町村による住民意識調査の最近の 実施状況と結果の公表状況 2006年11月10日 国士舘大学 山田 茂 1 把握方法 2 実施件数の傾向など 3 特徴点 ・調査方法 ・対象者 ・回収率 4 調査結果の提供状況 1 長野県清内路村サイト 市町村合併に関するアンケート集計結果 「市町村合併」問題は、村の将来を方向づける重要な課題で あり、村では多くの方のご意見を伺うことが大切であると判 断し、第1回のアンケート調査を実施しました。 アンケートは、中学生以上の村民682人を対象に行いまし たが88.1%の回収となりました。 今回の調査について、配布から回収までご協力をいただき ました各組の連絡員の皆さんには感謝申し上げます。 2003年2月実施 http://www.seinaiji.jp/sonsei/soumu/syuukei.pdf 2 1 把握方法 インターネット検索(実施主体+合併先..) ・2002年1月 ・・・数回・・・ ・2006年3月 同年10月~ 地方紙・全国紙記事(のデータベース) 3 住民意識調査の実施把握 ・町村による調査の全国的な検索: 2000年前後までは非常に困難 『世論調査年鑑』の対象外 町村によるインターネット広報の一般化 →網羅度の高い検索が可能に 4 インターネットによる公表 調査実施主体による結果の公表 ・対住民 ・他の自治体:合併検討中・視察希望 (道府県の合併推進部局による再録) 5 合併の手続きと調査実施 市町村議会の議決 ←①個別市町村が実施 ↓ 任意協議会で協議 ↓ ←②市町村・協議会が実施 市町村議会の議決 ↓ 法定協議会で協議(名称・役場・議員任期・住民負担…) ↓ ↓ ←③市町村・協議会が実施 ↓ 調印→市町村議会の議決→知事申請→発足 6 収録対象の調査の範囲 合併が成立した市町村 合併後市 合併後 不成立 合併 個別 合併 町村 協議会 市町 村 協議会 合併前 合併前 資料源 市 町村 実施主体のサイト ○ ○ ○ ○ ○ ○ 国会図書館WARP ○ ○ ○ ○ × × 日本都市センター・サイト ○ ○ × ○ × × 総務省サイト・アーカイブ × × × ○ × ○ 『世論調査年鑑』 ○ × × × △ × (許諾分) 各資料源とも「サイト消滅」「未回答」等による未収録あり。△:調査実施時に市の場合だけ。 『統計調査総覧』は『世論調査年鑑』と同様 7 視察受け入れ 群馬県神流(かんな)町 ←万場町・中里村合併協議会 2002年2月~翌年3月 34団体 425名 2001年6月任意協議会 同年12月法定協議会 2002年8月「住民アンケート」実施 同年9月協定調印 2003年4月神流町発足 8 合併特例法と優遇措置 優遇のメリット 旧法 ~05年3月 大 推進の動き 活発 新法 ~06年3月 大 継続 06年4月~ 小 鈍い 9 2 実施件数の傾向など 1)市町村合併関連調査 2002年・03年に実施ピーク ←新自治体発足までに約1年半必要 奨励:中央・都道府県 +コンサルタント誘導 設計・内容・集計・分析まで委託 対象:世帯主だけ・10代・外国人も 10 名称は「アンケート」が多い 件 村 合 併 以 外 村 ・合 併 町 合 併 以 外 ・町 併 協 合 町 ・合 併 加 入 ・市 併 協 合 村 だ け アンケート 意向調査 意識調査 世論調査 市 合 併 市 合 併 以 外 1200 1000 800 600 400 200 0 01~06年 地域とテーマ 11 合併関連調査の特徴 ・初期:雰囲気作り:中高生・外国人も対象 「新市建設計画」(住民ニーズの反映) ・中期以降 全数調査:町村で多い 賛否のみ:住民投票に近い機能 費用・期限が理由で投票が実施困難 12 合併関連以外の調査 2)一般的なテーマの定期調査: 町村は少ない 愛知県幸田町 1979年~ 2年周期 3)長期総合計画策定時: 1990年代から小規模な町村も コンサルタントの助言 13 02-04年がピーク (市による合併関連外を除く) 20 05 年 20 04 年 20 03 年 20 02 年 20 01 年 19 98 年 ~ 19 97 年 400 300 200 100 0 20 00 年 村・その他 村・合併 町・その他 町・合併 市・合併 合併協・町村だけ 合併協・市加入 19 99 年 800 700 600 500 件 14 協議会数は03-04年がピーク 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 任意 2001年 2003年 2004年 法定 2006年1月 2006年10月 15 合併1年半~2年前に実施 件 4Q 05 年 1Q 3Q 4Q 04 年 1Q 2Q 町村だけ 3Q 4Q 03 年 1Q 2Q 市が加入 3Q 02 年 1Q 2Q 12 10 8 6 4 2 0 06年1-3月に合併した協議会の調査実施 16 市町村とサイトの増減 2500 2001年4月 2004年3月 2006年4月 2500 2000 2000 1500 1500 1000 1000 500 500 0 0 政令都市以外の市 町 村 2004年3月 政令都市以外の市 2006年4月 町 村 17 3 特徴点 町村では全数が多い 外 村 ・合 併 以 ・合 村 外 町 ・合 併 以 ・合 町 併 全数調査 併 け 村 だ 合 併 協 ・町 ・市 協 市 ・合 加 併 入 抽出調査 合 併 市 ・合 併 以 外 1000 件 800 600 400 200 0 地域とテーマ 18 町村では訪問回収が多い 折込配布 留置(訪問回収) 以 外 合 併 村 ・合 併 村 町 合 併 以 外 併 ・合 町 だ け 協 ・町 村 加 入 合 併 併 協 市 ・市 ・合 併 郵送 合 市 合 併 以 外 700 件 600 500 400 300 200 100 0 地域とテーマ 19 町村では世帯調査が多い 300 250 件 10代 20歳 世帯対象 200 150 100 村 合 併 以 外 村 合 併 町 合 併 以 外 町 合 併 町 村 合 協 市 加 入 合 協 市 合 併 50 0 地域とテーマ 20 町村では10代を含める傾向 個人対象調査の下限年齢 件 500 20歳 18・19 15-17 13・14 400 300 200 100 地域とテーマ 併 外 村 合 村 合 併 併 外 町 合 町 合 併 協 だ け 町 村 入 協 市 加 市 合 併 市 合 併 外 0 21 回収率 訪問回収>郵送回収>広報紙折込・郵送回収 (留置) *採用された方法:地域の性格に対応 広報紙配布組織等 *郵送法での督促:市の合併以外でも効果 *同じ回収方法でも: 「市町村合併」は他のテーマより高い 22 外 以 併 合 村 併 ・合 留置 村 外 以 併 合 町 併 ・合 け 郵送 町 だ 村 ・町 協 併 入 100 % 合 ・市 加 協 併 合 併 ・合 市 外 以 併 合 市 町村では合併調査は高率 折込配布 80 60 40 20 0 23 郵送調査での督促 郵送調査全体 60% 例は少ないが 督促実施明示 55% 50% 45% 40% 市・合併以外 656/53 合併協・市加入 248/12 合併協・町村だけ 197/2 町・合併以外 156/6 24 「吸収」側の関心は低い 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 最大の市町村の回収率が全体を.. 件 上回った調査 合併協・市加入 200 下回った調査 合併協・町村だけ 145 25 県域全体を対象とする郵送調査 回収率(督促1回) 神 戸 阪 神 南 阪 神 北 東 播 磨 北 播 磨 中 播 磨 西 播 磨 但 馬 丹 波 淡 路 80 % 60 40 20 0 2005年兵庫県「県民意識調査」20歳以上 26 4 結果のサイト提供 合併関連に削除が多い 件 外 ・合 併 ・合 村 両者になし 以 併 外 併 ・合 町 町 ・合 以 併 け だ 村 ・町 協 併 Google 合 合 併 協 ・合 ・市 併 加 関 入 連 原サイト 村 350 300 250 200 150 100 50 0 市 06年3月現在 地域とテーマ 27 町による合併調査が減少大 700 600 500 400 300 200 100 0 実施 件 2006年3月 2006年10月 村 合 併 外 村 合 併 町 合 併 外 町 合 併 市 合 併 市 加 入 協 議 会 町 村 だ け 協 2001年~実施分 地域とテーマ 28 むすび 調査実施のピークは2003年前後 テーマ:合併関連が多い 特徴点: 対象・方法は地域の社会的条件と内容に対応 回収状況も概ねそれらに対応 調査結果の提供は減少傾向 29 文献 「地方自治体のホームページに収録された世論調査結果の概況 」『中央調 査報』533号 2002年 「地方自治体が実施する世論調査の把握方法」 『よろん』 93号 2004年 ・・・ 「市町村合併関連住民意識調査の最近の実施状況と結果の公表状況」『政 経論叢』 2006年 個人ページ(世論調査協会サイトからリンク) (了) 30 市町村別回収率の差:周辺が熱心 実施主体の属性 市町村が構成する組織 市加入 市町村別回収率入手調査の総件数 全体を上回った調査の件数 町村だけ 200 145 17 33 183 112 2.7 2.2 人口が最大の市町村の回収率が 全体を下回った調査の件数 最大市町村と全体の回収率差の平均(%) 31 福島県湯川村の住民意向調査 1. 調査期日 : 平成17年7月1日~7月14日 2.調査地域 : 村内全域 3.調査対象 : 平成17年4月1日現在で 16歳以上の村民(3,110人) 4.有効回収数:1,860件(回収率:59.8%) 5.調査方法 : 行政区長に調査票を対象者(世帯 毎)に配付していただき、回収は、行政区長に各世 帯分を取りまとめていただき、総務課 へ提出してもらう。 (湯川村サイト) 32 第33条 町長は、まちづくりの重要な課題に取り組むに当たり、広く町民の意向 を把握するために、町民意識調査を実施するものとする。 2 町長は、町民意識調査の目的、対象者、結果の取扱いについて、事前に明ら かにするものとする。 【趣旨】 1.第1項では、まちづくりの重要な課題に取り組むにあたり、町民意識調査を実 施することを明らかにしました。町民意識調査は従来から行なわれているもので すが、町民の意向確認をするために有効な制度であり、制度的な確立が必要だ からです。 2.第2項では、「町民意識調査の目的、対象者、結果の取扱いについて、事前 に明らかにする」ことを示しました。現在、民間企業や公共的団体などで、さまざ まな世論調査や意識調査が行なわれています。このようななか、プライバシーを 保護していくためには、町民意識調査について、その実施を事前に明らかにする ことが必要です。また、このような措置は、回収率の向上にも通じるものです。 33 全国対象の郵送調査 総務省「通信利用動向調査」の回収率 80% 返送先:民間 対象は世帯 60 40 20 0 6 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 9 19 19 19 19 20 20 20 20 20 20 20 34
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