EU統一の監督機関設立の是非 否定派 村杉 松江 亀井 小川 主張 ①EU各国の経済状況は異なる ②新設機関の基礎は既にECBに存在する ③ECBによる包括的な監督が望ましい 以上の3点から、 我々はEU統一の監督機関設立を否定する ここで、まずはじめに・・・ 新たな監督制度とは? 新たな監督制度とは マクロ経済を監督 欧州委員会が提案した新金融監督制度。 欧州中央銀行(ECB)とは別に、 欧州システミック・リスク委員会(ESRC) 欧州金融監督者制度(ESFS) を設置することを提案した。 ミクロ経済を監督 ① EU各国の経済状況は異なる まだ制度の詳細が決まっていないため、 既存の各国の監督機関の制度を残したまま、 欧州金融監督者制度(ESFS)を導入すると... ESFSが監督する または 各国の監督機関の制度を一律のものにし、 ESFSが監督する ① EU各国の経済状況は異なる 既存の各国の監督機関の制度を残したまま ESFSが監督する 各国の監督機関の権限や責任を 今回の危機の発生で、従来の体制の欠点は 現状と変わらない しかし 「分権的であった」ことが挙げられた。 委任したままの状態である 各国の監督機関の制度を一律のものにし、 ESFSが監督する 各国の監督形態はバラバラ・・・ イギリス 一元化監督 ドイツ 一元化監督 がFSAに一元化された 行との関係は維持された フランス 一元化監督でない 各国の状況は異なるため各国の 銀行・保険・証券の各監 銀行・証券・保険にわ 業態・機能別に監督 督 庁を 統 合し て BaFin に たる金融サ ービス全 行政機関が依然とし 実情に合わせた監督ができない 一元化されたが、中央銀 般の規制・監督権限 中銀からの 権限移転が行われた 中銀からの権限移転は 行われていない て複数存在している 中銀とは独立した組織だが 一元化していない 各国の監督機関の制度を一律のものにし、 ESFSが監督する 各国の経済発展はバラバラ・・・ EU各国のGDP 格差がある (単位 百万ドル) 各国の経済状況が異なるため、利害が 利害が一致しない60以上もの機関が 参加する仕組み自体が機能することは難しい 一致せず、意見調整が困難である しかも ② 新設機関の基礎は既にECBに存在する 既にECB内に銀行監督委員会が存在する a. EUの全ての中央銀行と金融規制・監督 当局を取り締まる b. ユーロシステムの監督機能に関連しな い問題についても規制・監督当局間の 協議の場を提供する役割を担う 各国中央銀行と規制・監督当局の双方が望めば いつでも国境を超えて協力することができる ② 新設機関の基礎は既にECBに存在する 欧州銀行監督者委員会、欧州保険・年金監 督者委員会、欧州証券監督者委員会が存 在する a. 金融監督に関するEU指令に基づく 施行規則の立法にかかる助言 b. ガイドラインや勧告によるEU法施 行の円滑化 c. 各国監督当局間の協力関係強化 など ② 新設機関の基礎は既にECBに存在する 新たな機関を設立しても、関与する人は不変 設立が計画されているのは、銀行など個 • ECB総裁、副総裁 別の金融機関の監督を担う機関と、欧州 既にECB内で基礎ができているので • 27の加盟国の中 ECBが中心となる機関を 中央銀行(ECB)が中心となる欧州全体の 既存機関を強化することで 新たに設立する必要はない 央銀行総裁 新たな監督機関を設立しなくてよい 金融システムを監督する機関。 • ESFS3機関の監 (ブリュッセル23日ロイター) 督組織の代表 • 欧州委員会の代 表など 計61名 ③ECBによる包括的な監督が望ましい 内容面・実行面の両者を 最近数年間の経験により、 実行面より密接な関係にし内容面 マクロ・プルーデンシャル監督と 欧州金融界トップリーダーの 金融安定化を目指すのであれば 欧州中央銀行 監督・規制 ミクロ・プルーデンシャル監督の区別 ド・ラロジエール委員長は しかし (ECB) が重要であることが表面化した。 など 金融政策を担うECBと 報告書の中でこのように述べている・・・ 両者は内容面にも実行面でも明らか 同一の組織の中で に絡み合っている必要がある。 金融監督を行うほうが効率的である 新たな機関を設立するということは、 実行面であるECBと内容面である 監督・規制機関を分けている まとめ ①EU各国の経済状況は異なる ②新設機関の基礎は既にECBに存在する ③ECBによる包括的な監督が望ましい 以上の3点から、我々は欧州金融監督制度を 設立しないことを主張する ご清聴ありがとうございました
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