DL - 電気通信大学

復習
AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
情報通信と符号化
韓 承鎬
電気通信大学
第十回目
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復習
AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
AWGN 通信路での最適判定
BPSK 信号の誤り率
複素数の確率密度関数
複素数の確率密度関数
確率変数 Z = X + jY で,X , Y ∼N (0, N20 ) の場合,
▶
確率密度関数が同じ:X , Y ∼N (0, N20 )
{
}
{
}
1
x2
1
x2
fX (x) = fY (x) = √
exp −
=√
exp −
N0
N0
πN0
2π N20
▶
X と Y は独立 ⇒ pX ,Y (x, y ) = pX (x)pY (y )
{ 2
}
1
x + y2
√
fZ (z) = fX (x)fY (y ) =
exp −
N0
πN}0
{
2
1
|z|
= √
exp −
N0
πN0
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復習
AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
AWGN 通信路での最適判定
BPSK 信号の誤り率
雑音ベクトルの確率密度関数
n = (n0 , n1 , · · · , nN−1 ) 特徴
ガウス確率過程において,基底 {αi (t)}N−1
i=0 を適切に選択するこ
とで,各基底での係数 ni が独立かつ同一分布 (i.i.d.) に従うよう
にすることができる.
n = (n0 , n1 , · · · , nN−1 ) 分布
W0 , W1 , · · · , WN−1 が独立なので
pW0 ,W1 ,··· ,WN−1 (n0 , n1 , · · · , nN−1 ) =
N−1
∏
pWi (ni )
i=0
から
(
p(n) =
1
√
πN0
)N
e
−
∥n∥2
N0
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AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
AWGN 通信路での最適判定
BPSK 信号の誤り率
AWGN での MAP 判定
▶
一般的な最適判定
m̂ = arg max Pm p(r|sm )
m∈M {
}
N0
1
2
T
= arg max
ln Pm − ∥sm ∥ + rsm
2
2
m∈M
▶
Pm =
1
M
の場合
{
}
m̂ = arg max −∥r − sm ∥2
m∈M
= arg min m∈M {∥r − sm ∥}
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AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
AWGN 通信路での最適判定
BPSK 信号の誤り率
ML での最適判定領域
判定境界
二つの信号点を結んだ直線を垂直に二分する直線
s0
s3
D0
D1
D3
D2
s1
s2
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AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
AWGN 通信路での最適判定
BPSK 信号の誤り率
BPSK 信号の誤り率
問題設定
▶
データ m = 0, 1 に応じて
{
s0 (t) =
s(t)
s1 (t) = −s(t)
を送信
▶
s(t) 復調後のエネルギー:Es
▶
雑音:N (0, N0 /2) の AWGN
▶
P0 = P 、P1 = 1 − P
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復習
AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
AWGN 通信路での最適判定
BPSK 信号の誤り率
BPSK 信号の誤り率
P0 p(r|s0 )
P1 p(r|s1 )
s1
s0
rth
−
!
Es
D1
0
!
Es
r
D0
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AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
AWGN 通信路での最適判定
BPSK 信号の誤り率
BPSK 信号の誤り率
計算の流れ
1. 0と1の判定領域:交点が境界
2. 交点の位置を計算
N0
1−P
rth = √ ln
P
4 Es
3. 誤り率=
∑1
i=0 i
が送信されて間違える確率
4. i が送信されて間違える確率 = i が送信される確率 ×i が間違
える確率
5. Q 関数
∫
Q(x) =
x
∞
1
fN (t)dt = √
2π
∫
∞
t2
e − 2 dt
x
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AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
AWGN 通信路での最適判定
BPSK 信号の誤り率
BPSK 信号の誤り率
MAP 受信機での BPSK 信号の誤り率
∫
Pe
∫ ∞
p(r |s0 )dr + P1
p(r |s1 )dr
−∞
rth




√
√
Es − rth 
Es + rth 
+ (1 − P)Q  √
= PQ  √
rth
= P0
N0
2
N0
2
ML 受信機での BPSK 信号の誤り率
P = 12 , rth = 0 を代入
(√
Pe = Q
2Es
N0
)
=Q
(√
)
2γ
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AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
QAM 信号の誤り率
QAM 信号の誤り率
計算の流れ
1. QAM 信号が謝る=I 軸、もしくは Q 軸が誤る
2. I 軸と Q 軸は独立で同じ ⇒I 軸のみ計算
3. 送信エネルギーの期待値を d で表現
4. 送信信号より大きい信号に間違える確率
5. 外側にある信号の誤り率
6. 内側にある信号の誤り率
7. 全体の誤り率
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復習
AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
多重アクセス方式
▶
▶
一対一の通信路はコストが高い
実際は複数のユーザが同じ通信路を共有
通信の目的
1. 情報が正しい
2. 届け先が正しい
A cos(2πfc t + ϕ)
変調
多重化
A
⃝
×
fc
t
⃝
△
⃝
⃝
FDMA TDMA
CDMA
ϕ
⃝
×
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復習
AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
周波数分割多重アクセス方式
▶
▶
中心周波数でユーザを区分
受信機ではフィルタを用いて情報を自分の取り出す
FDMA の特徴
1. 簡単
2. 周波数ガードが必要
時間領域で有限 ⇒ 周波数領域で無限
f0
f1
f
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AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
OFDM
▶
0 点になるところを合わせる
▶
FFT を用いて実現可能
OFDM の特徴
1. マルチパスでの受信が簡単
2. エネルギー効率が悪い
3. 誤り訂正符号など周波数ダイバーシチ効果の適応
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復習
AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
OFDM の電力効率低下例
建物など反射物
基地
局
直接波:
遅延波:
合成波:
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AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
時間分割多重アクセス方式
▶
▶
▶
▶
▶
時間軸をフレームと呼ばれる時間単位に分割
フレームを複数のタイムスロットに分割して各ユーザに割り
当てる
各ユーザは自分に割り当てられた時間スロットでのみデータ
を送信
フレームに含まれているタイミング信号からスロットを検出
しデータを復元
帯域制限のある通信路で波形が歪む
送信信号
t0
受信信号
t1
t
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復習
AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
OFDM
▶
マルチパス環境での高速通信が困難
U1
U2
U3
U4
U5
U6
U7
U8
U1
U2
U3
U4
U5
U6
U7
..
..
.
U8
.
U1
U2
U3
U4
U5
U6
U7
U8
X
X
X
X
X
X
U7
U8
+)
U1
X
X
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復習
AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
符号分割多重アクセス方式の構成
FDMA と TDMA はバースト通信時の効率が悪い
cm
sm
dm
s
⊗
⊕
··· ···
{
他のユーザの信号
の整合
フィルター
m番目のユーザの受信機
m番目以外の
ユーザの
受信機へ
dˆm
r
h
r
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復習
AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
符号分割多重アクセス方式の送信機
▶
各ユーザに拡散系列と呼ばれる擬似乱数系列を割り当てる
▶
各ユーザは自分に割り当てられた時間スロットでのみデータ
を送信
▶
変調した信号を拡散系列で拡散
sm = dm cm
▶
他のユーザの拡散信号と加算し、共通の通信路に送信
r=
M−1
∑
m=0
sm =
M−1
∑
dm cm
m=0
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復習
AWGN 通信路での誤り率
多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
符号分割多重アクセス方式
▶
受信信号 r を拡散系列 cm の整合フィルターに通す
Rr,sm (τ ) =
∞
∑
r (τ )sm (i + τ )
i=−∞
s = (1, j, −1, −j) の自己相関の例
▶
Rr,sm (0) に基づいて送信データを判定
τ = 0 の出力点での信号対雑音比が最大との意味で最適
▶
Rsm ,sm′ (τ ) の性質が通信性能の決め手
理想的:Rsm ,sm′ (τ ) = δ(m − m′ )δ(τ )
▶
従来の CDMA は通信路間干渉が性能劣化の主な原因
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