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地域別景況判断調査の
最近の実施状況
山田
茂
06年9月7日
1 実施の背景と把握方法
1)独自実施の理由
2)考察の対象
3)実施状況の把握方法
2 最近の実施状況の概要
1
1)地域で独自に実施する理由
・不況の長期化
・景況の地域差:県内でさえかなりの差
・既存の全国調査の地域集計では不足
*地域別標本数が少ない→県内の地域別・業種別集計困難
*地域集計は本社所在地基準 地域内本社+出先事業所
*小企業を含める 景況の大企業との差:1993年頃~固定
・コンテンツとしての魅力:関心が高い・更新頻度
金融機関:融資先の健全度を示す 営業員による接触
地域経済の把握:金融庁「地域密着型金融推進計画」
経営不振でも継続
2
道府県DIの一致指数値
以上
50
4月
2 0 1 2月
06
年
1月
2月
←
←
3月
←
←
11
月
10
月
9月
未満
8月
←
←
5月
6月
7月
20
05
年
4月
該当する県
40
の数
35
30
25
20
15
10
5
0
*月←←:全国DIが50未満
3
景況判断の隣県との差
沖縄
宮崎
熊本
佐賀
高知
香川
山口
岡山
鳥取
奈良
近畿
滋賀
東海
岐阜
山梨
石川
新潟
東京
埼玉
栃木
福島
自社の景況 上昇(%)-下降(%)
秋田
岩手
-5
北海道
5 %
0
-10
-15
-20
-25
-30
法人企業景気予測調査(資本金1千万円以上) 06年5月
4
県内での景況の差は大きい
20
10
広島県商工会議所連合会 1170社中838社回答
99
年
6月
99
年
12
月
00
年
6月
00
年
12
月
01
年
6月
01
年
12
月
02
年
6月
02
年
12
月
03
年
6月
03
年
12
月
04
年
6月
04
年
12
月
05
年
6月
05
年
12
月
0
-10
-20
-30
-40
-50
-60
% 好転-悪化
広 島
尾 道
呉
福 山
三 原
府 中
三 次
庄 原
大 竹
竹 原
因 島
東広島
廿日市
5
北海道
03
3
03 Q
4
04 Q
1
04 Q
2
04 Q
3
04 Q
4
05 Q
1
05 Q
2
05 Q
3
05 Q
4
06 Q
1
06 Q
2Q
北海道「企業経営者意識調査」千社中666社回答
-10
道南
-20
道央
-30
道北
-40
オホーツク
十勝
-50
-60
上昇-下落 %
釧路根室
6
神奈川県
02
年
2Q
02
年
4Q
03
年
2Q
03
年
4Q
04
年
2Q
04
年
4Q
05
年
2Q
05
年
4Q
06
年
2Q
神奈川県中小企業センター 2000社中1175社回答
-10
-20
-30
-40
-50
-60
-70
-80
横 浜
川 崎
横須賀
平 塚
藤沢
相模原
% 良い-悪い
厚 木
足柄上・西湘
7
岐阜県
岐阜県産業経済振興センター 1000社中451社
2005
2Q
2005
3Q
2005
4Q
2006
1Q
2006
2Q
2006
3Q
0
飛騨
-10
-20
西濃
-30
岐阜
-40
-50
中濃
-60
%
好転-悪化 %
東濃
8
長野県
2005
1Q
-10
-20
2005
2Q
2005
3Q
2005
4Q
2006
1Q
2006
2Q
2006
3Q
%
-30
-40
-50
-60
-70
好転-悪化 %
-80
長野県公社 「小売業景況調査」 600社中266社回答
東信
北信
中信
南信
9
03
年
4Q
04
年
1Q
04
年
2
04 Q
年
3Q
04
年
4
05 Q
年
1Q
05
年
2Q
05
年
3
05 Q
年
4
06 Q
年
1Q
06
年
2Q
三重県
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
% 好転-悪化
三重県「景況調査」 千社中284社
桑名・員弁
四日市
鈴鹿・亀山
津・久居
松阪・紀勢
伊勢志摩
伊賀
尾鷲
熊野
10
大阪府
01
年
1Q
01
年
3Q
02
年
1Q
02
年
3Q
03
年
1Q
03
年
3Q
04
年
1Q
04
年
3Q
05
年
1Q
05
年
3Q
06
年
1Q
大阪府「景気動向調査」 1980社回答
20
大阪市
10
0
北大阪
-10
-20
東大阪
-30
南河内
-40
-50
-60
% 上昇-下降
泉州
11
1993年頃~規模間景況差固定
30
10億円~
1~10億円
1千万~1億
財務省「景気予測調査」景況
20
03年
02年
01年
00年
99年
98年
97年
96年
95年
94年
93年
92年
91年
90年
89年
88年
87年
86年
85年
-10
84年
0
83年
10
-20
-30
-40
-50
上昇(%)-下降(%)
12
中小企業内の景況差も大きい
中小企業庁「中小企業景況調査」
0
▲ 20
Ⅳ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅰ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅰ
▲ 10
97
98
99
00
01
02
03
04
05
▲ 30
▲ 40
▲ 50
% 「好転」-「悪化」
中企業(~300人/
100人/50人)
小企業(製造・建設
~20人/他~5人)
13
19
90
19 年
91
19 年
92
19 年
93
19 年
94
19 年
95
19 年
96
19 年
97
19 年
98
19 年
99
20 年
00
20 年
01
20 年
02
20 年
03
20 年
04
20 年
05
20 年
06
年
業種間の差も大きい
20
中小企業景況調査
0
-20
-40
-60
% 好転―悪化
製造業
非製造業
14
全国調査の地域別標本数の例
中小企業基盤整備機構
「中小企業景況調査」
企業規模上限:
資本金3億円
または300人未満
全国計 18890社
滋賀県 252社
高知県 255社
鳥取県 271社
和歌山県 272社
沖縄県 281社
福井県 283社
国 民 生 活 金 融 公 庫
「全国小企業動向調査」
企業規模上限:従業者30人
全国計
10617社
徳島県
山形県・置賜地方
兵庫県・但馬地方
石川県
香川県
山梨県
103社
105
110
130
131
136
15
2)考察の対象
・調査客体:企業・業界団体・下部組織
・内容:景況判断項目を含む調査
・対象地域:都市と近郊~都道府県~ブロック
16
3)実施状況の把握方法
以前は把握困難・遅い
・実施機関自身による公表、PR誌
・他の機関による引用
・メディアの報道
・『統計調査総覧』(県・市実施分)約2年後発行
最近
・インターネット
・地元紙・全国紙の記事データベース
17
名称多様
• 「景況調査」「景況感調査」 「景況リポート」
「景況リサーチ」「景況観測調査」
• 「業況調査」「業況アンケート」「業況見通し調査」
• 「企業動向調査」「経営動向調査」
• 「景気動向調査」 「経済観測調査」「地域動向調査」
• 「クォタリーサーベイ」「月例調査」など
→キーワード検索時に見落としの可能性
18
2 最近の実施状況の概要
1)複数調査実施は少数
2)定期的に公表する機関数
3)実施中止・統合など
4)対象地域
5)実施周期
6)調査客体との関係
7)回収率
8)サイト上での提供情報の範囲
19
2 最近の実施状況の概要
1)複数調査実施は少数:
業種別実施 合併前の地域別を継承など
2)ネット上で定期的に公表する機関数
90年代~2002年頃まで急増、その後は漸増
(2006年1月以降:約290機関)
3)実施中止・統合など:
実施主体の財政難・合併・他との合同調査など
20
複数調査実施
同一機関による実施:少数
・業種別・属性別に実施
浜松商工会議所(商業・製造業)
各県の中小企業担当部門(受注・発注企業)
・実施機関の合併前の地域別調査を継承など
大地みらい信用金庫(根室・釧路)など
同一地域内での平行実施:各種競合は少ない
21
平行実施 北海道・宮城
対象地域
ブロック
ブロック団体
東北経済連合会
中小企業団体中央会
県中央会
業種横断団体
中小企業家同友会
府県・
道県・政令市
道庁2調査・札幌市
県・仙台市
大都市
地銀・都銀
中断
七十七銀行
第二地銀
札幌・北洋銀行
商工会議所
道連合会
信用金庫
大地みらい 苫小牧
市町村
中断
旭川 帯広 北見
室蘭 士別 網走
22
対象
ブロック
府県
埼玉
神奈川
愛知
ブロック団体
中部経済連合会
中小企業団体
中央会
県中央会
業種横断団体
中小企業家
同友会
県・政令市
県
さいたま市
横浜市
県・名古屋市
武蔵野
りそな
横浜
地銀・都銀
第二地方銀行
市町村
名古屋
商工会議所県連
埼玉縣
横浜中断
蒲郡 岡崎 一宮
横浜 さがみ
いちい 碧海
飯能
市
中断2行
名古屋中断
・個別商工会議所
信用金庫
中断
越谷
蒲郡 豊田 豊橋
藤沢
23
滋賀
ブロック団体
関西経済連
中小企業団体
中央会
県中央会
京都
関西経済連
大阪
府工業会等と
統合
兵庫
関西経済連
県中央会
中小企業家
同友会
業種横断団体
県活性化
センター
府県・政令市
県商工政策課
京都市
府・市統合
地銀・都銀
滋賀銀行
京都銀行
中断
第二地銀
びわこ銀行
商工会議所
大津
京都
統合
中断
堺 泉大津
姫路
信用金庫
湖東
京都北都
大阪市
大阪 十三
大阪東
播州
24
広島
愛媛
福岡
中小企業団体中央会 県中央会
県中央会
県中央会
業種横断団体
中小企業家同友会
中断
伊予銀行
西日本シティ銀行
都道府県・政令市
県産業振興機構
地方銀行・都市銀行
なし
第二地方銀行
商工会議所
愛媛銀行
県連合会
松山(サイトなし)
福岡・北九州
宇和島・八幡浜
信用金庫
呉
25
2006年3月
2005年9月
2005年3月
2004年9月
2004年3月
2003年9月
2003年3月
2002年9月
2002年3月
2001年9月
2001年3月
2000年9月
2000年3月
1999年9月
1999年3月
1998年9月
インターネット上で公表する機関数
300
250
200
150
100
50
0
定期公表分のみ
26
実施主体の属性(サイト収録分)
2006年に調査を実施した機関(約290)
その他
商工会連合
会
企業団体中
央会
ブロック団体
府県・政令市
地銀・都銀
第二地銀
信用金庫
商議所・連合
会
27
開始時期
60 件数
その他
50
40
信用金庫
30
商工会議所
20
第二地銀
10
地銀・都銀
府県・政令市・政府
~
19
74
19
年
75
~
79
19
年
80
~
84
19
年
85
~
89
19
年
90
~
94
19
年
95
~
99
年
20
00
年
~
0
28
中断の例:所在地(最終実施)
• 商工会議所 横浜・名古屋(02年) 神戸(04年)
大阪(統合・00年)ほか
• 都道府県 栃木(83年) 群馬 岩手(04年)
• 市 新潟 北本ほか
• 都市銀行 北海道(1997年) 東海・関西(2005年)
• 地銀・第二地銀:山口県 島根県(04年) 福島 愛
知A行(02年)B行(06年) 北海道(01年統合)
• 信用金庫 多数
• 政策投資銀行「景況感調査」 (2003年)
29
2 最近の実施状況の概要
4)対象地域:実施機関の主業務と対応
• 数県のブロック:ブロック団体
• 都道府県:省庁出先機関・政府系金融機関
都道府県と外郭団体
地銀・第二地銀
県域企業団体
• 一都市と周囲:市・商工会議所・信金
30
2 最近の実施状況の概要
5)実施周期:四半期が大半。月・半年が次ぐ。
6)調査客体との関係:
無作為抽出は都道府県・市が主
• 協力が得やすい
受注斡旋・融資、役員・顧客・会員など
31
府
県
・政
令
市
地
銀
・都
銀
第
二
商
地
議
銀
所
・連
合
会
信
用
企
金
業
庫
団
体
中
央
商
会
工
会
連
合
会
そ
の
他
実施周期
70 件
60
50
40
30
20
10
0
年
半年
四半期
隔月
月
32
調査件数
70
対象企業数
60
1000~
500~999
200~499
~199
50
40
30
20
10
金
庫
信
用
所
議
会
商
工
二
地
銀
銀
銀
・都
第
所
・商
会
議
団
業
企
地
会
工
中
体
県
・政
県
府
県
会
央
市
令
体
等
団
ロ
ッ
ク
ブ
連
0
2006年実施分
33
個
人
企
業
5人
以
下
6~
20
人
21
~
50
人
51
人
以
上
100%
80%
60%
40%
20%
0%
企業規模別メインバンク
農林系金融機関
他の政府系金融機関
政府系中小企業金融機
関
信金・信組
地銀・第二地銀
中小企業庁「中小企業実態基本調査」(2005年) 都銀・信託等
34
2 最近の実施状況の概要
7)回収率:調査方法に対応
聞き取りが高く、郵送は低い
8)サイト上での提供情報の範囲
• 対象・実施方法の明細・規模別集計は少ない
最新分以外の結果収録は限定 民間は短い
• 閲覧制限:
会員企業・調査への回答企業・特定顧客限定
• メディア:有料閲覧ページへ移行
35
サイト非収録(業種と所在地)
地元紙・全国紙には掲載
• 信用金庫 高崎市 川崎市 新井市 京都市
観音寺市ほか多数
• 商工会議所 甲府市 東大阪市 岡山市
松山市 大分市
・第二地銀
36
7)回収率と回答企業
• 調査方法に対応
一般に小規模企業は低い
聞き取り(小規模金融)が高く、郵送は低い
→信用金庫・商工会議所による調査が高い
37
小規模企業の回答は一般に低い
%
100 中小企業実態基本調査(2005年)
80
60
40
20
0
個人企業 5人以下 6~20人 21~50人 51人以上
%
100 法人企業景気予測調査(06年5月)
80
60
40
20
0
1千万円~1億円
1~10億円
10億円以上
38
景況判断調査の回収率
60
50
40
30
20
10
0
80%~
60~79
40~59
20~39
~19%
%
ブ
ロ
ッ
ク
団
体
等
府
県
・
政
令
市
商
工
会
県
連・
会
議
所
中
小
企
央
業
会
団
体
中
地
銀
・
都
銀
第
二
地
銀
商
工
会
議
所
信
用
金
庫
39
8)サイト上での提供情報
少ない
・実施方法の明細
・規模別集計(業種別集計はほとんどが提供)
・最新分以外の結果(特に小規模機関)
閲覧制限
会員企業 回答企業 特定顧客
有料閲覧ページへ移行(新聞社)
40
四半期調査結果のサイト収録回数
100%
1回
80%
2~4
60%
5~12
40%
13~20
40回~
用
金
信
商
工
会
議
所
銀
二
地
第
・都
会
県
工
商
地
銀
連
等
体
等
団
経
済
県
・政
令
府
庫
0%
銀
21~39
市
20%
11以上の機関を含むカテゴリー
41
100%
10~
7・8・9
6業種
5業種
3・4
2業種
細分なし
80%
60%
40%
20%
信
用
金
庫
商
議
所
第
二
地
銀
銀
銀
・都
地
府
県
・政
令
市
0%
業種別細分集計(06年実施分)
42
終
地域別景況判断調査の
最近の実施状況
43
東北地方
5
上昇(%)-下降(%)
0
-5
青森
岩手
宮城
秋田
山形
福島
-10
-15
-20
内閣府・財務省「法人企業景気予測調査」06年5月
44
近畿地方
上昇-下降
和
歌
山
奈
良
兵
庫
-10
近
畿
滋
賀
-5
京
都
0
-15
-20
-25
-30
-35
45
九州地方
上昇-下降
沖
縄
宮
崎
大
分
熊
本
鹿
児
島
-10
長
崎
北
部
九
州
-5
佐
賀
0
-15
-20
-25
-30
46
中国・四国地方
上昇-下降
上昇-下降
0
0
-5
鳥取
島根
岡山
広島
山口
-5
-10
-10
-15
-15
-20
-20
-25
-25
-30
徳島
香川
愛媛
高知
-30
47
2005年 都道府県別有効求人倍率
福
井
県
三
重
県
東
京
都
群
馬
県
愛
知
県
全
国
有効求人倍率(2005年)
青
森
県
沖
縄
県
高
知
県
鹿
児
島
県
秋
田
県
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
48
2)インターネット上で公表する機関数
商工
実施主体
総
3)
都道
ブロ
の属性2)
数
出先
府県
ック
政府
市・
経済
個別
企業
商工会
そ
・同
県
都
地
二
信
業
系
外郭
団体
業界
団体
連合会
の
連合
会
銀
銀
地
金
保
金融
団体
団体
中央会
確認時点
商工会議所を除く県域団体
中小6)
6)
個
4)
7)
別
会議
所
企
業5)
第
他
建設
銀
証
1998年9月
45
0
6
1
0
0
0
1
13
0
16
2
3
1
2002年12月
237
2
35
2
3
28
10
6
64
2
27
10
41
3
2006年6月
290
2
36
7
4
30
16
8
69
1
34
12
67
3
49
徳島県
徳島県商工会議所連合会「景況調査」 06年6月 307社中289社回収
0
-10
-20
-30
-40
-50
-60
-70
阿南
池田
吉野川
小松島
鳴門
徳島
売上の動向(増加-減少)%
50
滋賀県
40
滋賀県「企業景況調査」 面接571事業所
30
20
10
0
-10
-20
-30
05年3Q
05年4Q
06年1Q
06年2Q
大津
湖南
甲賀
東近江
湖東
湖北
湖西
% 好転-悪化
51
栃木県
「産業景気動向調査」
1221事業所中741事業所
15
10
5
上向き-下向き %
%
0
▲5
04/3Q
04/4Q
05/1Q
05/2Q
05/3Q
05/4Q
06/1Q
06/2Q
▲ 10
▲ 15
▲ 20
県 北
県 央
県 南
▲ 25
52