情報通信と符号化

復習
多重アクセス方式
情報通信と符号化
韓 承鎬
電気通信大学
第十回目
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復習
多重アクセス方式
MPSK 変調
QAM 変調
ビットラベリング
Q 関数
主な変調方式
余弦波
A cos(2πfc t + ϕ)
の中で利用する変数に対応して,
一つの変数で一ビット送信
1
振幅シフトキーイング変調 (Amplitude Shift Keying)
2
周波数シフトキーイング変調 (Frequency Shift Keying)
3
位相シフトキーイング変調 (Phase Shift Keying)
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多重アクセス方式
MPSK 変調
QAM 変調
ビットラベリング
Q 関数
一つの変数で Q ビット送信 (M = 2Q )
MASK(M-ary ASK), MFSK, MPSK
二つの変数を変調
複素平面上の実部 (余弦波) と虚部 (正弦波) における二つの変数
を組合わせる場合
直交振幅変調 (QAM: Quadrature Amplitude Modulation)
振幅位相変調 (APSK: Amplitude and Phase-Shift Keying)
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多重アクセス方式
MPSK 変調
QAM 変調
ビットラベリング
Q 関数
MPSK 変調方式
入力されるデータ dn ∈ {0, 1, 2 · · · , M − 1} に対し,位相にデータ
の情報を埋め込み,信号
sn (t) = A cos [2π(fc t + dn /M)] , 0 ≤ t < T
を生成する.
···
2π
2π
M
1
M
0
2π
M −1
M
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···
MPSK 変調
QAM 変調
ビットラベリング
Q 関数
復習
多重アクセス方式
MPSK 変調信号の波形 d = (0 1 2 3)
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
−0.2
−0.4
−0.6
−0.8
−1
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
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多重アクセス方式
MPSK 変調
QAM 変調
ビットラベリング
Q 関数
MPSK 変調信号の復調
⊗
成分判定
cos
信号
位相判定
MPSK
cos 2πfc t
⊗
sin
成分判定
sin 2πfc t
検波
位相を使用しているため,非同期検波ができない.
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多重アクセス方式
MPSK 変調
QAM 変調
ビットラベリング
Q 関数
QAM 変調方式
QAM 変調
周波数が fc となる波形には,cos 2πfc t と sin 2πfc t の直交す
る二つの成分が存在
余弦波と正弦波の振幅にそれぞれ dnI , dnQ ∈ D の二つの整数
を同時に送信
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MPSK 変調
QAM 変調
ビットラベリング
Q 関数
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多重アクセス方式
QAM 変調の例
D = {−3, −1, 1, 3} の場合,次のような信号配置図に対応できる.
Q
I
−3
−1
0
1
3
M = {m}15
m=0 の整数を各信号点に対応させることで情報を送信
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多重アクセス方式
MPSK 変調
QAM 変調
ビットラベリング
Q 関数
QAM 変調信号の波形
sn (t) = dnI cos 2πfc t + dnQ sin 2πfc t から

√
 cn =
dn2I + dn2Q
( )
 ϕn = − tan−1 dnQ
dn
I
とおくと
sn (t) = cn cos (2πfc t + ϕn )
と書ける.つまり,実際に送信される波形は (dnI , dnQ ) によって
振幅と位相が変化する一つの正弦波となる.
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多重アクセス方式
MPSK 変調
QAM 変調
ビットラベリング
Q 関数
QAM 変調信号の復調 (MPSK 変調信号と同様)
成分判定
⊗
cos
信号
位相判定
MPSK
cos 2πfc t
⊗
sin
成分判定
sin 2πfc t
yI (t) =
yQ (t) =
dnI
2
dnQ
2
となり,これらの出力から送信された (dnI , dnQ ) を判定できる.
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MPSK 変調
QAM 変調
ビットラベリング
Q 関数
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多重アクセス方式
自然ラベリングと Gray ラベリング
2
3 (011)
(010)
(011)
(010)
4 (100)
1
(000)
(110)
(111)
5 (101)
(001)
(001)
0 (000)
(100)
(101)
7 (111)
6 (110)
隣り合う信号はことなるビット数が少ないことが望まれる
自然ラベリングルールでは 3 ビットのエラーが起こる可能性
がある
Gray ラベリングでは,隣合うラベリングは 1 ビットのみ異
なる
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多重アクセス方式
MPSK 変調
QAM 変調
ビットラベリング
Q 関数
一次元 Gray ラベリング
1
2
3
4
L = {(0), (1)}
L 内の要素の先頭に 0 を付けた集合 L0 = {(00), (01)} を生成
する.
L 内の要素の順番を逆にし,先頭に 1 を付けた集合
L1 = {(11), (10)} を生成する.
L = L0 ∪ L1 とし,必要に応じて 2∼4 を繰り返す.
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MPSK 変調
QAM 変調
ビットラベリング
Q 関数
復習
多重アクセス方式
二次元 Gray ラベリング
横軸と縦軸に一次元の操作を行う
Q
(0000)
(0001)
(0011)
(0010)
(0100)
(0101)
(0111)
(0110)
1
3
I
−3
−1
0
(1100)
(1101)
(1111)
(1110)
(1000)
(1001)
(1011)
(1010)
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多重アクセス方式
MPSK 変調
QAM 変調
ビットラベリング
Q 関数
Q 関数
定義
1
Q(x) = Pr{N (0, 1) > x} = √
2π
∫
∞
t2
e − 2 dt
x
性質
Q(0) =
1
2
Q(∞) = 0
Q(−∞) = 1
Q(−x) = 1 − Q(x)
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多重アクセス方式
MPSK 変調
QAM 変調
ビットラベリング
Q 関数
X ∼ N (µ, σ 2 ) に対しては
(
)
Pr {X > α} = Q ( α−µ
σ )
Pr {X < α} = Q µ−α
σ
ガウス確率変数の確率密度関数および累積分布関数
F (x)
p(x)
√
1
2πσ
1
1
2
µ
x
(a)
µ
x
(b)
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FDMA
TDMA
CDMA
復習
多重アクセス方式
多重アクセス方式
一対一の通信路はコストが高い
実際は複数のユーザが同じ通信路を共有
通信路
通信の目的
1
情報が正しい
2
届け先が正しい
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多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
多重化の種類
A cos(2πfc t + ϕ)
変調
多重化
A
⃝
×
fc
t
⃝
△
⃝
⃝
FDMA TDMA
CDMA
ϕ
⃝
×
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多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
周波数分割多重アクセス方式
中心周波数でユーザを区分
受信機ではフィルタを用いて情報を自分の取り出す
f0
受信機
f1
フィルター0
フィルター1
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FDMA
TDMA
CDMA
復習
多重アクセス方式
FDMA の特徴
FDMA の特徴
1
簡単
2
周波数ガードが必要
時間領域で有限 ⇒ 周波数領域で無限
フィルター0 ガード フィルター1
f
f0
干渉
f1
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多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
OFDM
0 点になるところを合わせる
FFT を用いて実現可能
OFDM の特徴
1
マルチパスでの受信が簡単
2
エネルギー効率が悪い
3
誤り訂正符号など周波数ダイバーシチ効果の適応
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多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
OFDM の電力効率低下例
建物など反射物
基地
局
直接波:
遅延波:
合成波:
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多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
時間分割多重アクセス方式
時間軸をフレームと呼ばれる時間単位に分割
フレームを複数のタイムスロットに分割して各ユーザに割り
当てる
ユーザ0のデータ
タイミング信号
U0
U1
フレーム
U0
U1
ユーザ1のデータ
U0
U1
U0
U1
t
スロット
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多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
TDMA 通信方式の送受信
f
受信機
ユーザ0
ユーザ1
f
各ユーザは割り当てられた時間スロットでのみデータを送信
タイミング信号からスロットを検出しデータを復元
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多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
TDMA の問題点
ユーザが増えると,スロットの割当が困難
帯域制限のある通信路で波形が歪む
送信信号
t0
受信信号
t1
t
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FDMA
TDMA
CDMA
復習
多重アクセス方式
マルチパス環境での高速通信が困難
U1
U2
U3
U4
U5
U6
U7
U8
U1
U2
U3
U4
U5
U6
U7
..
..
.
U8
.
U1
U2
U3
U4
U5
U6
U7
U8
X
X
X
X
X
X
U7
U8
+)
U1
X
X
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多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
符号分割(スペクトル拡散)多重アクセス方式
FDMA と TDMA はバースト通信時の効率が悪い
c0
c1
受信機
c0 の
整合フィルター
c1 の
整合フィルター
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多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
符号分割多重アクセス方式の送信機
各ユーザに拡散系列と呼ばれる擬似乱数系列を割り当てる
各ユーザは自分に割り当てられた時間スロットでのみデータ
を送信
変調した信号を拡散系列で拡散
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多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
CDMA の例
0番目のユーザのデータ
d 0 = (+1, −1, +1, +1)
割り当てられたた拡散系列が c 0 の場合
s 0 = (d0,0 c 0 , d0,1 c 0 , d0,2 c 0 , d0,3 c 0 )
= (c 0 , − c 0 , c 0 , c 0 )
を生成し,高いチップレートで送信
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FDMA
TDMA
CDMA
復習
多重アクセス方式
送信前のスペクトル密度関数
BPSK
変調信号
1
1
1
τ
-1
X(f )
f
···
1
−
τ
0
1
τ
···
変調信号の電力スペクトル密度関数
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多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
拡散後の送信信号
変調信号
BPSK
1
1
1
-1
1 1
1 11
拡散系列:(+ − + − − + − + +−)
-1 -1-1 -1 -1
(+ − + − − + − + +−) (+ − + − − + − + +−)
(+ − + − − + − + +−)
(− + − + + − + − −+)
拡散後の信号
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多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
CDMA での受信
受信信号 r を拡散系列 c m の整合フィルターに通す
r
z −1
z −1
···
c∗m,L−1
×
c∗m,L−2
×
c∗m,1
×
c∗m,0
×
···
!
x
Rr ,c m (τ ) =
∞
∑
∗
r (τ )cm
(i + τ )
i=−∞
に基づいて送信データを判定 (SNR が最大との意味で最適)
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多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
CDMA で自己相関の影響
Rc m ,c m′ (τ ) の性質が通信性能の決め手理想的:
Rc m ,c m′ (τ ) = δ(m − m′ )δ(τ )
反射波(遅延波)
..
+
直接波
s1
の整合
フィルター
.
基地局
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多重アクセス方式
FDMA
TDMA
CDMA
CDMA で相互相関の影響
従来の CDMA は通信路間干渉が性能劣化の主な原因
s0
s1
s1
の整合
フィルター
基地局
s2
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