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卒論計画発表:
二重否定の使用が聞き手の意思決定や
印象形成に与える影響について
―言語確率の方向性からの検討―
文学部心理学専攻 4回生
1613070085-7 高木 沙紀子
言語確率
言語によって確率を表現するもの。
方向性
=コミュニケーションの焦点を定める意味特性。
Teigen & Brun(2003)
positive語 ある事象が起こることを強調する表現。
例)わずかな見込みがある。
二重否定
negative語 ある事象が起こらないことを強調する表現。
例)見込みはほぼない。
二重否定



一つの文の中に否定のことばを二つ重ねて用い、強
調あるいは婉曲などの意をこめる語法。
伝達の間接化が高められる。
例)可能性がないとは言えない。
二重否定語はpositive語として扱われているが・・・
二重否定


純粋なpositive語
例:「可能性がある」
性質には様々な差があると考えられる。
同等に扱ってよいのだろうか?

Teigen & Burn(1999) の実験
偏頭痛の治療法が有効である確率
“It is some possibility.” (positive語)
“It is quite uncertain.” (negative語)


パーセント評定値:positive語(31.7%)≒ negative語(31.3%)
友人に勧めたいか:positive語(90.6%)>negative語(32.4%)
➡方向性は他の人に勧めるかどうかという意思決定に影響を与
えている。


二重否定を使用した場合は、どのような影響があるのか。
他のpositive語と同様の効果があるのか。
目的

二重否定の性質について、純粋なpositive語、
negative語との比較によって検討する。
二重否定語は他の人に勧めるかどうかという
意思決定をする際にどう影響するのか。
 二重否定を用いることによって、情報や話し手
の印象に影響があるのか。

方法

Teigen & Burn(1999)の研究をもとに、実験を行う。
二重否定語
(例:「可能性がないとは限らない」)
純粋なpositive語 (例:「可能性がある」)
negative語
(例:「可能性がない」)
予備実験:パーセント評定課題
 本実験:予備実験の結果から各群で評定値が同じくら
いのものを選び、友人に勧めたいかどうかについて4
段階で評定してもらう。
 印象評定課題については検討中。
例)情報の印象(信憑性)
話し手の印象(好感度、誠実な人物だと思うか)

参考文献
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藤井 都百・宮埜 寿夫(2002).蓋然性表現語の使用範囲測定.行
動計量学,27,69-80.
Teigen, K. H. & Brun, W. (1999). The directionality of verbal
probability expressions: Effects on decisions, predictions, and
probabilistic reasoning. Organizational Behavior and Human
Decision Processes, 80, 155-190.
Teigen, K. H. & Brun, W. (2003). Verbal expressions of
uncertainty and probability. In D. Hardman & L. Macchi (Eds.),
Thinking: psychological perspectives on reasoning, judgment,
and decision making, 125-145. New York; John Wiley &Sons,
Ltd.
中村 明 (2007).日本語の文体・レトリック辞典 東京堂出版
野内 良三 (2005).日本語修辞辞典 国書刊行会
本田秀仁(2006).言語確率の方向性が意思決定に与える影響―
決定理由に基づく認知過程の分析―. 認知科学,13, 225-239.
山口 明穂・秋本 守英(編) (2001).日本語文法大辞典 明治書
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