国際機関をめぐって 国連とその組織 国際経済、金融と国際機関 国際機関と日本 国際連合とその組織(図) 国際連合とその組織 • • • • • 国際連合総会(General Assembly) 安全保障理事会(Security Council) 経済社会理事会(Economic and Social C.) 信託統治理事会(Trusteeship C.) 国際司法裁判所(International Court of Justice) • 事務局(Secretariat) 国連組織内の計画と基金 • 計画(programmes)と基金(Funds) – 国連貿易開発会議(United Nations Conference on Trade and Development) – 国連環境計画(United Nations Environment Progamme) – 国連児童基金(UNICEF United Nations Children’s Fund) – 国連開発計画(United Nations Development Programme) – 国連難民高等弁務官事務所(Office of the United Nation’s High Commissioner for Refugees)等 国際連合の専門機関 • 国連との提携関係がある組織 – 専門機関(Specialized Agencies) • 国際労働機関(International Labour Organization) • 国際教育科学文化機関(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization) • 世界保健機構(World Health Organization) • 国際通貨基金(International Monetary Fund) • 国際復興開発銀行(International Bank for Reconstruction and Development) 等 地域経済委員会 • 経済社会理事会の下部組織 – – – – アフリカ経済委員会(ECA) 欧州経済委員会(ECE) ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC) アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP) • Economic and Social Commission for Asia and the Pacific – 西アジア経済社会委員会(ESCWA) 国際連合への長い道のり • さまざまな分野における国際協力組織 (例) – 一般郵便連合(1874年) • 1817年、フランスとオランダの郵便条約が発端 • 万国郵便連合(1978年)に名称変更 • 現在も国連専門機関として活動 – 国際電信連合(1865年) – 国際無線通信連合(1906年) • 1932年に合併して国際電気通信連合(1932年)に なり、現在は国連専門機関 国際連盟(League of Nations) • アメリカ、ウィルソン大統領の提唱 – ベルサイユ条約に結実 • 国際連盟の成立 – 1920年、正式に発足 – イギリス、フランス、イタリア、日本の4ヶ国を 常任理事国とする • アメリカの連盟不参加 国際連盟の破綻 • 紛争処理の失敗 – 日本、ドイツ(1933)の脱退 – イタリア(1937)の脱退 – 中南米諸国の脱退(1930年代後半) • 活動停止(1939) – 第2次世界大戦の勃発(1939.9.3) – 1939年12月、フィンランド侵略を理由にソビエ ト連邦を除名、以後、活動を停止 国際連合(United Nations) • 連合国の戦後処理計画 – 大西洋会談(1941.8.9~12) • 米英の合意「一層広範にして永久的なる一般的安 全制度の確立」 – ヤルタ会談(1945.2.4~11) • 米英ソの首脳合意 • サンフランシスコ会議(1945.4.25~6.26) – 国際組織に関する連合国会議 • 国際連合憲章(Charter of the United Nations)調印 第2次世界大戦から東西冷戦へ • 第2次世界大戦の終結とアメリカの誤算 – アメリカの戦後構想の破綻 • ソビエトの外交戦略 • 中国における新たな情勢 • 封じ込め政策と東西冷戦 – アメリカの外交戦略の転換 • 朝鮮戦争の勃発 • 対日戦略の変更 戦後の国際秩序構想 • 3極体制構想と国際連合 – 国連安全保障理事会と常任理事国 – 敵国条項 • 日本敗戦とアメリカの新たな課題 – 国際社会への責務 • モンロー主義への回帰阻止 – 不干渉主義への説得 – 国内対立 • 覇権主義と不干渉主義を超えて 3極体制の崩壊と冷戦 • ソ連のヤルタ合意無視 – チャーチルの危惧 – ローズベルトの誤算 • イギリスの弱体化 – ギリシャ・トルコの援助肩代わり要請 (1947.2.21) • 米ソの2極対立へ – 東西冷戦への道 マーシャル・プランと東西対立 • 新たなソ連観 – ケネンの電報(1946.2.22) – X論文(Foreign Affairs, 1947.7 ) • マーシャル・プラン(1948) – ソ連の反発と東西対立 • 国際機関の混乱 – 東側諸国の脱退(IMF等) – 機能停止(国連安全保障理事会等) 封じ込め政策 • 新たな戦いへ – ベルリン封鎖(1948)(ベルリンの壁1961) – 誰が中国を失わせたか(1949) – 朝鮮半島での東西対立(1950~53) • 封じ込め政策と経済援助 – 植民地独立運動と東西対立 • ドミノ理論 – 果てしなき援助と泥沼化する政治情勢 日本の位置づけの変化と混乱 • アメリカ外交戦略の変換 – 朝鮮戦争の勃発 – アジアの新しい均衡を求めて • 対日戦略の大転換 – アジアにおける拠点としての日本 – 工業国としての発展の必要性 – 軍事力の付与 国際機関と開発協力 • 国際経済における秩序維持 – 戦前の経済協力失敗に対する反省 • 戦後復興に関する支援の必要性 – 復興援助 • 開発途上国問題 – 東西冷戦と経済援助 – 植民地問題 大恐慌の教訓 • 大恐慌から大不況へ – 近隣窮乏化政策(Beggar Thy Neighbor Policy) • 輸入制限・関税 – 外国の報復 • 貿易の急激な減少と ブロック化 • 第2次世界大戦へ – 経済不況から利害の対立へ 戦後の国際通貨制度 • 戦争を再び繰り返さないために – 世界レベルでの雇用確保のための協力 • 近隣窮乏化政策の反省 • ブロック化の阻止 • 戦後の国際通貨体制 – ブレトン・ウッズ体制 – 国際通貨基金と世界銀行 戦後の国際通貨体制への模索 • アメリカのリーダーシップ – 第1次世界大戦後の国際関係に対する反省 – イギリス・ソ連との交渉 • 自由・無差別原則 – 「大西洋憲章」(1941年8月12日) • 第4パラグラフ「差別待遇を受けずに」の文言削除 – 「相互援助協定」(1942年2月) • 第7条「一切の形式の差別措置の除去」の文言 ブレトン・ウッズへの道 • 連合国国際通貨金融会議 – 1944年7月1日~22日 – ニュー・ハンプシャー州ブレトン・ウッズにて • ブレトン・ウッズ協定の調印 – ブレトン・ウッズ体制の成立 ブレトン・ウッズ協定 • 参加44ヶ国の合意 – 2つの機関の創設 • 国際通貨基金(IMF International Monetary Fund) • 国際復興開発銀行(IBRD International Bank for Reconstruction and Development) – 通称世界銀行(World Bank) • 1946年末までに39ヶ国が批准して発効 – 1947年3月1日、営業開始 IMFの基本的な枠組み • 自由な為替取引 – 経常取引(8条) – 戦後の過渡期の例外規定(14条) • 固定相場制度(金為替本位制度) – 為替介入 – 介入資金の必要性 • 基金からの貸付 金とドルの位置づけ 金 金1オンス=$35 ドル 固定相場制 円 ポンド マルク フラン リラ 世界銀行の意味 • アメリカのIMFに対する不信 – 審査なしの貸付に対する不安 • IMFより世界銀行を – 審査の上での貸付 – ホワイトの世界中央銀行との相違 • 根本的な矛盾 • 戦後の過渡期の問題 • 恒久的な制度の確立 世界銀行と開発金融 • 国際金融の2つの型 – 為替市場介入のための短期資金 – 投資のための長期資金 • 世界銀行と開発金融 – 長期資金の調達と運用 • 戦後の開発途上国 – 投資資金の貸し付け 国際開発金融機関 • 世界銀行(World Bank) • アジア開発銀行(Asian Development Bank) – 1966年、ESCAPの発案により設立 • アフリカ開発銀行(African Development Bank) – 1966年 • 欧州復興開発銀行(European Bank for Reconstruction and Development) – 1991年 • 米州開発銀行(Inter-American Development Bank) – 1960年 アジア開発銀行 • 本部、フィリッピン、マニラ • 事務所、世界26ヶ所 – アジア地域19ヶ所に駐在員事務所、太平洋地域3ヶ所 に準地域事務所の他、フランクフルトに欧州代表事務 所、東京に駐日代表事務所、ワシントンDCに北米代 表事務所、東チモールに特別リエゾン事務所 • 職員数、2,443 名(2007年末) – 出身国は55 カ国。このうち経営幹部は5 名、専門職 員は847 名(上位10カ国は、日本:118名、米国:103名、印:58 名、中国:50名、豪:50名、加:46名、独:37名、韓:34名、インドネ シア:33名、英:32名)、一般職員は1,591 名。 途上国と経済発展 • 途上国の問題 – 先進国との所得格差 – 経済発展の必要性 • 経済発展に必要なものは何か – 投資による技術の高度化 – 投資資金の不足 – 資金の貸し付けによる投資促進 戦後の植民地独立 • 独立への期待 – 宗主国からの自立と豊かさへの期待 • 自立の可能性 – 独立への2つのタイプ • 独立戦争か平和的交渉か • 権利の継承と断絶 • 経済的自立と人的資本 開発経済学の破綻 • 浅かった認識 – 資本不足と外資導入 • 上がらない成果 – 人材の不足と新しい富裕層 • 貧富の差と人種的な軋轢 – 文化の重要性の認識 開発金融機関の働き • インキュベーション機能 – プロジェクトの作成と資金提供 – 高い提案能力の必要性 • 必要な協力関係 – 資金の出し手 • 先進国政府、援助機関、NGO – 資金の取り手 • 中央政府、地方政府、現地住民、NGO 金融の新しい波 • 銀行の基本的役割 – 受信(預金)、与信(貸付)、振替(為替) • 銀行の役割の転換 – 利鞘の縮小 – 新しい役割の模索 • 証券化とユニバーサル・バンキング • マイクロ・ファイナンス – グラミン銀行など マイクロ・ファイナンスの意味 • 新しいビジネス・モデル – 既存の銀行が相手にしない人々 • 広がるMFI(Microfinance Institutions)の輪 – バングラディシュ・グラミン銀行(1983) – インドネシア Bank Rakyat Indonesia(1984再編) – ドミニカ共和国・ADOPEM(婦人銀行) • 役割の拡大 – 貸付から、貯金、送金、保険など マイクロ・ファイナンスの実際 • 無担保の少額融資 – 50ドルから200ドル • 信用リスク縮小への努力 – 平均返済率(98.89%) – グラミン銀行の株主 • 預金者が1株株主(94%、残り6%は政府保有) • 社会貢献と収益の両立 – マイクロ企業家への融資の収益性 将来への展望 • 高利の闇金融の駆逐 – MFI金利月2~5%、闇金融金利月10~100%+ • 金融における規模の経済 – マイクロ・ファイナンスの支持母体 • NGO、組合、財団 – 成功すれば公式の銀行へ改編のケースあり – 創設時の助成金や寄付金の必要性 • 軌道に乗れば自立可能 • 世銀、国連、各種財団などのバックアップ
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