動中」に要求される、第99条(計測及び制御
設備)、第133条(中央制御室非常用循環系)、第135条
(燃料取扱棟空気浄化系)、第137条(外部電源)、第13
9条(ディーゼル発電機)第142条(非常用直流電源)、第
144条(所内非常用母線)について、「照射済燃料移動中」
という観点でこれらの機能をまとめた形での教育を実施する。
また、今後は保安規定の反復教育に含め継続させる。
②
③
安全管理グループが発電室へ通知した「所定の期間を定めた文書」は、最新
でも平成13年3月であり、この文書が発電室内に周知文書等の正式な形で
残っておらず、発電室員は容易に内容を確認できなかった。
「所定の期間を定めた文書」は変更の頻度が少なく、発電室長
に通知され発電室内に周知される機会が稀であるため、長期間
に亘り文書の内容を明確にするよう社内規程に「所定の期間を
定めた文書」の内容を明記する。
③
④
保安規定遵守状況の確認票は、保安規定第5章(燃料管理)に定める発電長
が行う作業(燃料取出し・燃料装荷)に対してのみ作成し使用するよう社内
規程で定めており、発電長が安全管理グループの作業をチェックするルール
がなかった。
安全管理グループが実施する照射済燃料移動に対しても、発電
長が確認票を用いて、作業前及び作業中に保安規定の遵守状況
を確認するよう保安規定遵守状況の確認票の運用を定めた発電
室の社内規程を改正する。
④
⑤
使用済燃料構内移送作業(照射済燃料移動中)は,定期検査工程のクリチカ
ル作業等ではないため,工程表に記載するルールがなかった。
所内に周知する定検工程表に「照射済燃料移動中」の期間を記
載するよう、工程管理の運用を定める社内規程を改正する。
⑤
7
根本原因分析の実施について
<根本原因分析に係る社内規程>
根本原因分析実施要項(QM共通:8-3-3)
<対象>
1)重大な不適合;事故、保安規定違反、関係法令違反
2)類似性・頻発傾向のある不適合
3)組織として問題が潜在している可能性がある事項
<チーム編成>
1)中立的な立場で調査が行えること
2)力量を有していること
<リーダーの権限>
1)必要なすべてのデータ等の閲覧、経営層を含む関係者へ
のインタビュー等の調査権
2)根本原因分析チーム員が不利益を被らないこと
<チーム作業>
・根本原因分析計画書の作成
・根本原因の特定
・対策の検討
・事象の把握と問題点の整理
・分析結果の検証
・根本原因分析結果報告書の作成
JEAG4121追補版2
に準拠して制定
<対策の決定>
<対策の実施>
<有効性の評価>
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根本原分析の実施について
<1.実施スケジュール及びチーム体制>
<調査・検討スケジュール>
以下のスケジュールとした。なお、
調査結果の進捗により適宜見直しを図る。
① 事象の整理 ∼6月18日
② 問題点の整理 ∼6月25日
(インタビュー含む)
③ 分析の実施 ∼7月 9日
④ 対策の立案 ∼7月16日
注)保安調査等が実施されたことに伴い、当初計画より遅れている。
[チームリーダー] 副所長(技術系)
チーム員 品質保証Gr SM*
安全管理Gr 化学SM*
運管Gr 保安運営SM*
(支援) 安全管理Gr放射線管理SM*
発電室 運転支援班課長
SM* :サブマネージャー
5月
発見
6月
7月
8月
9月
10月
11月
△5/16(指示文書)
直接原因
分析
△6/16(報告)
(事象の整理)
(問題点の整理,分析)
根本原因
分析
△8/8,9(保安調査)
(分析,対策立案)
11/E(保安運営委員会) △
【チーム員に求められる力量】(根本原因分析実施要項より)
a.設計,設備,保全活動,運転など発電所の保安活動の実務
を理解していること。
b.管理(者)及び品質マネジメントシステム及びその果たす
役割を理解していること。
c.聞き取り調査等が出来るコミュニケーションスキルを有し
ていること。
d.論理的な分析能力を持つとともにヒューマンファクター等
についても理解していること。
e.バリア分析,変更分析等の根本原因分析手法を理解してい
ること。
注)根本原因分析チーム全体としてこれらの要件を満
たせば良く、各チーム員がすべての要件を満たす
必要はない。
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根本原因分析の実施について
<2.直接原因分析に対する評価>
☆ 直接原因分析報告書作成において、その状
況を把握し、所内確認会に同席して、事実
関係を確認するとともに、調査内容、対策を
把握した。
☆ その結果、根本原因分析を実施する際に、
追加で実施する必要があるものを抽出して、
根本原因分析で取り扱う問題点を追加した。
根本原因分析にて追加した問題点
・社内規程「燃料移動操作基準」において、保
安規定と齟齬のある内容に改正した。
・安全保護系を定検モードにする等、
要求機能を除外しており、保安規定違反と
位置づけた。
(直接原因分析では、復旧時刻が不明のため、保安規定違反とは
位置づけなかった。)
<3.根本原因分析に当たっての追加調査>
直接原因分析の結果を補完する観点から、以下の追加調査を行った。
☆インタビュー
発電室員、安全管理グループ員、運営管理グループ員に対して実施した。
特に、直接原因分析においては、保安規定改正当時の発電室のインタビュー
を行わなかった担当者へインタビューを行った。(全9人)
☆アンケート
2号炉運転員を含め日勤の発電室員、及び2号炉運転員OB(管理職クラス)
に対して関係する保安規定への認識状況等についてのアンケート調査を行っ
た。また、運転員への教育の実施状況を把握するために、1号炉運転員(現
役)に対しても、一部同様なアンケートを実施した。(延べ140人)
10
根本原因分析の実施について
<4.根本原因分析の手法・実施フロー①>
=根本原因分析の手法=
⇒ SAFER(東京電力㈱開発)
<STEP 1>
<STEP 2>
平成13年に改正された保安規定改正以降において、
保安規定違反が継続され、現在に至っていることから、
それ以降の時系列を作成し、問題点の整理を行った。
整理された問題点に対して、個々の事例[A,B,
C]についての時系列を作成する。
・直接原因で抽出した原因−対策箇所(P7-①∼⑤)を
問題点と捉えた。
・さらに、直接原因分析で不足とした2点の問題点
(P10)を追加した。
・平成13年当時のものは、記録を中心に時系列を
整理した。
・類似事象が繰り返し発生しているものは、至近に
発生した事象において、人的過誤の要因を調査し
た。
・時系列を作成し、ルール通りなされなかった等の
問題点を抽出した。
問題点と整理した事項
・下部規程の改正作業[A] (確認票の使用、SSPSの確認、運転上の
制限の拡大)
・保安規定改正教育[B]
・使用済燃料移動作業[C]
(燃料外観検査、使用済燃料構内移送作業、
燃料酸化膜厚さ測定)
<STEP 3>
STEP2で作成した時系列を基に、背後要因図をそれぞ
れ作成する。
・インタビュー(ヒアリング)結果を反映した。
・アンケート結果についても、問題の背景と捉えた。
・ルール通りなされたかった行為について、明確に
した。
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根本原因分析の実施について
<4.根本原因分析の手法・実施フロー②>
<STEP 4>
時系列図の作成
背後要因図の作成
組織要因の検討ケース
業務プロセスのどこができていなかったか
・JEAC4111の要求事項に照らし、時系列図、背後
要因図作成時に得た情報に基づき検討
組織要因の検討ケース[①、②]
①背後要因の連鎖を断ち切る点(問題
点)の選択、及びその対策立案
②問題点を「組織要因の視点」で分類し、
各組織要因について対策立案
(中間管理要因、個人要因等)
組織要因と言えるのか疑問
①断ち切り易い(対策しやすい)対策となった。
②具体性が欠けた対策となった。
上記を問題点として抽出
その問題点はなぜ生じたか(原因の特定)
・時系列、背後要因作成時に得た情報に基づき検討
背後要因図による検証
・上記で特定した原因は背後要因図と整合するものか
組織要因として断定
・業務プロセス上の問題点であり、この問題がなければ、頂上
事象は発生し得なかったことを背後要因図で確認できる。
組織要因へのアプローチ方法
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根本原因分析の実施について
13
根本原因分析の実施について
14
根本原因分析の実施について
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根本原因分析の実施について
<保安規定違反に対する問題点−原因(組織要因)−是正処置整理表 ①>
下部規程の改正作業
問 題 点
原 因(組織要因)
変更内容(要求事項)に
対して、下部規程への反
映が十分になされていな
かった
(確認票の使用、SSP
Sの確認)
発電室員は
保安規定改正に際し、改正に
際しての要求事項が十分に伝
達されるような仕組み(ルー
ル)がなかった
また、下部規程を作成する要
員が要求事項を把握している
ことを確認する仕組み(ルー
ル)がなかった
燃料移動に要求される保
安規定の改正内容を正し
く理解していなかった
(運転上の制限の拡大)
是正処置
採用
(保安規定改正タスクにおいて)
保安規定改正を受け、下部規程
への改正内容の反映が確実に実
行されるよう、保安規定と下部
規程の関連付けを明確化する
○
下部規程改正案を作成する前に、
その作業体制を明確にし、係る
要員に対して確実に改正内容が
伝達され、実行可能かどうかの
確認ポイントを設定する
○
変更内容(要求事項)に
対して、要求事項を満た
していることを実証され
るものではなかった
発電室員は
下部規程改正案を作成後、実証
改正される下部規程に対して、 可能の観点から、各室レビュー
要求事項を満足することを実 を実施する
証しておらず、その仕組み
(ルール)がなかった
保安規定と齟齬のある下
部規程が制定された
原子炉主任技術者は
保安規定の要求事項と齟齬の
確認が確実に実行されるため
の仕組み(ルール)がなかった
保安規定改正を受けて下部規程
を改正するものについて、第三
者が確実にレビューできるよう
保安規定との齟齬の確認を実施
する手順を追加する
○
○
(すでに対
応済)
なお、これら是正処置については、東海第二発電所においても確実に対策が実行されるように二次文書に明確化を図る。
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根本原因分析の実施について
<保安規定違反に対する問題点−原因(組織要因)−是正処置整理表 ②>
保安規定改正教育
問 題 点
原 因(組織要因)
是正処置
保安規定改正に際し、燃
料移動にかかる特別な教
育テキストはなかった
発電室長は
燃料移動の特殊性を考慮し
た教育の必要性(安全管理
グ ル ー プ が 行 う 作 業への
LCOの適用)を認識しておら
ず、教育テキストの必要性
を持たなかった
保安規定改正時に、保安規定改正内
容が所員に理解されるよう、保安規
定改正に直接携わった要員がテキス
トを作成し、保安教育を実施する
保安規定の全面改正を受
け、燃料移動に係る要求
事項の改正点が十分に教
育されなかった
発電長は
燃料移動の特殊性を考慮し
た教育の必要性(安全管理
グ ル ー プ が 行 う 作 業への
LCOの適用)を認識していな
かった
保安教育実施後、改正内容の理解が
有効であるか、教育実施後に理解度
の評価を行う
教育実施後の有効性評価
については、実施されな
かった
発電室長は
QMS導入以前であり、有
効性評価のプロセスがな
かった
なお、現在保安規定改正教育の実施
プロセスは、明確なルールがなく、
理解度テストなどを実施しているが
運用に委ねていることから、これら
保安規定改正教育の実施プロセスを
明確にする
採用
△
(すでに対応して
いるが、ルール化
を図る)
△
(すでに対応して
いるが、ルール化
を図る)
○
なお、これら是正処置については、東海第二発電所においても確実に対策が実行されるように二次文書に明確化を図る。
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根本原因分析の実施について
<保安規定違反に対する問題点−原因(組織要因)−是正処置整理表 ③>
問 題 点
原 因(組織要因)
是正処置
採用
使用済燃料移動作業
作業票において、保安規定に
係る作業との認識を、発電室
へ与えられなかった
発電長は
保安規定遵守の観点の情報は記
載されず、作業安全の観点からの
み作業票が作成される仕組み(ルー
ル)であった
作業票の作成段階で、保安規定を関連付け
させ、保安規定に係る作業であることを、
発電室に認識させる仕組み(ルール)を改
善する
作業票を発効する際に、保安
規定を遵守していることの確
認がなされなかった
発電長は
あわせて保安規定遵守の観点から「停止時
安全管理グループの作業に対して 安全管理措置」による管理を徹底するよう、
の保安規定改正の意図が認識さ 仕組み(ルール)を構築する
れず、保安規定遵守のための「停
止時安全管理措置」の仕組み(ルー
ル)がなかった
使用済燃料移動時に、手順書
に従った定期試験が計画され
なかった
発電室員は
使用済燃料移動を照射済燃料移
動と同義と認識しておらず、保安規
定改正時の使用済燃料の移動に
関する教育が不足した
保安規定の改正の意図が確実に伝えられな
かったことから、保安規定改正教育のプロ
セスを構築する
(保安規定改正教育にて対応)
(上記、保安規定
改正教育で対応)
安全管理グループの燃料移動
計画が識別されていなかった
運営管理グループ員は
安全管理グループの行う燃料移動
が、確実に所内周知される仕組み
(ルール)がなかった
安全管理グループの燃料移動などの保安規
定に基づく作業を所内に確実に周知される
仕組み(ルール)を構築する
(直接原因分析に
て対応済)
業務プロセスレビュー等にお
いて、保安規定の違反の状況
を確認し得なかった
発電室長は
逐条確認による確認方法では保安
規定違反の状況が把握できず、仕
組み(ルール)が十分でなかった
業務プロセスレビュー等の保安規定遵守状
況の監査プロセスについて、逐条型からよ
り視野の広い観点での実施する仕組み(ルー
ル)を構築する
○
○
○
○
(一部対応中)
なお、これら是正処置については、東海第二発電所においても確実に対策が実行されるように二次文書に明確化を図る。
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根本原因分析の実施について
< ま と め >
1.チーム作業において、組織要因を抽出した。今後、チームとして報告書
を作成し、対策案を提示する。
2.チーム作業終了後、社内規程に基づき、以下のステップを行い、 対策
の決定、有効性評価を継続して実施する。
① 「原子炉施設保安運営委員会」にて対策の決定
② 対策に対する実施計画の立案、承認、対策の実施
③ 原則1年後における有効性評価
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