論文紹介_2010-July.ppt INTEGRAL衛星でみたCXBと銀河面放射 Tsunefumi Mizuno Hiroshima Univ. June 15, 2009 “INTEGRAL hard X-ray spectra of the cosmic X-ray background and Galactic ridge emission,“ Turler M. et al. A&A 512, A49 (2010) Tsunefumi Mizuno 1 論文紹介_2010-July.ppt Introduction (1): CXBとは • 全天からくるX線放射の総称. CMBより早く発見. (Giacconi et al. 1962) • 遠方の活動銀河核の重ね合わせと考えられている. 実際, 軟X線領域(E<=10 keV)ではChandraによりほぼAGNに分解. • ~30 keVの硬X線にピークをもち, 2型セイファートの寄与が大きいとされる. • 近年の観測は, 伝統的なHEAO-1の物より~20%高いフラックスを報告. Sreekumar et al. 1998 Tsunefumi Mizuno 2 論文紹介_2010-July.ppt Introduction (2): 銀河面放射とは • 銀河面にそって, 明るい点源の背後にみえるX線放射の総称. • 光度は1038 erg/s程度で, 明るいX線星(Eddington限界の中性子連星)に匹敵. • 対応する点源(多数の暗いX線星)がいない一方, 真に広がったプラズマとすると 閉じ込めができず, CXBとならびX線天文学の古くからの宿題. • 現在では, 極めて多数の微弱なX線星の重ね合わせが主成分と考えられている. (Revnivtsev et al. 2009) Warwick et al. 1985 Tsunefumi Mizuno 3 論文紹介_2010-July.ppt 今回の論文 • INTEGRAL/IBISで見たCXBと銀河面 放射の最新の論文 • INTEGRALはcoded maskを用いた 硬X線ガンマ線衛星. 撮像に優れたIBIS (15 keV-10MeV)と分光能力の高い SPI(20 keV - 8 MeV)が主力検出器. • 地食を用い, 形状からCXB, 銀河面放 射(および大気X線)を分離してスペクトル を再構成. (“新発見”はないが, 折角なので議論し ましょう) Tsunefumi Mizuno 4 論文紹介_2010-July.ppt Data Analysis (1) • もし地球がX線で暗ければ簡単. X線放射の減少分 = (地球の大きさ) x (CXB or 銀河面放射) • 実際には大気によるCXBの照り返しや, 宇宙線との反応のため地球 からの硬X線放射がある. (ちなみに, ガンマ線では極めて明るい) • 先行研究(BeppoSAX, Swift, INTEGRAL)ではスペクトルの形をモ デル化して放射を分離. •本研究では, 放射の形状を仮定しバンド毎に強度を出してスペクトル を産出. Tsunefumi Mizuno 5 論文紹介_2010-July.ppt Data Analysis (2a) • 2006年の4回のEarth-occultation observationを用いる. • INTEGRALカタログ中の点源を考慮. 2s以上で検出された24天 体の寄与を評価. • CXBは一様 • 地球からの硬X線 (CXBの反射, 宇宙 線との反応)はChurazov+ 08, Sazonov+ 07に従い形状をモデル化 (へりが明るい/暗い). 後者はCOR依存 性を含む. (極が明るい) • 銀河面放射は21deg x 1.2 degの Lorentzianを仮定. (Krivonos+ 07, Revnivtsev+ 08) Tsunefumi Mizuno 6 論文紹介_2010-July.ppt Data Analysis (2b) • 2006年の4回のEarth-occultation observationを用いる. • INTEGRALカタログ中の点源を考慮. 2s以上で検出された24天 体の寄与を評価. 27 keV付近のライトカーブ (c/s) • BG (1に規格化) • CXB • 点源 • Earth (CXBの反射) • Earth (宇宙線との反応) • 銀河面放射 BG(黒)はSPIのアンチコインシデン スシールドから変動を見積もっており, 10 c/s程度と大きい. 時間変動の仕 方が他と異なるので分離可能. Tsunefumi Mizuno 7 論文紹介_2010-July.ppt Results 得られたスペクトルのまとめ. • CXB • 点源 • Earth (CXBの反射+宇宙線との反 応) • 銀河面放射 IBISでは最も広いエネルギー帯&高 統計 (下図参照). 以下ではCXBと銀 河面放射について議論. Tsunefumi Mizuno 8 論文紹介_2010-July.ppt CXB • 20 keV以上のフラックスは最近のSwift/INTEGRALの物より低く, むしろ HEAO-1/A-4(70年代; movable CsI使用)のそれに近い. • 一方20 keV以下は, HEAO-1/A2より大きい報告が多数あり. (「あすか」 「Chandra」「XMM-Newton」) • つまりCXBのピークエネルギーは低くなる. これはCompton Thick AGNの寄 与が少ないとするモデル計算(Treister+ 09)とも合致. Unobscured: Nh<=1022 Obscured: Nh=1022-1024 Compton Thick: Nh<=1024 Tsunefumi Mizuno 9 論文紹介_2010-July.ppt 銀河面放射(1) • 銀河中心・バルジのX線放射のまとめ 6-7 keVに高温プラズマ特有の鉄の輝線が見られる.(「てんま」時代から 知られてた) 80 keV付近に極小値を持つ. 点源説の根拠の一つ. 過去の結果(Krivonos+ 07)に比べ統計の面で向上. (というか相容れな い?) 15 keVの制動放射(今回の観測結果) =>0.6MsunのWD. これは銀河内の WDの平均質量として適当. Tsunefumi Mizuno 10 論文紹介_2010-July.ppt 銀河面放射(2) • 高いエネルギーから順に 核子-核子反応(pi0ガンマ線)+制動放射: 100MeV以上 逆コンプトン散乱: 100 keV - 100 MeV 511 keV: e-e+対消滅(2光子, 3光子) 分解できない点源からの放射 15 keVの制動放射(今回の観測結果) =>0.6MsunのWD. これは銀河内の WDの平均質量として適当. Tsunefumi Mizuno Porter+ 08 11 論文紹介_2010-July.ppt Summary • INTEGRAL/IBISによるCXB/銀河面放射の研究 • 地球の隠ぺいを用いてスペクトルを導出. スペクトル形状に仮定を置かない方法. • 20 – 200 keVの範囲で先行研究を上回る統計のスペクトルを取 得. • CXBは近年の結果よりやや低く, むしろHEAO-1/A4に近い CXBに対するCT AGNの寄与が低くなる. Triester+ 09とも 合致. • 銀河面放射は, 80 keV付近に極小値を持つスペクトル. 定性的に は最近のINTEGRALの結果と合致し, 点源説を支持する. Tsunefumi Mizuno 12
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