銀河ダスト

宇宙の「気温」
1億度から –270度まで
平下 博之
(名古屋大学・理・物理U研)
内容
1. 温度とは?
2. 宇宙の温度を巡る
3. 赤外線
1. 温度とは?
高温
低温
温度の「正体」
高温⇒粒子(分子・原子)が激しく動いている状態
低温⇒粒子(分子・原子)の動きが少ない状態
※熱エネルギー = 粒子の乱雑な運動のもつ運動エネルギー
2. 宇宙の温度を巡る
地球の気温
TBS
気温変動
気象庁
宇宙の「気温」
水星
マリナー10号
昼 340℃
夜 –160℃
金星
岐阜市科学館
480℃
火星
ハッブル望遠鏡
最高気温 22℃
最低気温 –122℃
冥王星
–230~–210℃
ハッブル望遠鏡
自分で輝く星(恒星)
太陽の仲間達
和歌山市立こども科学館
色の正体
人間には、波長の違いが「色」の違いとして認識される。
380
430
490
550
590
640
770 nm
波長
ウィーンの変位則
ある温度の物体の出す光の特徴的な波長は、そ
の物体の温度を反映する。
色々な温度の放射: プランク関数
放
射
エ
ネ
ル
ギ
ー
波長
3. 赤外線
目では見えな
いが、温度が
上がる
ハーシェル
1800年
NASA
プランク関数(「完全」版)
1億度
100万度
6000度
30度
g線 X線
–200度
紫外線 可視 赤外 電波
波長
遠赤外線で見るオリオン座
可視光
遠赤外線
NASA
遠赤外線=–200℃以下の星の間に漂う塵を見ている)
余談: 1億度の世界
300万光年
可視光
髪の毛座銀河団
(名古屋大学U研X線グループ)
X線
日常生活の赤外線
アイロン
こたつ
非接触型温度計
リモコン
通信器具の一部
気象衛星
遠赤外線は大気に吸収される
地球側から見ると「温室効果」
人工衛星による観測計画
2005年打ち上げ予定
気球による遠赤外観測
名古屋大学理学部U研赤外グループ
インドでの気球打ち上げ
暗黒≠物質のない状態
天の川
遠赤外線の観測により、低温(–200℃)の物質を「見る」。