CPD装置におけるLiビームを用いた電子密度揺動計測

2008.4 月例発表
CPD装置におけるLi Beam Emissiom
Spectroscopyを用いた電子密度揺動計測
図子研究室
M2 了戒 智文
1
目 次
1.研究背景
2.目的
3.実験装置(CPD)
4.計測装置
5.揺動とは(フルートモード・ドリフト波)
6.解析方法
7.解析結果
8.まとめ
•annular plasmaでの揺動特性
•Bz(垂直磁場)印加による揺動変化
2
実験方法
研究背景
Komori’s experiment
hot-plateを約2500℃まで加熱し熱電子を放出し、アー
スであるend-plateと加速し、カリウムプラズマを生成
60cm
実験装置
計測装置
ラングミュラープローブをP1,P2,P3に設置し揺動を計測
している。
実験1
end-plateを直線状放電管の終端に設置し揺動特
性を計測する
R=3.5cm
結果
イオン電流揺動のDrift wave を5.9kHzに確認
実験2
good
bad
end-plateを曲率のある放電管の終端に設置し揺動特性を計
測する
結果
イオン電流揺動のDrift wave を5.9kHzに確認し、7.4kHzにレ
イリーテイラー不安定性の揺動を確認
3
研究背景
Sharman’s experiment
実験装置
実験方法
トーラス状の放電管内にRFを利用してプラズマを
生成、プローブを利用し揺動計測を行った
good
bad
Cross power
phase
good
bad
4
Flute mode
coherence
Drift mode
研究目的
過去の研究では、局率のある放電管で、特徴
的な揺動が計測された。
STであるCPDのannular plasmaでは、どの様
な特徴的揺動が存在していのか調べる
1) トーラス配位で ECRH( [email protected])
Annular plasma 生成
CS
ECR
CS
•密度分布
•揺動特性
ECW
2)垂直磁場印加での揺動特性
•揺動特性変化
(垂直磁場印加による、揺動の安定化)
5R
実験装置(CPD)
Fiber
camera
annular
plasma
Φ3
Fiber camera
Li Oven
CPD outline chart
6
計測装置(1)
Fiber
25mm
Li
Beam
Lens
Filter
54mm
光電子増倍管(R928)
フィルター特性
670.8nm
アンプ特性
500kHz
Band width
50% 1.44nm
ADC
(analogue digital converter)
Sampling frequency 300kHz
10% 2.11nm
1% 3.18nm
(23.0℃)
Hα=656nm
PC
7
計測装置(2)
Outline chart
R928(サイドオン型)
photon
cathode
electron
単位(mm)
図1
dinode
anode
UV glass
二次電子放出比:2の場合8
図2
図1,2: 浜松ホトニクス(株)HPより
計測原理
Sheet Li beam emission spectroscopy
Li + e- → Li* + e-→ Li + hν+e-
I LiI x  ne ( x)nLi ( x)  ve exc
 ve  exc
nLi (x)
: 励起の反応速度係数
: リシウム原子密度
ne (x) : 電子密度
670.8nm
~
~
n
I

n
I
vLi  1.3km /sなので、電子と衝突した位置
の密度情報を正確に捉えることができる
9
Drift
a×B drift
+
-
+
Magnetic field
-
+
-
+
-
acceleration
boundary
E×B drift
vd ( aB )
+
-
 
ma  B

2
qB
ion
electron
Electric field
boundary
vd ( EB )
 
EB

2
B
ni>n e
ni<n e
フルート不安定性 イメージ図
E×B drift10
Drift Wave

n0
Magnetic field
+

E
-

k
高速カメラ動画
or 画像
等密度線
濃
v Di
v De
淡
k BTi  

B  n
2
eB
k BTe  

B  n
2
eB
θ方向
Drift wave
イメージ図
フルートモード不安定性との大きな違いは、イ
メージ図のように、θ方向に有限の波長が存在し
ていることである(ねじれが存在している)
11
解析方法(1)
2.5
2.0
1.5
Wave(300kHz)データを読み込み、
小領域で区切りデータの平滑化を
行う
1.0
Sun
0.5
0.0
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
FFT(高速フーリエ変換)
FFTを利用してスペクトルを求める
yr , yi
xr , xi
1024points
太陽光などをプリズムに通すと、それ
含まれている様々な光を周波数ごと
に分解することができる。この操作を
数学的手法を利用して行う方法を
フーリエ変換と言い、特にFFTは有
限離散データを高速でフーリエ変換
する方法である。
2.5
2.0
1.5
1.0
パワースペクトルを求める
0.5
0.0
オートパワー
0.08
 2X ( f ) X * ( f ) 
S xx ( f )  E 

T


0.11
0.12
2.0
1.0
 2X ( f )Y ( f ) 
S xy ( f )  E 

T


0.10
2.5
1.5
クロスパワー
0.09
0.5
*

X  f    xt ei 2ft dt
0
0.0
80.0
80.5
81.0
81.5
82.0
-3
x10
82.5
83.0
12
解析方法(2)
Wave(300kHz)データを読み込み、
小領域で区切りデータの平滑化を
行う
FFTを利用してスペクトルを求める
パワースペクトルを求める
ある信号において、どの周波数成分
が支配的であるかを示す
コヒーレンス
フェイズ
 Qxy ( f ) 

コヒーレンスは干渉のしやすさを
 xy ( f )  tan 

K
(
f
)
示す度合いであり、コヒーレンス
xy


の発生のしやすさは波長の位相
の揃い方によって左右される
1
 xy  
 
 2
coh 
2
コヒーレンスを求める
s xy  f 
v sxxsf syy  f 
2つの信号間のある周波数における
相関性を示す
フェイズを求める
信号間の位相差を周波数ごとに示す
フェイズはX(f)、 Y(f)の位相角を表
しており距離と位相角より波の
伝達速度が求められる。 13
解析結果
1.annular plasmaでの揺動
1. 密度分布
2. 密度揺動
3. 揺動特性
2.垂直磁場印加による揺動特性変化
1. 発光強度と相対振幅
2. Coherence modeの安定化
14
1. annular plasmaと密度揺動
LiI(a.u.)
Li CCD カメラ強度分布
Bad curvature
Li PMT信号の時間変化
0.5
507903
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
0.090 0.100 0.110 0.120
I/<I>
揺動相対振幅
10cm
Prf = 1kW
共鳴層は194 mm
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
0.090
rel_amp_ch1_507903_
0.100
0.110
0.120
time(s)
•プラズマ幅は約10cm。
•1kWで生成したスラブプラズマの揺動相対振幅は約30%
15
1.2 annular plasmaの密度分布
1)2次元密度分布
-130
100 200 300 400 500
15
n(m )
-140
-3
Z(mm)
x10
5x10
-150
-160
17
2)R方向密度分布
4
3
2
1
-170
180 200 220 240
R (mm)
Prf = 1kW
•n~ 6×1017(m-3)
•Ln~2.5cm
200
R(mm)
240
共鳴層は164mm
• Slab plasma は共鳴層に沿って垂直方向の密度等高線分布を示す。
• Ln ~ 2 cm
16
• 1kW程度でプラズマカットオフ密度の~70%を生成。
1.3 Slab plasmaの揺動特性
パワースペクトルとコヒーレンス
#507795
2乗相関係数の2次元分布
ch21_507795_0.18_0.2
'fft_ch45_507795_0.18_0.2'
Z(m)
Spower(a.u.)
100
低周波(~1kHz)
10
1
6 8
2
10
0.8
6 8
10
frequency[Hz]
2
4
0.6
0.4
Z(m)
coherence
2
1.0
507795_45_20_180_200ms
3
4
-0.125
-0.130
-0.135
-0.140
-0.145
0.2
0.0
6
8
2
3
10
4
f(Hz)
6
8
7795_20_180_200_1kHz
1.0
0.8
0.6
0.4
0.19 0.20 0.21 0.22 0.23 0.24
R(m)
信号間位相差の2次元分布
-0.125 7795_20_180_200_1kHz
40
-0.130
20
0
-0.135
-20
-0.140
-40
-0.145
2
4
10
0.19 0.20 0.21 0.22 0.23 0.24
R(m)
• 低周波領域の揺動が支配的で、broad なcoherent モードが存在
• R方向相関長 > 5 cm 、z方向相関長>> 2.5 cm
• R方向に位相速度 400 m/s程度で伝播
17
2.1 垂直磁場印加による揺動特性の変化
Rres = 194mm
Bz = 50G / Bt=0.29 T
Li CCD映像のR分布
へのBz 効果
Prf~1kW
相対振幅へのBz 効果
• Bz印加によりslab 位置は若干内側にシフト(密度の減少?)
• Bz印加により揺動相対振幅が0.3-0.5から0.1-0.2程度に減少する。
•ただし、揺動振幅そのものはむしろ増大
18
2.2 Bzによるcoherent modeの安定化
Rres = 194mm
Bz = 50G / Bt=0.29 T
2乗Coherence spectra
power spectra
1500
1.0
8G
16G
22G
30G
40G
1000
0.8
coherence^2
auto power(a.u.)
2000
0.6
8G
16G
22G
30G
40G
0.4
500
0.2
0
0.0
1000 2000 3000 4000 5000
f(Hz)
1000 2000 3000 4000 5000
f(Hz)
• パワースペクトルでは、Bz印加により低周波成分が低下した
• Bz印加により低周波揺動の2乗相関係数は急激に低下した。
19
Pitch angle(deg.)
ピッチ角による安定化効果
2乗CoherenceへのBz 効果
1.0
coh^2
0.8
0.6
Rに対するピッチ角変化
0.0
-0.4
-0.8
-1.2
Bz=50G
Bz=40G
Bz=32G
Bz=24G
Bz=15G
150
200 250
R(mm)
300
0.4
0.2
-40
-30
-20
-10
Bz(G)
0
• coherent モードの安定化が考えられる。
• 垂直磁場を強くすることでピッチ角が大きくなっている。
20
まとめ
1)ECRで生成した初期slab プラズマは揺動相
対振幅30%、低周波にコヒーレントモードが
存在する。
400m/s
R方向への位相速度が約400m/s
で観測した。
2)平衡のために印加した垂直磁場は相対振幅
を下げ、揺動を安定化する
21
22