1節 1 わたしたちを 取り巻く情報 情報とメディア ◯ 情報とは何か □ 情報と「もの」との違い □ 情報とは 情報… ものを伝えるとき… 元の所有者の手元には残らない 物事に関する知らせ 受け取る主体に判断や振る舞いの 基準 情報を伝えるとき… 複製されて伝わり,元の所有者も情報 を持つ 人間だけでなく,他の生物,コンピュータ などの非生物,細胞なども情報を受け取 る →情報に基づく判断や振る舞いを示す 判断や振る舞いの基準を与えないもの ≠ 情報 ・情報技術の発達により情報の複製が 容易になる →情報は次々に複製,広い範囲に伝わ る 個人情報の流出・著作権侵害などの問 題に注意 p.64-65 1節 1 わたしたちを 取り巻く情報 情報とメディア ◯ メディアとは何か 情報はメディアによって伝えられ る 次の3つの意味がある □ 伝達のためのメディア… 伝達や通信の媒体 手紙,電話,新聞,テレビ,インターネット など □ 表現のためのメディア… 表現手段として 文字,音楽,音声,表,図,写真,動画な ど □ 記録のためのメディア… 記録や蓄積に使われる 紙,手帳,ノート,CD−ROM,ハードディ スク,フラッシュメモリなど p.64-65 1 1節 わたしたちを 取り巻く情報 情報とメディア 伝達のためのメディアの特徴 方向 形態 同期性 手紙 双方向 1対1 × 文字 新聞 一方向 1対多 × 文字,画像 Webページ 一方向 1対多 △ 文字,音声,画像,動画 電子メール 双方向 1対1 × 文字 電子掲示板 双方向 多対多 × 文字 チャット 双方向 多対多 ○ 文字 テレビ会議 双方向 多対多 ○ 文字,音声,画像,動画 ディジタルテレビ 双方向 1対多 ○ 文字,音声,画像,動画 ◯ 技術の進歩と情報活用 現在…高度情報社会 →多くの情報を活用できることが必要 ・個人で蓄えられる情報には限界 情報技術を駆使して情報を活用する技 能が重要 p.64-65 主な表現形式 1節 2 わたしたちを 取り巻く情報 信頼できる情報とは ◯ 情報の偏り □ 情報操作 得られた多くの情報… 信頼できるものとは限らない ◯ 信憑性の評価 情報の信憑性の評価 ・発信者がどのような人であるか ・一次情報か,二次情報か ・裏付けられた情報か,個人的な感想 ・根拠の薄いもの・意図的にゆがめられ たもの 情報操作= 都合のよい部分の誇張 都合の悪い部分を意図的に省く など □ 情報の偏り 全ての情報を伝えることはできない →発信者による選択→何らかの偏りが 生じる p.66-67 か ・根拠が示されているか,論理的に 妥当であるかを確認することにより 評価 1節 2 わたしたちを 取り巻く情報 信頼できる情報とは ◯ メディアと信憑性 ◯ 情報の変形 マスメディア… 公共性の高い組織,社会的責 任 情報は伝えられていくうちに ・一部が抜け落ちる ・主観や感想が混ざる →信憑性の低い情報の提供に慎重 →情報はしだいに変形する 信頼できる情報を判断できること 情報通信ネットワーク… 個人による発信・匿名性 →信憑性の低い情報に惑わされない 信頼できる情報を提供する基礎となる →無責任な発信が行われやすく,信憑性 が低い p.66-67 1節 3 わたしたちを 取り巻く情報 メディアリテラシー ◯ 批評的な読み解き □ 複数の情報源での確認 マスメディアやインターネットから流れてく る情報 ・根拠のないもの □ 批評的な読み解き 批評的な読み解き =何が表現されているか+そのような 表現になっているかの理由や背景 ・意図的に操作されたもの ・偏りがあるもの →情報の信憑性や価値を判断する もある 新しい情報に触れたとき →複数の情報源で確認することが大切 ◯ 情報の背景 メディアからの情報は,理由や背 景によって加工 □ 発信者が受信者を説得しよう とする意図 例)広告…商品やサービスの販売や普 及を促す →必要性を強調,問題点に触れない p.68-69 1節 3 わたしたちを 取り巻く情報 メディアリテラシー □ 発信者の価値観 例)新聞…保守的な新聞社, 革新的な新聞社 →政治や歴史の問題についての記事の 論調に差異 □ 受信者の興味や好み 例)テレビ放送…曜日や時間帯 →想定した視聴者の好みに合わせた番 組の制作 p.68-69 □ スポンサーの存在 例)放送事業者…出資している スポンサー →製品を批判する番組は作成できない 製品に関心がある視聴者を引き付ける 番組の提供 1節 3 わたしたちを 取り巻く情報 メディアリテラシー ◯ メディアリテラシー 情報の信憑性や価値を正確に 評価できる能力 (従来) メディアリテラシー + (近年) メディアを活用する力 メディアで発信する力 を含める (優れた発信ができる,問題ある発言をし ない) p.68-69 2節 1 アナログから ディジタルへ 情報のディジタル表現 ◯ 2進法と16進法 ◯ 情報の量の単位 コンピュータ ビット…2進法の1桁 2進法… 8ビット = 1バイト 全ての情報を0と1で扱う ↓ 人間にとっては長く扱いづらい 16進法… 0〜9とA〜Fの16種類で表現 単位の大きさと用途 単位 大きさ bit(ビット) p.70-71 用途 最小単位 B,byte(バイト) 8bit 情報の量の単位 KB(キロバイト) 1024B ファイルサイズ MB(メガバイト) 1024KB CD-ROM GB(ギガバイト) 1024MB ハードディスク,DVD-ROM TB(テラバイト) 1024GB ハードディスク PB(ペタバイト) 1024TB サーバ 2節 1 アナログから ディジタルへ 情報のディジタル表現 ◯ 文字のディジタル表現 コードとして2進法などの数値が 対応 半角の文字…8ビット ◯ AD変換 アナログデータ…連続的に変化する ↓ AD変換 ディジタルデータ…離散的に変化する 日本語の漢字やひらがな…16ビット で表現 I □ 標本化(サンプリング) C T 01001001 01000011 01010100(2) 49 43 アナログ量のデータをある間隔で区切っ て取り出す 54(16) □ 量子化 限られた桁数の数値を割り当てる □ 符号化(コード化) 量子化されたデータを2進法で表現 p.70-71 2節 1 アナログから ディジタルへ 情報のディジタル表現 ◯ 画像のディジタル表現 ・画素(ピクセル)の集合に分割…標本化 解像度… ■ 光の三原色 □ 加法混色…ディスプレイなど ・光の三原色… どれだけ細かい画素に分割するか 色を加えると明るさが増す 赤(R:Red) → 緑(G:Green) 青(B:Blue) ・画素を色の組み合わせで表す… 量子化 階調…色を何段階に分けるか 0 0 0 0 0 0 0 2 5 3 4 3 4 4 0 0 □ 減法混色…絵の具, カラープリンタなど ・色材の三原色… 色を加えるほど黒に近づく シアン(C:Cyan) ・情報を2進法にする…符号化 000 000 000 000 000 000 000 010 101 011 100 011 100 100 000 000 p.72-73 マゼンタ(M:Magenta) イエロー(Y:Yellow) 2節 1 アナログから ディジタルへ 情報のディジタル表現 ◯ 動画像のディジタル表現 ・一定時間間隔でフレームに区切る ・決められた大きさの離散的数値にする …量子化 ・フレームごとにディジタル化する …次々に提示する →残像のため動画に見える ◯ 音のディジタル表現 音…空気の振動の波によって伝 達 ・一定時間間隔でデータを収集…標本化 → p.72-73 ・2進法で表す…符号化 2節 1 アナログから ディジタルへ 情報のディジタル表現 ■ データの大きさと誤差 □ 標本化による誤差 □ 量子化による誤差 画素やフレーム数が多い→ 量子化ビット数が大きい→ 誤差は小さくなる 量子化誤差は小さくなる データ量は大きくなる データ量は大きくなる 元の波形 標本化 → サンプリング周 波数が小さい 量子化 → → サンプリング周 波数が大きい p.72-73 量子化ビット数 を大きくすると 元の波形に近 づく 2節 2 アナログから ディジタルへ ディジタルだから できること ◯ ディジタルデータの利点 □ 複写や再利用したり, 伝達したりしても情報が劣化 しない 情報を複写や伝達するときにノイズが混 入 このような処理を高速に誤りなく行うこと ができる →電圧に違いがあるため元どおり0か1 にできる 元の画像 左右反転 色の変更 合成 □ 情報の加工が容易である コンピュータ…置き換えや計算の処理が できる →文字,音,画像,動画像などの情報を 加工 p.74-75 例)イラストにおける特定の色を別の色に 変える 2節 2 アナログから ディジタルへ ディジタルだから できること □ 多様な形態の情報を 統合できる ディジタルデータ…一括して処理・保存が できる □ 情報の圧縮が可能である 2進法の規則的なパターンを簡略的に表 現 →情報量を小さくできる 異なる表現形式の情報を扱う技術や機 器 = マルチメディア CD-R DVD-R 多様な形態の情報の統合 アナログデータ p.74-75 ディジタル データ アナログデータ 2節 2 アナログから ディジタルへ ディジタルだから できること ◯ ディジタルデータの問題 点 □ 微妙な情報が失われる 微妙な情報…標本化,量子化の過程で 失われる 非可聴域の周波数の音の除外 □ 情報が流出する ・大きなデータを小さな記録メディアに保 存 ・通信回線の共有 →情報の流出…回収することは難しい →人間が影響を受ける □ データ量が膨大になる □ 著作者の権利が侵害される 大きなデータを扱える 情報は複製,伝達で劣化しない ・コンピュータの性能の向上 著作物の複写や伝達が繰り返される ・記録メディアの容量の増加 →著作者の権利が侵害される ・通信の高速化 →データ量が膨大になる p.74-75 1 3節 情報の 表現と伝達 情報が伝わる仕組み ◯ コンピュータによる表現と 伝達 □ 情報の表現 画像処理ソフトウェア→図の作成 表計算ソフトウェア→グラフの作成 □ 情報の伝達 情報の伝達…印刷して配布,掲示 ポスター,プレゼンテーション, Webページ p.76-77 1 3節 情報の 表現と伝達 情報が伝わる仕組み ◯ 伝えるとはどういうことか 情報の伝達:送り手側→メディア →受け手側 □ メディア 情報は物理的な信号として伝達 …メディア固有のルールや手順に従って 送信 □ 送り手側 情報をメディアで送ることのできるよう変 形・加工 p.76-77 □ 受け手側 信号を知識や経験により解釈し、情報を 取り出す 1 3節 情報の 表現と伝達 情報が伝わる仕組み ◯ コンピュータ活用上の 注意点 □ コンピュータを使える環境が 必要である コンピュータ・周辺機器・ソフトウェアが必 要 □ コンピュータの活用の方法を 習得しなければならない ハードウェアやソフトウェアごとに,活用 の方法を習得する必要 □ 手作りの味わいがない 画一的で味わいがないといわれる p.76-77 1 3節 情報の 表現と伝達 情報が伝わる仕組み ■ ビットマップデータと ベクトルデータ □ ビットマップデータ (ラスタデータ) オブジェクトの種類と座標値などの情報 画素を並べることで文字や図形を表現 …ドロー系ソフトウェアに対応 …ペイント系ソフトウェアに対応 →CADのように,正確さを求める図形に 向く →写真編集など,細かさを重視する作業 に向く p.76-77 □ ベクトルデータ 2 3節 情報の 表現と伝達 伝達のための表現と 手段 ◯ メディアの選択 □ 情報伝達での選択 情報を伝える相手や目的 ・プロジェクタによる資料提示 →適切なメディアの選択,発信の方法に注 意 →注目度や臨場感がある □ 情報発信での選択 多くの情報を盛り込めない 遠い席からは見えにくい ・目上の人へのお礼の手紙 ・紙に手書き・文書を印刷した資料 →手書きのほうが丁寧,書き手の思いが 伝わる →着席位置にかかわらず,等しく読める ・人を説得 資料に書き込みができる 詳しい情報を盛り込める →電話,直接会うほうがよい パンフレット ポスターセッション Webページ ポスター p.78-79 プレゼンテーション 2 3節 情報の 表現と伝達 伝達のための表現と 手段 ◯ Webページの利用 Webページによる伝達 ・その場にいない人に対しての伝達に有 用 ・見ようとする人にしか情報を伝達できな い ■ カラーユニバーサル デザイン 色の見え方・感じ方…人によって異なる →色だけでなく文字や数字の情報を加え る工夫 = カラーユニバーサルデザイン ※配色のバランスや美しさ,色のイメージ だけでなく ↓ 見やすさや分かりやすさへの配慮が必要 p.78-79 3 3節 情報の 表現と伝達 プレゼンテーション ◯ プレゼンテーションの 重要性 プレゼンテーション ■ プレゼンテーションのこつ 1 全体を整理して理解しやすい流れを作 る …自分の知識や意見を正確に印象的に伝 えること □ プレゼンテーションの準備 ソフトウェアの活用→内容を見やすく提 示する工夫 効果的なプレゼンテーションには準備・リ ハーサル 2 イラスト,写真,映像など視覚に訴える 資料を用意 3 主張すべき点を箇条書きにして,端的に 述べる 4 聞き手の反応を見て説明を繰り返したり, 質問を投げかけたりする □ リハーサルで考えること 時間配分,身体表現,声の大きさ,話す 速度, 声の抑揚,話の間,コミュニケーションの 適切さ p.80-81 5 時間配分に気を付ける 6 身振り手振りを加える 3 3節 情報の 表現と伝達 プレゼンテーション ◯ プレゼンテーションの評価 評価…改善のための参考,発表 者の目標 →どうすればプレゼンテーションを改善で きるか 解決のアイディアを出す ■ ディスカッション プレゼンテーション…一方的な情報伝達 になりやすい ↓補う形で ディスカッション…複数の人間が意見を 述べ合う 参加者が意見を出し合い共通理解→発 展した考え方 p.80-81 ○○についてのプレゼンテーション で始めに説明を一気にしてしまうこと について,どう思いますか? 賛成! 後でまとめて 質問を受ければ いいよ! 分かりにくい テーマだから, 説明を区切りながら, ゆっくりやった方が いいと思う… そうそう, インスタン ト食品より 味見しなが ら手作りし た方がお いしいよね。 あ,この前 さ… 3 3節 情報の 表現と伝達 プレゼンテーション ■ ポスターセッション ポスターセッション…資料を掲示し,聴衆に 説明 発表者と参加者が自由に対話,聞きたい発 表を選択 進め方: 1 決められた区画にポスターを掲示 2 発表者のグループ分け,時間の割り 当て 3 第1グループが一斉に発表 他のグループは聞きたい場所で参加す る 4 時間が来たら次のグループが発表 p.80-81
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