製品、アイデアの販売企画

精神分析の
長期化と短期化
1
スーパーヴィジョン

経験のある、教育的な立場に立てる心理
療法家が心理療法を学ぼうとする人に対
して 一対一で
一定期間以上
定期的に行う
指導的な分析および面接である
コンサルテーションその他
心理療法家が、心理療法の進めかたに困
ったり、一度、長い経過についての見直し
たりするために他の経験のある心理療法
家に指導を受けることを言う。
 事例発表
 事例検討会
それぞれの機能があり、これを使えるよう
になることが臨床的な発達と関連する

スーパーヴィジョンの問題点
学派や技法の問題
 治療者の逆転移をどの程度扱うかと
いう問題(個人分析と指導分析の混
同の問題)
 パラレル・プロセスという現象
 ヴァイジーをどのように評価するか
 治療的な倫理に抵触する場合
 ヴァイジーの発達の問題
 相性の問題

ヴァイザーの発展
心の中のスーパーヴァイザー(
Casement)=自己モニタリング
 発達する三つの側面
模倣的段階 imitative learning
修正的段階 corrective learning
創造的段階 creative learning

訓練分析および個人分析
 訓練分析
週四回以上、国際精神分析協会で決
められた基準
 教育分析:その一般通称
 個人分析:週一回から二回の心理療
法の基本としたもの
候補生、あるいは研修生
日本精神分析学会における特殊性(古澤
、小此木、西園、そして現代への流れ)
学会はスーパーヴィジョン中心
協会は訓練分析中心の二層性
 精神分析がしだいに性格分析的になって
いった経緯と教育分析の意味の変化

Balint(1949)の分類
第一期:1918ブタペスト大会、1920年ベ
ルリン研究所の開設
第二期 1920から1938年ごろまで
精神分析の評判が高くなってから、フロ
イトの死まで:非医師問題
第三期 1937年米国研究所の独立から
今日まで
訓練分析の始まり
フロイトがユングの前で倒れたこと
アメリカ講演の船の上でユングはフロイト
に自分のことを他人に語らないことを責め
た。→フロイト発作
ユングの提案:すべての分析家は分析を受
けること

1918年の提案

1918年のブタペスト大会:ナンバーグによ
って訓練分析の提案が行われ、オットー・
ランクとタウスクの強力な反対にあって、
否決された。
ランクとタウスクの反論の意図は不明で
あるが、提案が採択されるのは1926年に
なってからである。
1918から26年に起きたこと

娘アンナの分析1918、1924年
娘の心配をする父親

ガンの発見1923年
誰が精神分析家になるかについての決定

弟子ランクの離反1925年
最愛の息子の離反

メタ心理学の構築の失敗から新理論
性格分析
普通の分析つまり神経症的な傾向の分
析ではなく、性格分析
「深層」(Heimann)、「超治療」(バリント
)
「性格分析」(ギテルソン)
→転移の分析から人格の問題に
訓練の姿=信念と愛
R.Ekstein(1953)
1.精神分析的トレーニングの歴史について
フロイト「自身も受けた人が集まる」
でも去っていく人も多い。
⇒サークルの形成「リングを持つ人たち」
→中央委員会
1920年代 「分析を受ける」「健康なら受けな
くてもよい」の間
例外:アメリカでの専門化⇒力動精神医学
(1)優れた訓練形式を維持する
(2)研究方法と臨床技法との両立を守るための困難を回避する
(3)他の社会科学や生物学と十分に密な関係を確立する
2.候補生の選択
分析可能性ほかの議論と確立されてきた
人格査定を含むメニンガーのようなシステム
⇒精神的なものへの興味:客観的に
は人間理解、主観的には自分の病気
⇒ ①訓練分析
②統制分析
③セミナー
3.訓練分析:分析を通しておきること:自
分の人生を振り返る⇒転移を体験する
⇒逆転移を理解する
4.統制分析(指導分析)
分析している人のスーパーヴィジョン
5.研究と応用のための精神分析的トレ
ーニング
6.研究所と伝統的学習センター
7.訓練分析と精神分析の未来
:精神分析を長期の統制された訓練
と指導の結果生み出される特定の技
術と特定の人間理解の方法であると
考える。
訓練分析と心理療法
精神分析と精神療法は異なる
Wallerstein(1982)のそれぞれの論考
1979年のトレーニング会議
Sandler vs Zimmerman
 精神分析は治療と異なる何かをもたらすという
発想の根拠
=自由連想法と毎日分析という枠組みと転移
の全体的分析(分析の長期化をもたらす結果)

逆転移の歴史的文脈から
a. S.Freud(1910)
→治療者の無意識の感情のクライエントへの悪影響
b. M.Balint,A.Reichら
→転移反応に対する逆転移を指摘
D.W.Winnicott(1958)
「逆転移のなかでの憎しみ」=客観的な逆転移
c. P.Heimann(1950)
→分析の道具としての逆転移の感情を指摘。
d. B.Joseph,W.Bion以降
→投影同一化の受け皿としての逆転移
盲点と長期的な視点
訓練分析によって得られる自己分析
↓
自分の盲点の理解
=一生のもの(終わりなき分析)
 訓練分析によって得られる情緒
↓
人に依存し、相談することで生じる転移
(退行)の姿

逆転移と投影性同一視から相互投影と
スーパーヴァイザーとしての患者
1.投影性同一視の問題点
治療者の間違いを患者の病理に還元してしまう=
医原病症候群
2.相互作用の場=bipersonal field
Little,M(1951)「逆転移」とそれへの反応
Searles,H(1975)「分析家のための治療者として
の患者」
→無意識的なコメンテーター=修正する人=スー
パーヴァイザーとしての患者
解毒と相互作用
訓練分析によって得られる経験
↓
クライアントの境遇と立場=枠組みの体験
 訓練分析によって得られる内省
↓
投影の解毒=相互作用の内在化
精神分析によって得られる理解が自分にとって
の精神分析の意義と重なる

訓練分析および個人分析の意義
心理療法が治療者のパーソナリティ
を道具として、クライエントとの深い相
互作用を認識することで成り立ってい
るので、より良い理解を治療者自身
がすること
 治療そのものの体験によって、自分
の心的過程、転移、抵抗、洞察など
の現象を理解し、体験的に学ぶ
 治療を受けたことのない人が治療を
するべきではない

訓練分析の問題を指摘する人
米国の組織的な研究施設の訓練
Bernfeld(1962)、Kernberg(2000)
英国のクライン学派
Balint,Gloverの感じていた問題
Balint フェレンチィの後継者、独立学派
Glover 教育委員会を辞める
Heimann(1955)
Balint(1948)
クライン―フロイト論争時にコメントして
1947年
訓練組織における問題:あまりに自分の
訓練分析家を尊敬してしまう。そしてあまり
異論なしに教義的で権威的な治療に従順
である。

Bernfeld(1952)ら

ベルリン-アイティンゴンモデル
制度は思考を促進しない。
カーンバーグ(1996)(2000)
1.候補生を子供化
2.科学的孤立と無知
3.候補生の教育体験への無責任
4.権威主義と恣意性
5.外的な体験とその影響の否認
Heimann(1954)
訓練分析は普通の分析と区別する分析家にと
って多くの問題が生じる
2. 訓練のコースで受ける外的な障害を常に分析
し、問題を道具にすることで、分析は深まる
3. 分析家は純粋に分析的手続きに依拠する必
要がある
4. 分析家は自分の問題を認識して統治し、自分
の逆転移をあいまいにしてはならない
1.
日本の力動的な精神療法は短時間療法である
Psychodynamic psychotherapy in Japan is a Short-time
psychotherapy.
 日本の精神分析導入の歴史(妙木&安斉、2005
年):古澤は通信分析をはじめ変法と短期の分析体
験を下に精神分析を導入した。先に心理を実践して
いた、矢田部も大槻もみなそうだった。
 1970年代、この実践は国際学会と遠いところにあり、
学会ではSVだけの精神療法を認めるシンポジウムが
開かれ、精神分析ではなくなり、それは今日の学会
資格に至るまで長い鎖国の歴史をもつ。
 アムステルダムショックが黒船になり、ようやくそ
の特殊性がLacan同様に、見えてきている。
 力動精神医学は定着せず、精神科の実践で精神分析
は一度も流布することなく、不可能なままであり続
けている。ただ認識だけが理想化されて、行われて
いるのは短期療法である。
 それは週一回で終わりなきという実験的変法である
短期療法から精神分析をみる
フロイトの事例:
カタリーナ
Aurelia Kronich
1893年に避暑地ホーエ
ン・タウエルンの山小
屋で で出会った田舎
の女性で、シングルセ
ッションで、ヒステリー
症状、息苦しいなどの
症状が改善した事例
28
ブルーノ・ワルター 1876-1962
指揮者、ピアニストと
して活躍する。:
1906年 右腕の
局所麻痺の症状を
6セッションでフロ
イトの治療を受け
て、治癒した。
29
マーラー 1860-1911
G.マーラー:夫婦関係
の悩み、特にインポテ
ンツのためにフロイトを
訪れ、4時間ほど(4セ
ッション)散歩をするセ
ッションをもち、精神分
析への理解と動機の
高さのため治癒した、
という。
30
狼男
Sergej Konstantionovich
Pankejev(1885-1979)
フロイトのもっとも重要な
しかも理論的に多くの問題
を残したクライアントとして
生きた。
狼男の生育歴
生後三ヶ月 肺炎に罹って死にかける.のちにそれ
を大人たちから聞き,死への不安から過食になった.
(一番最初に現れた神経症的障害)
幼児期 両親が家を売って都会に引っ越した.(狼男に
とって大きな変化)
二歳半の夏 両親が数週間旅行に出かけたが,姉と
ともに留守番.英国人の女家庭教師が雇われた.狼男
は優しく,おとなしい,静かな子供であったが,両親
が旅行から帰ってみると,不平がちになり,敏感でい
らいらし,暴れたり,泣き叫んだりする子に変わって
しまった.母親は変化の原因を英国女のせいだと思い,
彼女を解雇するが,短気な性格は少しも治らなかった.
(クリスマスの日に誕生日とクリスマスの二重の
贈り物をもらえず,激怒)
四歳誕生日前 狼の夢を見,狼に食べられるので
はないかという不安に襲われて泣いた.それ以降,
狼恐怖が続く.姉は,いつも彼をいじめ,怖がるこ
とをしては面白がった.(狼の絵本を見るように仕
向け,狼男が怖がるのを見て喜んでいた)狼男は,
狼だけでなく,他の動物や昆虫にも恐れや嫌悪を感
じるようになった.同時に,それらに残酷な行為を
するという矛盾した態度が起こった.
四歳半 母親は狼男を矯正させようと聖書の物語
を読んで聞かせた.これによって狼恐怖は消失した
が,代わって,就寝前に長いお祈りをし際限なく十
字を切ったり,夕方には部屋中の聖像に接吻して廻
らねばならないという強迫観念に悩まされるように
なった.
十歳 ドイツ人男性の家庭教師が雇われ,狼男に
大きな影響を与えた.この人物は宗教に価値を認め
ていなかったため,狼男の信仰心は薄れそれまで続
いていた強迫症状は消失した.その代わり,路上に
大便が三つ転がっているのを見ると三位一体を連想
するという強迫が新たに現れた.しかし思春期が近
づくにつれ,ドイツ人男性の影響下で,狼男の症状
は減じほぼ正常な状態を維持できるようになった.
狼の夢(幼少時代にみた)
「私はこんな夢を見なした。『夜私はベッドに寝てしました。
(私のベッドは足の方が窓を向いており、その窓の向こう
には古いくるみの木がずらりと並んでいました。その夢は
冬のこと、確かに冬の夜のことだったと思います)。急に
窓がひとりでに開きました。窓の向こうの大きなくるみの
木に幾匹かの白い狼が座っているのを見て、私はびっく
りしました。狼は六匹か七匹いました。彼らは真白で、ど
ちらかといえば狐かシェパードのように見えました。という
のは、それが狐みたいにおおきなしっぽをもち、その耳は
何かを狙う犬みたいにピンと立っていたからです。この狼
たちに食べられるのではないかという非常な不安に襲わ
れて、私は大声をあげ、泣き出し』、目が醒めました。
狼男に関わった人々
1918年に発表した『幼児神経症の病歴から』
 1919年4ヶ月の間、フロイトの提案で、無料の精神分析
が行われた。
 フロイトが指導していたルース・ブルンスビックの分析を
受けることになる(1926-1938)。
 ブルンスビックの待合室で、ムリエル・ガーディナーと出
会い、ロシア語の家庭教師になる→ The Wolf-Man
by Wolf-Man(1971)の編集が行われる。
 1955年Frederick Weilがロールシャッハをとる(強迫
神経症と診断する)
 Kurt Eisslerが15年間一ヶ月ごとに録音インタビュー
 Karin Obholzerが亡くなるまでの間インタビュー
→『W氏との対話』(1982)の出版

その後の狼男
市民戦争のために財産を失ってしまった。
 自分がフロイトの患者であったことが自分が父親から愛
されることになった。
 保険会社に勤めて、1950年(65歳)に退職するまでカ
フカのように過ごす。
 1938年ヒトラーの入都とともに妻が自殺する→ガーディ
ナーらが亡命させる
 ブルンスヴィックの毎日分析をパリ、ロンドンでも受けて
いる
 1953年まで母親と暮らしていた。
 狼男として最後まで生きる

狼男の問題
精神病的症状
その後の経過:小此木の境界例論
 フロイトの原光景論
夢と幻覚、そして認識
 構成の現実性とは何か:事後性
精神分析にとって現実とは何か
 終わりある分析と終わりなき分析
精神療法技法論文の最後の修正

フロイトの「過去」の問題
 「歴史的真実」
 隠蔽記憶
 事後性Nachtraglichkeit
→ 過去は現実かどうか
特に初期フロイトの治療は短かった。
フロイトの技法論文
1910年代にほぼその全体像が完成する。
「自我とエス」に収束する治療モデルが完
成する
 1937年になって、二つの技法論文が登場
する。これは前者の技法論文についての
帰納法的手法から異議のあるものであっ
た。「終わりがない」「構成である」

終わりなき精神分析
晩年の技法論文の問題
「終わりある分析と終わりなき分析」(1937)
「分析における構成の仕事」(1938)
 解釈学的、構成主義的、あるいは交流主義
的な転回点として精神分析を再構成する可
能性
 精神分析が独自の領域かどうかという問題
long-term psychotherapy(Gabberd)

歴史的な経緯
Ferenczi&Rank『精神分析の発展』(1923)
・治療関係の情緒的な交流
・治療の短期化の試み
短期療法の流れ
→Balint、Malan 焦点化の心理療法
→Mann
時間の操作的心理療法
ランク(1884-1939)
フロイトの若き秘書:大学に再入学
 出生(出産)外傷理論
 時間制限療法、中断療法
フロイト以後
 パリ、米国へと亡命
 アナエス・ニンの分析
 意志療法will therapy⇒ロジャース

フェレンチィ(1873-1933)
積極技法の提唱
前期:禁欲
後期:リラクセーション技法
⇒相互分析
フロム、バリントらブタペストのハンガリ
ー学派を形成した(晩年、フロイトとの関係
が問題になり、長く隠蔽された)

ライヒ,W(1897-1957)
1920年ウィーン精神分析協会会員
衝動性格論
衝動性格と衝動抑制型の神経症、
およびマゾヒズム的性格
 性格分析、振る舞い分析
 不安学説、→オーガズム体験による解放
 1930年ベルリン研究所、ラドから分析を受ける
 「ファシズムの大衆心理」(1934)
 1934年除名
 Vegetotherapy→ orgonnbox
 1957年に刑務所に入る、精神分裂病と診断
→ローエンらbioenergetics


1925年に起きたこと
最後の弟子の離脱と創始者のガンから
教育・訓練分析のシステム化
→分析家の養成
 分析研究所の基準設定
セミナー・教育・分析体験の標準化
→研究方法の確立
定点観察:観察者問題の標準化

長期化のなかで生み出された理論

対象関係理論
人の心の布置をたんねんに探索して、そ
れを再構成していく作業
→ウィニコットとビオン
クライン学派におけるcontainment
中間学派におけるholding
時間と転移と解釈は前提だとしても。
47
短期療法の歴史









フェレンチィ
積極技法 active therapy
ランク
意志療法 will therapy
シュテーケル 焦点化療法focused therapy
アレキサンダーとフレンチ 修正感情体験
corrective emotional experience
シフニオス 不安喚起療法 anxiety provoking therapy
マン 時間制限心理療法 time-limited psychotherapy
バリント 焦点療法 focal therapy
マラン scientific outcome research
ダーバンルー 試行セラピー trial therapy
その後、APAでは力動的な心理療法が開発される
アレキサンダーFranz Alexander 1891-1964
米国の力動黄金時代にお
ける精神分析
1950年代におけるシカゴ
精神分析研究所のなかで
の闘争:Alexander&
French(1946)のshort
forms of psychoanalytic
psyochotherapy
=修正感情体験を重視する。
1. 自由連想の放棄
2. 期間短縮、回数操作
3. カウチの廃止など

49
バリント(1896-1970)とマラン
バリントはフェレンチィ
の伝統のなかで、タヴ
ィストッククリニックで
、焦点化心理療法を
発展させた。
 GPらの一般医の心理
療法のためのチーム
を組み、それを流布さ
せる作業をした。

50
マランは、そのなかで科学的な研
究に従事して、動機、焦点づけ、転
移-親リンクといった概念を導入して
、「あらゆるセッションの瞬間の目的
は、患者が耐えられる限りで、本当
の感情の多くに触れられるようにす
ることである。」
→患者の基準
1.精神医学的生育歴、2.心理力動
的生育歴、3.対人関係の歴史、4.現
在の外的関係、5.治療者との関係、
6.投影法
この六つから適格かどうかを判断す
る。マランによれば、ひとつの焦点が
明確なら、良い候補になるという。
外的関係、転移、発生論的システム
51
マンの短期療法の世界
1964年ボストン大学外来で愛着と分離を
特化した技術に関心を持ち、12セッション
の実験的な治療を開始した。
 時間を制限することの意義

Ferentzi,Rank(出生=中断療法)からMann
1.脱依存vs依存
2.能動vs受動
3.適切な自己評価vs自己評価の減少や不在
4.解消されていない遅延した悲哀
シフニオスの短期力動療法:不安
画期療法
ボストン、マサテューセッツ総
合病院におけるSTAPP→ハ
ーバードにおける
Sifneos(1972)の研究
アレクシシミアの概念化
→心身症の基盤
→STAPP
short-term anxiety
provoking therapy
去勢不安の取扱
エディプスに限定した。
邦訳『短期力動精神療法』
この治療の候補者は、
患者が主張できる主訴を持つ能力がある
2. 子供時代におけるギブ・アンド・テイクの、あるいは意味
のある関係の証拠がある。
3. 面接の間、評価者に柔軟に関係をもつ、そして自由に
感情を表現できる能力を持つ
4. 心理的な洗練さをもち、平均以上の治世、心理的な心
をもつ
5. 症状軽減ではなく、変化への動機
エディプス期に限定しているので、
人格障害などの重い事例には、リミットを設けたため、ほと
んどの事例は、当初からスクリーニングを受けている。
1.
(私見:日本に最初にこの技法が紹介されたことは不幸なこと)
54
短期療法をしない理由
(モルノス,1995)
Ⅰ.主要因 ①永遠の時間への回帰
Ⅱ.精神分析の方法論に固有の問題
②自由連想の慣例、③分析家の受動性、
④徹底操作、⑤転移神経症と退行の促進
Ⅲ.患者側に働く要因
⑥変化に対する無意識の抵抗、⑦神経症の根
本治癒、⑧過度の解決、⑨患者の依存、⑩終結
の困難
Ⅳ.セラピスト側に働く要因
⑪治療の完全主義、⑫より深い、早期の体験を
治癒しなければならない強迫の増大、⑬患者の
支援より無意識の科学的関心や好奇心が強くな
る、⑭患者の怒りの反応を恐れることや傷ついた
患者が来なくなることへの恐れへの抵抗と直面化
への恐れ、⑮自信の喪失、⑯短期療法を行うこと
へのプレッシャー、⑰同僚からのプレッシャー
Ⅴ.開業に特有の要因
⑱終結したブリーフの患者を不完全なまま戻して
良いかという不安
⑲患者の回転が増えると、余計な事務的な仕事
が増える。
実際に行われる短期療法の理由
十分なモチベーションを持った患者がセラ
ピーの終結日時を決めてやってくる場合
 公共領域のヘルスケア、その拘束のもとで
心理療法をしている場合、
 短期療法をしても、自分の名声が低くなる
ことがない高い地位と名声を有する場合
→短期療法は、ひっそりと行われる!

短期のなかでの三つ+一つの流れ

長時間、長期間の精神分析の流れに抗するために
市民的な公的セクターの需給関係のなかで生じたも
の=経済システムの違う地域ではシステムとしての
導入は必ず失敗するが、方法論的には精神分析の
散種が行われ続けているために、つねに変化してい
る。 →短期、あるいは時間制限療法:
患者のニード/治療者のニード
1.
2.
3.
時間の取り扱い
焦点化あるいは抵抗の取り扱い
抵抗と防衛の解除の技法
+4.対面法のフルスロットルと描画法
短期療法についての私見
1.心理マネージメントが必要な場合、
つまり精神病的な要素が強い、あるいは発達障
害が干渉しているような問題である場合、心理
療法は集中的に投与できない、だからといって、
すぐに治療をやめることは、患者を放り出すこと
になる、そうした葛藤の中で、少しだけ心理療法
をしてみるという場合、
2.分離、去勢、別離、対象喪失などが必要な場合、
十分な体験として根付いていない場合で、しかも
時間的な余裕がない場合、
3.時間的な余裕がない、つまりコンサルテーショ
ンしか投与できない場合、
現代の短期力動療法
60
H.DavanlooのISTDPの開発
ディバンローはIntensive Short-term
Dynamic Psychotherapyをモントリオー
ルのマクギル大学で20年にわたる体系的
な研究の結果、報告する。
 「無意識を解除する」技法:TCPの技法、お
よび防衛を解除するための技法を開発した
。複雑な転移感情(CTF)の解除を取り扱う
→挑戦と圧力、正面から衝突するなど。試
行治療の実践によって反応を見る。

61
Malanの研究ー実践モデル
Balintのもとで研究者であったマランが精
神分析の有効性をモデルの状態から整理
した⇒二つの三角形
 その結果、心理療法全般の研究者が登場
した(MacCalloughら)⇒プロセス研究
 質的研究の科学的な手法がそろいつつあ
ったという背景があり、心理療法が研究の
主題になっていった。

62
1970年代の三つのシンポジウム



DavanlooとMalanとの出会
いによって活性化された短期
的な治療の文化
彼らが分かれる1980年まで
に三つのシンポジウム、交流
が起き、研究者が行き来した。
その参加者たちが短期力動心
理療法の理論的な基盤になっ
た。
63
第三世代から第四世代





TLP(時間制限療法):Vanderbilt大学における
Strupp
Brief Adaptive Psychotherapy(BAP):Beth
Israel医学センターにおけるPollackら
Short-term Supportive-Expressive
Psychoanalytic Psychotherapy ペンシシルバニア
大学におけるLuborsky
Accelated Empathic Therapy(AET)
60年代にRyle実践の中で開発したCognitiveAnalytic therapy(CAT)
焦点化の方向性について
修正感情体験のために、治療関係を特定して、新
しい体験の提供だけを焦点化する(SFPP)
不安を喚起して、葛藤場面を再現する(APT)
怒りや罪悪感を明確化する(ISTPP)
話題を対人関係的な問題に焦点化する(FP)
ex.書き言葉を用いた特殊療法(CAT)
 いずれの場合にも、焦点化の方向に動くことで短
期的な問題に対応しようとしている。
 普通の治療者:もし長期的に抱えるのが無理な状
況なら参考になる。ただかなり操作困難だという
前提が必要になる。
抵抗を除去して本当の感情に至る方法
(Davanlooら)






問題と感情(XC)を徹底的に探究する
どんな防衛的な働きに対してもチャレンジする
本当の感情や衝動が開放され、抑圧がとかれて、今ここ
での患者の不安が認識される
患者が自分の力で現在の人間関係において同じコンフリ
クトが存在することを発見し認識できるように援助する
遠い過去において、親や他の重要な人物との間で、同じ
コンフリクトが存在することを発見し認識できるように援
助する
患者がTCPリンクをできる限り十分に、生き生きと何回も
理解し、体験できるように援助する。→解決=終結
66
防衛と不安と本当の感情
不安
A
本当の感情
X(I-F)
D
防衛
防衛(AとXに対する):
不安(Xに対する)
本当の感情は
ネガティブ(-X)とポジ
ティブ(+X)、そしてアン
ヴィバレンツ(±X)
67
今ここでと外とそこ
転移・セラピスト・今ここ
T
現在の問題・葛藤
C
1. 起源となる人間関係
2. 現在の人間関係
3. 今のセラピストとの治
療関係
P
過去・患者
68
ディバンローの技法
抵抗を解除し、無意識の鍵を開ける技術として提示したも
の→本当の感情へ
①圧力:患者に症状を詳細に語ってもらって、それを共有し
て、正確な問題像を描く。
②挑戦:二つの段階のプロセスである。最初は明確化、治
療者は抵抗があって、患者がやめるべき特定の防衛が
あることを知る。防衛が明確化されると、第二に患者と治
療者はそれに抗して、仕事をする。防衛への挑戦は、患
者が防衛を捨てることを奨励する。
③正面衝突:単一の防衛に対するものではなく、全体的な
防衛構造に対してのものである。緊急に患者に、抵抗を
克服する努力を求める。患者へのまとめの文書という形
をとるが。
69
マッキャローやフォッシャ
情動に対する防衛が感情の様々なあり方
を決めている⇒情動恐怖症
これを解除するには脱感作が重要であると
考える。⇒マッキキャロー
 危険信号を適度に感じるための不安と防
衛が組織される体験を増やす
⇒安全な自他関係のなかでの感情体験

70
defenses
grief
guilt/shame
sexual
rage
pain
bond
感情と防衛の関係
力動的な変化の技法

Accelerated Experiential Dynamic
Psychotherapy(Diana Fosha, PhD)
 Affect-Focused Dynamic Psychotherapy
( Leigh McCullough, PhD)
→彼らが目指している力動的な技法は、短
期療法の成果を取り入れながら、より活動
的なアプローチとなりつつある。
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