経営戦略II 競争優位性II 経営戦略の分析 • 経営戦略 – – – – 商品および製品種目の市場でのポジション 技術的な機能 戦略的なプロセス そして市場アクセス手段が含まれている。 • 主成功の要因分析(クリティカル・サクセス・ファクター) – 市場の傾向、および成功するための必要条件を識別すること である – これらの条件としては • • • • • 顧客の要求 競争優位性を決める要因 ビジネスの規則や業界標準 企業戦略を実行するのに必要な経営資源 および競争状態を造る他の技術的要求事項等が含まれる 経営戦略の分析 • SWOT分析 – 会社の経営戦略に 影響を与える内部および外 的な要因の分析を行うSWOT分析である。 – 経営戦略が 企業の主な成功の要因に対して比 較され、以下の項目を明らかにする • • • • 企業の強み(Strengths) 企業の弱み(Weakness) マーケットの機会(Opportunity) マーケットの脅威(Threats) SWOT分析 経営戦略 主成功の要因(クリティカル・サクセス・ファクター) 製品関連およびプロセス 顧客の要求 新製品・研究開発 競争優位性の要因 製造技術 必要な資源 マーケット関連およびプロセス 商品販売ルートおよびサービス提供 マーケティング 業界の規則や標準 強み 弱点 機会 脅威 技術的要求 競争優位性 • 企業のポジションを基盤とする優位性 • 企業の組織能力を基盤とする優位性 企業のポジションを基盤とする優位性 • 魅力ある産業構造から生じるポジション優位: – 業界で競合する企業全部が産業構造から得をする場合がこれにあたる.たとえば,業 界に2社しか存在しない複占市場の収益性は,多数の企業が競合する市場より,概し てよい.複占市場では,いずれの企業も既存企業としての地位を獲得し,その地位か ら高収益性を達成する.世界の大型民間航空機メーカー,エアバスとボーイングを考 えれば,両社ともそのポジションの恩恵を受けていることは明らかである. • 業界内の多様性から生じるポジション優位: – 「支配的地位」など,業界内である特定の地位を築く企業は,その地位から利益を得る ことができる.ほかが中小企業ばかりの市場で支配的地位をもつ企業の業績は,ほか の市場の既存企業より,概してよい.たとえば,大手のファストフード・チェーンは,生 産・宣伝において規模の経済を実現し,兢合する小規模な独立店舗より,コストとブラ ンドカ両面で優位性を得る. • ネットワークから生じるポジション優位: – 企業は,買い手や売り手,貴会他社との関係からポジション優位を得ることもある.ベ ンチャー・キャピタル業界の費争は,いかによい投資機会や投資資金を獲得できるか にかかっているが,ネットワークの中心に位置し,よい物件がつねに回ってくるような取 引の流れをつくった企業は,ほかのベンチャー・キャeピタルや投資家,起業家とも密接 に連携し,容易に取引を行い,多大な報酬を得ることができる. 企業のポジションを基盤とする優位性 • ポジション優位の事例 – ポジション優位にはさまざまな種類があり,容易に分類できるものも, 複雑でどのカテゴリーと特定できないものもある.よくあるポジション 優位の事例を以下に示す • ブランド名:認知度が高く,好まれるブランドをもつ企業は,ブランド カが弱い企業に比べ,業界でポジション優位をもつ.強いブランド をもてば,店舗内でもよい場所を確保できるし,多くの顧客から注 目され,高い価格もつけられる.たとえば,ナイキはスポーツ・ シューズにおける強力な世界的ブランドだが,このポジション優位 を関連商品にも活用している. • 顧客との関係:「フェアな取引をする」という評判の企業は,「日和 見的」と見られる企業より,ポジション優位をもつ.イギリスのマー クス・アンド・スペンサーとアメリカのノードストロームではいずれも, 無条件で返品ができるし,安定した製品品質を提供するという評 判から,強力な顧客関係を築いている. 企業のポジションを基盤とする優位性 • 政府の保護や支援:政府の介入によって,企業がポジション優位を得る こともある.国内企業優遇政策をとる国では,業界で唯一の国内企業と なることが優位性につながる.カナダのドミニオン・エンジニアリング・ ワークスは,国内首位の製紙機械メーカーとして長年数々の補助金を受 け,ある種の競争から守られてきた. • ステータス:株式の引受けで競合する投資銀行は,銀行業界内のステー タスによってポジション優位を得る.「ステータスが高い」銀行は,収益性 の高い,よりよい条件で引受けができる.このような銀行がシンジケート の筆頭銀行となれば,ほかの銀行も喜んでパートナーになるし,お互い にシンジケートのパートナーになりたい企業は多い.このようなメリットを 得るため,ほかの銀行はステータスの高い銀行に対して,かなり譲歩す る. • 流通チャネル:流通チャネルの主要企業と支配的なポジションを確立す ることもある.プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は,スーパーマーケッ トで数多くの優れた消費者製品を販売しており,集客力が高いため,製 品ラインの範囲が狭い企業より,チャネル・パートナーに依頼して,よりよ い陳列スペースに新製品を並べることができる. 企業のポジションを基盤とする優位性 • 地理的立地:地理的立地が優位怪の源泉となることもある.ウォルマート は,大手小売としては初めて小さな町にチェーン店を出店した.顧客が少 なく,大手ディスカウントストアを1店舗しか維持できないような小さな町を 選んで,自社店舗を出店し,競合の入り込む隙をなくした. • 顧客ベースを確保し,事実上の標準となる:製品の互換性が重要な市場 では,顧客基盤を確立した企業がポジション優位をもつ.たとえば,顧客 は,仕事仲間とファイルが共有できるようなワープロ・ソフトを好むので, 周りがマイクロソフトのWordを使っていると,マイクロソフトのWordを選ぶ 可能性は高い. • 製品や情報の流れのゲートキーパー:他社や顧客をつなぐアクセスをコ ントロールして,ポジション優位を得ることもある.製品を川の向こう岸に 運ばなくてはならない場合,一つしかない橋の所有者がポジション優位を 得るのと同様に,(ヤフーやライコスなどの)サーチエンジンもインター ネットで得られる情報への主要アクセス・ポイントを支配しているので,広 告主に対してサイトに載せる権利料を請求できる.
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