第五章 ディジタル変復調の基礎

第六章
信号の多重化と多元接続

6・1
信号の多重化
 周波数分割多重(FDM)
 時分割多重(TDM)

6・2
多元接続
 FDMA
 TDMA
 CDMA
 3種の比較
6・1
信号の多重化
(1)周波数分割多重 (FDM)
4GHz帯地上固定無線通信回線のFDM
周波数配置(一部) (図6・1)
回線1
3.61
3.67
2
3
3.73
4
3.79
・ ・ ・
3.85 GHz
光通信の場合は 波長多重(WDM)という
0.8 nm (100 GHzに相当)間隔のWDMが実現
(2)時分割多重(TDM)
時分割多重1次群のパルス配列、0次群からの
構成法(図6・2)
125 s
0次群
t
125 s
ch 1
ch 2
ch 24
ch 1
1次群
t
1 2 34 5 6 78
フレーム 同期パルス
TDM多重化のハイアラーキ(図6・3)
世界統一
156 Mbit /s N
STM-N
N
156 Mbit /s
STM-1
3
52 Mbi t/ s
6.3 Mbit/ s
28
1 次群
1.5 Mbit/ s
24
0 次群
7
64 kbit /s
4
STM-1のフレーム構造(図6・4)
270バイト
9バイト
261バイト
VC-32 3
87バイト
SOH
STM-1
(155.52 Mbit/s)
VC-32
9行
SOH
3バイト
VC-32
AU PTR
P
O
H
P
O
H
VC-32: Virtual Container 32 (64 kbit /s 換算 672 ch)
VC-11: Virtual Container 11 (64 kbit /s 換算 24 ch)
1 バイト = 8 ビット
P
O
H
VC-11
STM-1オーバヘッドの主な機能(表
6・1)
オーバヘッドバイト
SOH
セクション
オーバヘッド
AU PTR
管理ポインタ
POH
パスオーバヘッド
主な機能
フレーム同期
誤り監視
運用保守データ
警報転送
VC-32の先頭位相
周波数同期
誤り監視
警報転送
導通試験チャネル
6・2
多元接続
(1)FDMA 周波数分割多元接続
コードレス電話の周波数配置(図6・5)
12.5 kHz
全部で89チャネル(2チャネルは制御用)
・・・
周波数
電話器 → 接続装置 254 MHz帯
接続装置 → 電話器 380 MHz帯
FDD:上りと下りで使用する周波数を変える
(2)TDMA
時分割多元接続
PHSの時間軸フレーム構成(図6・6)
1 スロット (625
Ct
s)
T1
1 フレーム (5 ms )
T2
T3
Cr
R1
次のフレーム
R2
R3
Ct
T1
T2
Ct : 送信用制御スロット
Cr: 受信用制御スロット
T1, T2, T3: 送信用スロット
R1, R2, R3: 受信用スロット
T3
Cr
R1
R2
TDD:上りと下りで使用する周波数が同じ
R3 ・・・
t
(3)CDMA 符号分割多元接続
CDMAに用いる送信側と受信側の原理図(図6・7)
ディジタル信号
搬送波
逆拡散
2次変調
送信出力
1次変調
拡散符号
(a) CDMA方式送信側
受信入力
復調
ディジタル信号
出力
拡散符号
(b) CDMA方式受信側
A ( 1, -1, 1, -1)
B ( 1, -1, -1, 1)
C (-1, -1, 1, 1)
お互いに直交している:内積が0
拡散符号の例
自分の拡散符号で2次変調された電波の情報だけが受信可
(4)3種の多元接続の比較
3種の多元接続の特徴(表6・2)
接続方法
利
点
欠
点
主な用途
FDMA
・同期が不要
・低速変調も
可
・キャリアの増加に 移動体(アナログ)
より伝送容量が低
下
TDMA
・ディジタル伝
送に適合
・同期が必要
・高速変調必要
衛星通信
移動体(ディジタル)
CDMA
・干渉妨害に
強い
・同期が必要
・広帯域装置が必
要
移動体(ディジタル)
軍事通信, GPS