復習 多重アクセス方式 情報通信と符号化 韓 承鎬 電気通信大学 第十回目 1 / 33 復習 多重アクセス方式 MPSK 変調 QAM 変調 ビットラベリング Q 関数 主な変調方式 余弦波 A cos(2πfc t + ϕ) の中で利用する変数に対応して, 一つの変数で一ビット送信 1 振幅シフトキーイング変調 (Amplitude Shift Keying) 2 周波数シフトキーイング変調 (Frequency Shift Keying) 3 位相シフトキーイング変調 (Phase Shift Keying) 2 / 33 復習 多重アクセス方式 MPSK 変調 QAM 変調 ビットラベリング Q 関数 一つの変数で Q ビット送信 (M = 2Q ) MASK(M-ary ASK), MFSK, MPSK 二つの変数を変調 複素平面上の実部 (余弦波) と虚部 (正弦波) における二つの変数 を組合わせる場合 直交振幅変調 (QAM: Quadrature Amplitude Modulation) 振幅位相変調 (APSK: Amplitude and Phase-Shift Keying) 3 / 33 復習 多重アクセス方式 MPSK 変調 QAM 変調 ビットラベリング Q 関数 MPSK 変調方式 入力されるデータ dn ∈ {0, 1, 2 · · · , M − 1} に対し,位相にデータ の情報を埋め込み,信号 sn (t) = A cos [2π(fc t + dn /M)] , 0 ≤ t < T を生成する. ··· 2π 2π M 1 M 0 2π M −1 M 4 / 33 ··· MPSK 変調 QAM 変調 ビットラベリング Q 関数 復習 多重アクセス方式 MPSK 変調信号の波形 d = (0 1 2 3) 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 −0.2 −0.4 −0.6 −0.8 −1 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 5 / 33 復習 多重アクセス方式 MPSK 変調 QAM 変調 ビットラベリング Q 関数 MPSK 変調信号の復調 ⊗ 成分判定 cos 信号 位相判定 MPSK cos 2πfc t ⊗ sin 成分判定 sin 2πfc t 検波 位相を使用しているため,非同期検波ができない. 6 / 33 復習 多重アクセス方式 MPSK 変調 QAM 変調 ビットラベリング Q 関数 QAM 変調方式 QAM 変調 周波数が fc となる波形には,cos 2πfc t と sin 2πfc t の直交す る二つの成分が存在 余弦波と正弦波の振幅にそれぞれ dnI , dnQ ∈ D の二つの整数 を同時に送信 7 / 33 MPSK 変調 QAM 変調 ビットラベリング Q 関数 復習 多重アクセス方式 QAM 変調の例 D = {−3, −1, 1, 3} の場合,次のような信号配置図に対応できる. Q I −3 −1 0 1 3 M = {m}15 m=0 の整数を各信号点に対応させることで情報を送信 8 / 33 復習 多重アクセス方式 MPSK 変調 QAM 変調 ビットラベリング Q 関数 QAM 変調信号の波形 sn (t) = dnI cos 2πfc t + dnQ sin 2πfc t から √ cn = dn2I + dn2Q ( ) ϕn = − tan−1 dnQ dn I とおくと sn (t) = cn cos (2πfc t + ϕn ) と書ける.つまり,実際に送信される波形は (dnI , dnQ ) によって 振幅と位相が変化する一つの正弦波となる. 9 / 33 復習 多重アクセス方式 MPSK 変調 QAM 変調 ビットラベリング Q 関数 QAM 変調信号の復調 (MPSK 変調信号と同様) 成分判定 ⊗ cos 信号 位相判定 MPSK cos 2πfc t ⊗ sin 成分判定 sin 2πfc t yI (t) = yQ (t) = dnI 2 dnQ 2 となり,これらの出力から送信された (dnI , dnQ ) を判定できる. 10 / 33 MPSK 変調 QAM 変調 ビットラベリング Q 関数 復習 多重アクセス方式 自然ラベリングと Gray ラベリング 2 3 (011) (010) (011) (010) 4 (100) 1 (000) (110) (111) 5 (101) (001) (001) 0 (000) (100) (101) 7 (111) 6 (110) 隣り合う信号はことなるビット数が少ないことが望まれる 自然ラベリングルールでは 3 ビットのエラーが起こる可能性 がある Gray ラベリングでは,隣合うラベリングは 1 ビットのみ異 なる 11 / 33 復習 多重アクセス方式 MPSK 変調 QAM 変調 ビットラベリング Q 関数 一次元 Gray ラベリング 1 2 3 4 L = {(0), (1)} L 内の要素の先頭に 0 を付けた集合 L0 = {(00), (01)} を生成 する. L 内の要素の順番を逆にし,先頭に 1 を付けた集合 L1 = {(11), (10)} を生成する. L = L0 ∪ L1 とし,必要に応じて 2∼4 を繰り返す. 12 / 33 MPSK 変調 QAM 変調 ビットラベリング Q 関数 復習 多重アクセス方式 二次元 Gray ラベリング 横軸と縦軸に一次元の操作を行う Q (0000) (0001) (0011) (0010) (0100) (0101) (0111) (0110) 1 3 I −3 −1 0 (1100) (1101) (1111) (1110) (1000) (1001) (1011) (1010) 13 / 33 復習 多重アクセス方式 MPSK 変調 QAM 変調 ビットラベリング Q 関数 Q 関数 定義 1 Q(x) = Pr{N (0, 1) > x} = √ 2π ∫ ∞ t2 e − 2 dt x 性質 Q(0) = 1 2 Q(∞) = 0 Q(−∞) = 1 Q(−x) = 1 − Q(x) 14 / 33 復習 多重アクセス方式 MPSK 変調 QAM 変調 ビットラベリング Q 関数 X ∼ N (µ, σ 2 ) に対しては ( ) Pr {X > α} = Q ( α−µ σ ) Pr {X < α} = Q µ−α σ ガウス確率変数の確率密度関数および累積分布関数 F (x) p(x) √ 1 2πσ 1 1 2 µ x (a) µ x (b) 15 / 33 FDMA TDMA CDMA 復習 多重アクセス方式 多重アクセス方式 一対一の通信路はコストが高い 実際は複数のユーザが同じ通信路を共有 通信路 通信の目的 1 情報が正しい 2 届け先が正しい 16 / 33 復習 多重アクセス方式 FDMA TDMA CDMA 多重化の種類 A cos(2πfc t + ϕ) 変調 多重化 A ⃝ × fc t ⃝ △ ⃝ ⃝ FDMA TDMA CDMA ϕ ⃝ × 17 / 33 復習 多重アクセス方式 FDMA TDMA CDMA 周波数分割多重アクセス方式 中心周波数でユーザを区分 受信機ではフィルタを用いて情報を自分の取り出す f0 受信機 f1 フィルター0 フィルター1 18 / 33 FDMA TDMA CDMA 復習 多重アクセス方式 FDMA の特徴 FDMA の特徴 1 簡単 2 周波数ガードが必要 時間領域で有限 ⇒ 周波数領域で無限 フィルター0 ガード フィルター1 f f0 干渉 f1 19 / 33 復習 多重アクセス方式 FDMA TDMA CDMA OFDM 0 点になるところを合わせる FFT を用いて実現可能 OFDM の特徴 1 マルチパスでの受信が簡単 2 エネルギー効率が悪い 3 誤り訂正符号など周波数ダイバーシチ効果の適応 20 / 33 復習 多重アクセス方式 FDMA TDMA CDMA OFDM の電力効率低下例 建物など反射物 基地 局 直接波: 遅延波: 合成波: 21 / 33 復習 多重アクセス方式 FDMA TDMA CDMA 時間分割多重アクセス方式 時間軸をフレームと呼ばれる時間単位に分割 フレームを複数のタイムスロットに分割して各ユーザに割り 当てる ユーザ0のデータ タイミング信号 U0 U1 フレーム U0 U1 ユーザ1のデータ U0 U1 U0 U1 t スロット 22 / 33 復習 多重アクセス方式 FDMA TDMA CDMA TDMA 通信方式の送受信 f 受信機 ユーザ0 ユーザ1 f 各ユーザは割り当てられた時間スロットでのみデータを送信 タイミング信号からスロットを検出しデータを復元 23 / 33 復習 多重アクセス方式 FDMA TDMA CDMA TDMA の問題点 ユーザが増えると,スロットの割当が困難 帯域制限のある通信路で波形が歪む 送信信号 t0 受信信号 t1 t 24 / 33 FDMA TDMA CDMA 復習 多重アクセス方式 マルチパス環境での高速通信が困難 U1 U2 U3 U4 U5 U6 U7 U8 U1 U2 U3 U4 U5 U6 U7 .. .. . U8 . U1 U2 U3 U4 U5 U6 U7 U8 X X X X X X U7 U8 +) U1 X X 25 / 33 復習 多重アクセス方式 FDMA TDMA CDMA 符号分割(スペクトル拡散)多重アクセス方式 FDMA と TDMA はバースト通信時の効率が悪い c0 c1 受信機 c0 の 整合フィルター c1 の 整合フィルター 26 / 33 復習 多重アクセス方式 FDMA TDMA CDMA 符号分割多重アクセス方式の送信機 各ユーザに拡散系列と呼ばれる擬似乱数系列を割り当てる 各ユーザは自分に割り当てられた時間スロットでのみデータ を送信 変調した信号を拡散系列で拡散 27 / 33 復習 多重アクセス方式 FDMA TDMA CDMA CDMA の例 0番目のユーザのデータ d 0 = (+1, −1, +1, +1) 割り当てられたた拡散系列が c 0 の場合 s 0 = (d0,0 c 0 , d0,1 c 0 , d0,2 c 0 , d0,3 c 0 ) = (c 0 , − c 0 , c 0 , c 0 ) を生成し,高いチップレートで送信 28 / 33 FDMA TDMA CDMA 復習 多重アクセス方式 送信前のスペクトル密度関数 BPSK 変調信号 1 1 1 τ -1 X(f ) f ··· 1 − τ 0 1 τ ··· 変調信号の電力スペクトル密度関数 29 / 33 復習 多重アクセス方式 FDMA TDMA CDMA 拡散後の送信信号 変調信号 BPSK 1 1 1 -1 1 1 1 11 拡散系列:(+ − + − − + − + +−) -1 -1-1 -1 -1 (+ − + − − + − + +−) (+ − + − − + − + +−) (+ − + − − + − + +−) (− + − + + − + − −+) 拡散後の信号 30 / 33 復習 多重アクセス方式 FDMA TDMA CDMA CDMA での受信 受信信号 r を拡散系列 c m の整合フィルターに通す r z −1 z −1 ··· c∗m,L−1 × c∗m,L−2 × c∗m,1 × c∗m,0 × ··· ! x Rr ,c m (τ ) = ∞ ∑ ∗ r (τ )cm (i + τ ) i=−∞ に基づいて送信データを判定 (SNR が最大との意味で最適) 31 / 33 復習 多重アクセス方式 FDMA TDMA CDMA CDMA で自己相関の影響 Rc m ,c m′ (τ ) の性質が通信性能の決め手理想的: Rc m ,c m′ (τ ) = δ(m − m′ )δ(τ ) 反射波(遅延波) .. + 直接波 s1 の整合 フィルター . 基地局 32 / 33 復習 多重アクセス方式 FDMA TDMA CDMA CDMA で相互相関の影響 従来の CDMA は通信路間干渉が性能劣化の主な原因 s0 s1 s1 の整合 フィルター 基地局 s2 33 / 33
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