情報工学科 3年生対象 専門科目 システムプログラミング 第5回 ヒアドキュメント レポート課題 main関数の引数 usageメッセージ 情報工学科 篠埜 功 今日の内容 • • • • ヒアドキュメント レポート課題出題 Cプログラムのmain関数の引数について Usage メッセージについて ヒアドキュメント シェルスクリプト内部で、コマンドへのキーボードからの入力を シェルスクリプト内に直接書いておくことができる。 コマンド << str ……… str のように、<<の右に区切り文字列を(自分で決めて)書き、その 次の行から、指定した文字列が最初に現れるまでの部分を、 ファイルからコマンドへ < でリダイレクトしたのと同等の効果が ある。 ヒアドキュメントの例1(打ち込んで確認) #!/bin/sh cat << EOF <html> <body> hello </body> </html> EOF 上記のようにある程度長いメッセージを 出力したい場合、ヒアドキュメントを使うと きれいに書ける。 ヒアドキュメントの例2(打ち込んで確認) #!/bin/sh cat << EOF > sample.c #include <stdio.h> int main (void) { printf ("test\n"); return 0; } EOF gcc -o sample sample.c ./sample これはシェルスクリプト内でCのファイルを作成し、 コンパイルして実行する例である。 レポート課題2 課題2-1, 2-2, 2-3の3つの課題(後述)のシェ ルスクリプトをkadai2-1.sh, kadai2-2.sh, kadai2-3.shというファイル名で作成せよ。 レポートの提出方法 □ 下記のファイルを作成し、提出 • kadai2-1.sh, kadai2-2.sh, kadai2-3.sh, kadai2.txt □ 提出方法 システムプログラミング講義用の課題提出用フォルダ内に あるkadai2というフォルダの中に自分の学籍番号を名前と するフォルダを作成し、その中に上記ファイルを置く。 kadai2.txt内に学籍番号、氏名、日付、および作成したプ ログラムの簡単な説明を記載する。 □ 提出期限 11月15日 23:59 まで。締め切り後に提出した場合、成績 への反映を保証しない。 課題2-1 テキストファイルのファイル名をシェルスクリプトの引数とし て受け取り、そのファイルが存在すればファイルの中身を 表示し、存在しない場合には、 ファイル名: No such file exists. と表示して終了するようにせよ。実行方法は、 $ ./kadai2-1.sh test.txt のようにファイル名を引数として与える。この場合、test.txt というファイルが存在すれば中身を表示する(表示はcatコ マンドを使えばよい)。存在しなければ上記のメッセージを 表示する。 ファイルの存在確認は、testコマンドを用いて、 test –f ファイル名 で行うようにせよ。コマンド “test –f ファイル名” の終了statusは、そのファイルが存在して通常 のファイルなら真、そうでなければ偽である。 課題2-2 課題2-1のプログラムに,引数の個数チェックを 行う処理を追加し、ファイル名が引数に与えら れなかった場合、 $ ./kadai2-2.sh Usage:./kadai2-2.sh filename のようにエラーメッセージを表示するようにせよ。 引数の個数は$#という変数に入っており、testコマンドで test $# -eq 0 (あるいは [ $# -eq 0 ]) により、引数が0個かどうかを判定できる。 起動したコマンド名(この場合は./kadai2-2.sh)は$0に 入っているのでそれを使う。 課題2-3 テキストファイルのファイル名とキーワードをキーボードから受 け取り、指定した文字列を含む行を表示するシェルスクリプトを grepコマンドを用いて作成せよ。 (実行例) text.txtのファイルの中にThis is a test. という行があ る場合、 $ ./kadai2-3.sh 赤字の部分はキーボードか Enter filename: test.txt らの入力 Enter keyword: es This is a test. キーボードからの入力はreadコマンドで受け取る。 (例) read x とすると、変数xにキーボードからの入力が入る。 メッセージ表示後に改行しないようにするには echo –n …. のようにすればよい。表示する文字列の最後に空白を入れた い場合、表示する文字列を””で囲めばよい。 Cのmain関数の引数について /* コマンド名および引数を表示 */ #include<stdio.h> int main (int argc, char *argv[ ]) { for ( ; *argv; argv++) printf ("%s\n", *argv); return 0; } (実行例) $ gcc 1.c $ ./a.out abc 234 ./a.out abc 234 $ main関数の第3引数 main関数は第3引数に環境変数の情報の配列が渡される 場合がある。(ISO規格で定められているわけではなく、処理 系依存。) #include<stdio.h> int main (int argc, char *argv[ ], char *envp[ ]) { for ( ; *envp; envp++) printf ("%s\n", *envp); return 0; } 演習室の環境では第3引数を受け取れる。第3引数はなく てもよい。環境変数はライブラリ関数getenv()で取得できる のでそれを使えばよい。 スタートアップルーチン C言語プログラムは、実行形式ファイルにするときにスタート アップルーチンとリンクされる。 スタートアップルーチンは、/usr/lib64/crt1.oにある。 $ gcc -print-file-name=crt1.o でcrt1.oの場所が表示される。 $ nm /usr/lib64/crt1.o でcrt1.oの中身を確認する。この出力結果に U main という行が含まれており、スタートアップルーチンがmain関数 を呼び出していることがここに反映されている。 Uはmainが未定義であることを表す(main関数は別のファイ ルで定義される)。 スタートアップルーチン部分で引数の個数、引数の文字列配 列、環境変数配列をmain関数に渡す。 コマンドのオプションについて • オプションはハイフンのあとに1文字(-oなど) • オプションのあとにオプションの引数があること もある – (例) gcc –o main main.c など。 • いくつかのオプションをまとめて記述することも ある – 例 ls -la は、ls -l -a をまとめて書いたものである。 • --helpのように、ハイフンが2つの場合もある。( これは-h -e -l -pを-helpと書いた場合との区別 のため) Usage メッセージ (1)オプションが正しく与えられなかった場合 (2) コマンドの引数に過不足があった場合 このような場合にメッセージを出すのが普通。こ れをUsageメッセージという。 例えば、 $ cp のようにcpコマンドを引数無しで 実行すると、Usageメッセージが表示される。 例(打ち込んで確認) /* Usageメッセージを表示するだけのプログラム */ #include<stdio.h> int main (int argc, char * argv[]) { if (argc!=2) fprintf (stderr, "Usage: %s filename\n", argv[0]); return 0; } (実行例) $ gcc usage.c $ ./a.out Usage: ./a.out filename
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