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胃腸管間質腫瘍(GIST)における細胞周期調節因子の検討
【はじめに】
GISTは胃や小腸に発生する腫瘍で、症例により経過が異なり、良性から悪性まで様々です。手術後に再発
や転移をする危険性を正確に予測することが困難な腫瘍です。ヒトの細胞には細胞周期調節因子というタン
パク質があり、細胞分裂が適切に行われるよう調節しています。この細胞周期調節因子に異常があると、過
度に細胞が増殖するため、腫瘍が発育する原因の一つになります(図1)。GISTにおいても細胞周期調節因
子の異常が発生や悪性度が増す原因になっている可能性があります。 本研究では、GISTにおいて細胞周
期調節因子の異常を検討し、再発や転移をする危険性を正確に予測する指標になるか研究します。
【対象】
当研究は、 1988年から2006年に手術され、当院病理部/形態機能病理学において、胃腸管間質腫瘍
(GIST)の診断を受けた患者さんを対象としています。
【研究内容】
当院病理部/形態機能病理学において病理診断されたGISTの手術標本の組織を使って、
細胞周期調節因子の発現を観察するための染色を行い、計測します(図1)。
この染色の結果と腫瘍の悪性度や経過を比較し、細胞周期調節因子の異常がGISTにおいて
どういった影響を持つのか考察します。
この研究を行うことで患者様に日常診療以外の余分な負担は生じていません。
【患者さんの個人情報の管理について】
本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さん
を特定できる情報は一切含まれません。
対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。
【研究期間】
平成22年 研究倫理委員会による承認日から平成24年3月31日まで
【医学上の貢献】
この研究によりGISTにおける細胞周期調節因子異常と
臨床病理学的因子および予後との関連が示唆されれば、
新しい予後因子が明らかとなり、より適切な治療方法の選択
細胞周期調節因子
の異常
につながる、など医学上の貢献があると考えます。
【研究機関・組織】
責任者:九州大学大学院 形態機能病理学 教授
九州大学病院病理部 部長
小田 義直
細胞の腫瘍化
担当者:九州大学病院 病理部
助教
山元 英崇
連絡先:〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
山元 英崇
(Tel 092-642-6067)
図1:細胞周期調節因子の異常と
腫瘍の関係