物理Ⅰの確認 電波(電磁波)は • 電流の流れる向きと大きさが絶えず変化するときに発生 電流・・・1秒間に通過する電荷の量 もう少し詳しく 電流のもとになる荷電粒子(+や-の電気を帯びた粒子)で考えると +の電荷とーの電荷(点電荷対)の振動により,電場と磁場が発生。 それにより電磁波となって伝わる。 ・電場と磁場の方向は直角に交わっている(直交している) ・速さは 3.0×108m/s(30万km/秒) 本日はここから 電波の発見の歴史を知ろう • マクスウェル(イギリス 1831~1879) ○理論的に 3.0×108 m/s の速さで伝わる電磁波の存在 を予言(1864) ★マックスウェル方程式確立 • ヘルツ(ドイツ 1857~1894 ) ○電磁波の存在を実験にて確認(1888) ★ヘルツの実験,周波数の単位 Hz(ヘルツ) アンテナの原型を発明 • マルコーニ(イタリア1874~1937 ) ○コヒーラ(電波の検出器)とアンテナの改良により, 無線通信に成功(1895) ★大西洋間の横断通信実験に成功(1901) ヘルツの実験とは 二つの電極の間に高電圧をかけ火花を飛ばす 金属の輪の狭いギャップに火花が 生じた 簡易ヘルツの実験装置 電波(電磁波)の存在を確認! [やってみよう] ヘルツの実験① 発信器で放電させたら,検出器のネオン管は光るだろうか?直線型検出器の場合 発信器 平行 バチバチ 垂直 ネオン管 (a) 結果( ) (b) 結果( ) [やってみよう] ヘルツの実験② 発信器で放電させたら,検出器のネオン管は光るだろうか?ループ受信器の場合 平行 発信器 バチバチ (c) 結果( ) (d) 結果( ) 垂直 (e) 結果( ) (f) 結果( ) ヘルツの実験① 直線型検出器(電場Eを受信可能) 発信器 平行 E 垂直 E バチバチ ネオン管 (a) (b) ヘルツの実験② ループ受信器(電場E 磁場Bとも受信可能) 平行 発信器 B B E E (c) バチバチ (d) 垂直 E (e) (f) 電波(電磁波)の分類 ★電波の周波数や強さは,電波法に基づいて利用する必要がある 波長 100km 名称 主な利用例 弱 超長波(VLF) ~ 10km 3kHz ~ 30kHz 10km ~ 1km 30kHz ~ 300kHz 長波(LF) 船舶・航空機用通信 中波(M F) AM ラジオ放送 1km ~ 100m 300kHz ~ 3MHz 100m ~ 10m 3MHz ~ 30MHz 10m ~ 1m 30MHz ~300MHz 1m ~ 1mm 300MHz ~300GHz 電 短波(H F) 波 超短波(VH F) マイクロ波 短波ラジオ放送 FM ラジオ放送,テレビ放送 UH Fテレビ放送,レーダー, 携帯電話,電子レンジ,衛星 通信など 100μm ~ 770nm 赤外線 770nm ~ 380nm 可視光線 赤外線写真,リモコン,暖房 光学機器 380nm ~ 0.1nm 紫外線 殺菌,化学作用 1nm ~ 0.001nm X線 X線写真,医療 0.01nm以下 γ線 材料調査,医療 波長(周波数)が異なるだけ!! 真空中の速さは 3.0×108m/s 直電 進磁 波 集の 束 性 ・ 電 磁 波 周波数 強 [やってみよう] 電波の性質を調べよう 目的:携帯電話(送信機)とAMラジオ(受信器)を用いて電波の性質を調べる。 次の各実験を行い,ラジオから出るノイズの大きさの違いを聞いて, 電波の伝わり方,性質を調べてみましょう まず,結果を予想しよう。次に,実験を行い, この現象名,日常生活の中でおこる例を考えてみよう。 [やってみよう] 電波の性質を調べよう 実験1 携帯電話とラジオの間に板を立てる。(板の面が,携帯電話を向くように) 厚紙,アルミの板を立ててみましょう。 アルミ板を立てた様子 厚紙を立てた様子 ラジオから出てくるノイズの聞こえ具合はどうですか? [やってみよう] 電波の性質を調べよう 実験1の応用 ラジオを金網で囲った場合はどうだろう? また,アルミ箔で包んだ場合はどうだろう? 金網で囲った様子 アルミ箔で包んだ様子 ラジオから出てくるノイズの聞こえ具合はどうですか? [やってみよう] 電波の性質を調べよう 実験2 実験1の板の所に金網(すだれ状)を置いたらどうなるか。 また,面の向きはそのままでゆっくり回転させたらどうなるか。 金網を立てた様子 金網を90度回転させた様子 [やってみよう] 電波の性質を調べよう 実験3 実験1のようにアルミ板①を立て,もう一枚のアルミの板を図のように ①の端に立てる。次に,②を①から遠ざけてみる。 また,向きも変えてみたらどうなるか。 ② ① うまく聞こえましたか? アルミ板②の向きを変えたらどうでした? ○○の法則に従ってますか? [やってみよう] 電波の性質を調べよう 実験4 携帯電話から見てラジオの後ろにアルミ板を立てる(板の面が,携帯電話 を向くように)。次に,板をラジオから遠ざけていき,受信状態を調べる。 アルミを遠ざける ・うまく聞こえましたか? ・ノイズがよく聞こえる(または聞こえない)位置を 記録しておきましょう [やってみよう] 電波の性質を調べよう 実験結果 ・実験1・・・ ・実験2・・・ ・実験3・・・ ・実験4・・・ ★その他の現象として [やってみよう] 電波の性質を調べよう 実験結果 (例) ・実験1・・・ アルミ板では電波は通らない 厚紙では変化無し 遮へい(遮蔽) ・実験2・・・ 回転させるとノイズが入るところと 入らないところがある 偏り ・実験3・・・ アルミ板②によって反射されて ノイズが入る。 ・実験4・・・ ノイズが強くなったり弱くなったり する。 ★その他の現象として (横波である) 反射 干渉 (反射した電波との) 回折・・・波長が長い電波ほど回り込みやすい。 [やってみよう] 電波の性質を調べよう (発展問題) 実験4で,ノイズが強い位置の間隔,または,ノイズが弱い位置の 間隔を測る。これより携帯電話の波長を求め,周波数を800MHzとして, 電波の速さを計算してみよう。ただし,1 MHz=106 Hz [やってみよう] 電波の性質を調べよう (発展問題) 実験4で,ノイズが強い位置の間隔,または,ノイズが弱い位置の 間隔を測る。これより携帯電話の波長を求め,周波数を800MHzとして, 電波の速さを計算してみよう。ただし,1 MHz=106 Hz 考え方・・・定常波を思いだそう 半波長(λ/2) 例:半波長(λ/2)=18cmの時 速さ=周波数×波長より ( v = f ×λ) 波長λ= 18cm×2 = 36cm = 0.36m V = (800×106)×0.36 = 2.88×108 m/s 電磁波の速さ 3.0×108m/s 電磁波のまとめ 電磁波は, ・電界(電場)と磁界(磁場)がお互いに変化し影響 し合いながら伝わる横波である。 ・電気のエネルギーを,電波のエネルギーとして 空間を通って運ぶ。 ・遮へい,偏り,反射,干渉,(回折)の性質をもつ。 ・周波数(波長)により分類される(速さは同じ)。
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