平成20年度小・中学校教育課程研究協議会 総合的な学習の時間 (中) 福島県教育委員会 総合的な学習の時間の改訂の趣旨 ○ 改善の基本方針 ■ 体験的な学習に配慮しつつ、教科等の枠を超えた横断 的・総合的な学習、探究的な学習となるよう充実を図る。 ■ 総合的な学習の時間の教育課程における位置づけを明 確にし、指導の充実を図るため、総則から取り出し新たに章 立てをする。 ■ 総合的な学習の時間と各教科、選択教科、特別活動のそ れぞれの役割を明確にし、相互の連携を図る観点から、総合 的な学習の時間におけるねらいや育てたい力を明確にする。 ■ 子どもたちの発達の段階と各学校の実践を踏まえ、 各学校段階の学習活動の例示を見直し、連携につい て配慮する。 総合的な学習の時間の改訂の要点 ○ 目標及び内容の改善 ■ 総合的な学習の時間の特質や目指すところを目標とし て示し、この時間において育成する生徒の資質や能力及び 態度を明確にした。 ■ 従前から示されていたねらいの(1)(2)を踏まえながら、 「探究的な学習」を行うことや「協同的」に取り組む態度を育 てることなどを明確にした。 ■ この目標は、国が示す目標であり、各学校は創意工夫 ある取組みを行いつつも、総合的な学習の時間を通して実 現することが求められる目標として示された。 ■ 国が示す目標を踏まえ、より具体的な目標や内容 は、各学校において定めることを明確にした。 総合的な学習の時間の改訂の要点 ○ 内容の取扱いの改善 ■ 総合的な学習の時間と各教科等との役割分担を明確に し、「探究的な学習」としての充実を目指した。 ■ 育てようとする資質や能力及び態度の視点を例示した。 また、学習活動の例示を見直し、中学校では「職業や自己 の将来に関する学習活動」を加え、児童・生徒の発達に応じ た適切な学習活動が展開されるようにした。 ■ 体験活動を重視し、問題の解決や探究活動の過程に適 切に位置づけるなど、積極的に学習活動に取り入れること とした。また、協同しての問題解決や言語による分析、 まとめ、表現などの考えを深める学習活動を重視した。 総合的な学習の時間の目標 ○ 目標 横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して、自ら課題を見付け、 自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能 力を育成するとともに、学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決 や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育て、自己の生 き方を考えることができるようにする。 ○ 目標の構成(五つの要素) (1)横断的・総合的な学習や探究的な学習を通すこと (2)自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよ く問題を解決する資質や能力を育成する (3)学び方やものの考え方を身に付けること (4)問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り組 む態度を育てること (5)自己の生き方を考えることができるようにすること 総合的な学習の時間の目標の趣旨 (1)横断的・総合的な学習や探究的な学習を通すこと ■ 「生きる力」が全人的な力であることを踏まえ、横断的・総合的な指導 を一層推進 ■ 各教科の学習を通して身に付けた知識・技能は本来一体となるもの ■ 複合的な問題を扱う総合的な学習の時間において、本質を見極めよ うとする探究的な学習によって、この時間の特質を明確化 ◇総合的な学習の時間における探究的な学習とは 問題解決的な活動が発展的に繰り返されていく一 連の学習活動のこと 総合的な学習の時間の目標の趣旨 (2)自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、 よりよく問題を解決する資質や能力を育成すること ■ 自ら学び、自ら考え、主体的に判断しとは、自ら見付けた課題に関し て主体的に学習活動を繰り広げ、自分なりに納得できる答えを探し求め、 判断していくこと ■ よりよく問題を解決するとは、自らの知識や技能等を総動員して、粘 り強く対処し解決しようとすること (3)学び方やものの考え方を身に付けること <学び方やものの考え方の例> 課題の見つけ方やつくり方、目的 や意図に応じた情報の集め方や調べ方、振り返りや意志決定、自分の生 活や生き方と結びつけて物事をとらえる見方や考え方、比較する、分類 する、関連づけるなどのものの見方や考え方など ■ 各教科等で学んだことの有用性を実感し、学び方や考え方を高める。 総合的な学習の時間の目標の趣旨 (4)問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協同的に取り 組む態度を育てること ■ 他者と協力しながら身近な地域社会の課題の解決に主体的に参画 し、その発展に貢献しようとする態度をはぐくむことが重要 ■ 友達との協同の取組みにより、学習活動の発展や課題意識の高揚、 問題の解決や探究活動の質の向上が期待 (5)自己の生き方を考えることができるようにすること ◇ 自己の生き方を考えるとは 1 人や社会、自然とのかかわりにおいて、自らの生活や行動について 考えていくこと 2 自分にとって学ぶことの意味や価値を考えていくこと 3 学んだことを現在及び将来の自己の生き方につなげて考えること 各学校において定める目標及び内容 ■ 各学校で目標を定めるに当たっては、総合的な学習の 時間の目標の五つの要素をすべて含む必要がある。 ■ 五つの要素を含んでいれば、各学校の経験を生かして、 いずれかを具体化、重点化、別要素付加も可能である。 ※ 学校の既存の総合的な学習の時間の目標を五つの要 素から見直し、ブラッシュアップしていくことが必要。 ■ 内容としては、目標の実現のためにふさわしいと各学校 が判断した学習課題を定める必要がある。 ■ 定めるに当たっては、学習対象(ひと・もの・こと) を明確にし、必要に応じて学習事項等(指導事項)を定める。 指導計画の作成と内容の取扱い ■ 全体計画や年間指導計画を作成するに当たっては、実現 を目指す「目標」と目標を実践化するために具体的・分析的に 示した「育てようとする資質や能力及び態度」、学習課題等から なる「内容」を明確にする。 ■ 目標や内容を定めるに当たって、今回新たに「日常生活や 社会とのかかわりを重視すること」が加わった。実際の生活の 中にある問題等を取り上げ、実際に解決していく過程が大切で ある。 ■ 総合的な学習の時間と特別活動との関連については、総 合的な学習の時間において、体験活動を実施した結果、 学校行事として同様の成果が期待できる場合にのみ、 特別活動の学校行事を実施したと判断してもよい。
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