初期仏教 Early Buddhism 宗教社会学 第5回 2004.6.4 インドの思想と社会Indian Thoughts カースト制 アーリア民族の侵入 カースト ・・・生まれで決まる、職業と関係、序列 バラモン/クシャトリヤ/バイシャ/シュードラ 輪廻 samsara 輪廻と祖先崇拝とは両立しない カースト制は差別なのか インドの思想と社会Indian Thoughts バラモン教 Brahmanism 梵我一如・・・ブラーマ(マクロコスモス)とアートマ ン(ミクロコスモス)とが同型であること バラモン・カーストの人間は、修行を積み解脱を めざす インド土着の要素を吸収し、ヒンドゥー教に発展 仏教と一神教 monotheism 仏 Buddha と神 God 1)仏は人(の極限値)、 神は人と別の生き物 2)仏は多数、神は唯一 3)覚りは存在するか/神は存在するか 仏教は偶像崇拝か? 仏像は、「塵芥」であって、崇拝の対象でない 神前法後 vs 法前仏後 仏教と一神教 monotheism 仏教は宗教か ・仏教は、哲学・認識論に近い ・正しいものの見方、現象の背後にある法則性 を追究 仏教と科学はどこが違うのか 仏教と一神教 monotheism 仏教は宗教か ・仏教は、哲学・認識論に近い ・正しいものの見方、現象の背後にある法則性 を追究 仏教と科学はどこが違うのか 科学は、観察・実験にもとづき仮説を実証 仏教は、「ミクロ・マクロ相関」によって現象 を観ずる 釈尊の生涯 Life of Gotama Buddha 1)釈迦族の王子に生まれる。 結婚して子どもをもうけ、豊かな暮らしを送る 2)出家する 参考)バラモンは、学生期→家住期→林住期 →遊行期を過ごす 3)グルについて修行をする 苦行・断食をする 4)覚りをうる 中道・・・断食をやめた 釈尊の生涯 Life of Gotama Buddha 5) 弟子に説法をする サンガ(僧伽)・・・出家者のギルドを形成 釈尊は、サンガのメンバーの一人にすぎない 6) 病死する 遊行生活のまま亡くなった 墓(ストゥーパ)をつくる 釈尊の思想 Thoughts of Shakimuni 仏教のテキスト 三蔵 経 sutra ・・・覚りのマニュアル 如是我聞 律 vinaya ・・・サンガのルール 釈尊が制定 論 abidharma ・・・経の注解 個人の著作 阿含経 Agama もっとも初期にまとめられた経典 釈尊の思想 Thoughts of Shakimuni 三法印(四法印) 諸行無常、諸法無我、涅槃寂静、一切皆苦 四聖諦 苦諦、集諦、滅諦、道諦 八正道 法 (ダルマ) ・・・因果、縁起、相依性 自然的因果と道徳的因果を包括 サンガ(僧伽) samgha 比丘 男性修行者のギルド 二百五十戒 比丘尼 女性修行者のギルド 三百四十八戒 在家 五戒(不殺生戒、不偸盗戒、不邪婬戒、不妄語戒、 不飲酒戒) 修行の目的・・・覚りの原因を積む 善因善果、悪因悪果 修行の方法・・・釈尊の定めた戒律に従う サンガ(僧伽) samgha 19 何れの比丘と雖も金銀貨幣を自ら手に取り或 は人をして取らしめ、又は秘蔵するならばニッ サッギャ・パーチッティヤなり 10 何れの比丘と雖も土地を掘り又は他をして掘 らしむるならばパーチィッティヤなり 51 我スルスルと音を立てて食わざるべしとの紀 律は守らるべし サンガ(僧伽) samgha 羯磨・・・サンガのメンバー全員の集会 和合僧 ものごとは全員一致で決定する 布薩羯磨 月に2回、戒律違反を自己申告する 授戒羯磨 新入比丘に具足戒を授ける 戒壇 戒は、自分で自分に与えられない 界・・・(現前)サンガのテリトリー 四方サンガ 四方サンガへの寄付は仏物 現前サンガ寄付は僧物 サンガ(僧伽) samgha 祇園精舎 スダッタ長者が釈尊のために建てた 僧房 → 寺 に発展 卒塔婆(stupa) 土饅頭に盛り上げた墓 → 仏塔に発展 仏像 ガンダーラでギリシャ彫刻の影響で始まる → 仏像を収める仏殿(本堂)に発展 中国仏教が、以上を一カ所の施設にまとめた 部派仏教 Nikaya Buddhism 根本分裂 上座部 大衆部 枝末分裂 説一切有部、正量部、化地部・・・ 一説部、多聞部・・・ 説一切有部のテキストは、漢訳されて残った 阿毘達磨 Abhidharma 小乗の論 部派仏教 Nikaya Buddhism 業 行為があとに残す力 善/悪 戒、禅定に守られて善行をし、善業を積む →覚り(輪廻の解脱) 四向四果 サンガでの修行の段階 預流、一来、不還、阿羅漢 向/果 部派仏教 Nikaya Buddhism 三世実有法体恒有 過去・現在・未来を通じて実有なる諸法の自体 が、永久に存在する (この世ではすべてが変化するが、すべてが変 化するという法則性(ダルマ)は変化しない) 六道輪廻 地獄/餓鬼/畜生/阿修羅/人間/天上 ~世界 ΣΣ小千世界 = 三千大千世界 初期大乗仏教 Mahayana Buddhism 声聞:小乗の出家修行者 菩薩:大乗の在家修行者(成仏を約束された人) 大菩薩/凡夫の菩薩 仏陀(如来):覚った人 菩薩なら、仏陀でない 仏陀なら、菩薩でない Bodhisattva 釈尊も、覚る前は、菩薩として修行していた 初期大乗仏教 Mahayana Buddhism 菩薩行と成仏の関係 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ☆:極限値=仏陀 収束点列=菩薩行 →t 収束条件 有界・単調な数列は収束する Q 菩薩行が、仏陀に収束する条件は何か? 初期大乗仏教 Mahayana Buddhism 収束点列と、極限値とは、対応する ⇔ 菩薩行と、仏陀とは、同値である ⇔ 成仏をめざす菩薩の修行それ自体に価値がある ⇔ 菩薩>声聞 (大乗) (小乗) 初期大乗仏教 Mahayana Buddhism 大乗仏教 仏塔信仰起源説 by 平川 彰 卒塔婆を、在家者が管理・信仰していた → 供物を経済基盤に、在家修行者が宗派を形成 → 般若経典(空の思想)を生み出す 空観 空は、有でもなく、無でもない 覚り(極限値)があると考える必要もない 初期大乗仏教 Mahayana Buddhism 龍樹 Nagarjuna 『中論』ほかを著して、大乗仏教の教理を大成 大勢の仏陀 在家の修行者は大勢いるのだから、大勢の 仏陀がいなければならない 初期大乗仏教 Mahayana Buddhism 浄土教 西方に極楽(浄土)があって、阿弥陀仏が 衆生を救おうと待っている 極楽に往生すれば、覚りが開け、仏陀となれる (阿弥陀仏はゾロアスター教の神、という説あり) 浄土三部経 『大無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』 E-cinema / Tokyo Tech English Year June 21 (Mon) 17:00~ 2001: A Space Odyssey (2001年宇宙の旅) July 9 (Fri) 17:00~ The Matrix (マトリックス) いずれも、西9号館デジタル多目的ホール
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