米国の農業における バイオテクノロジーの現状と展望 在京米国大使館 首席農務官 ポール・スペンサー 作物と形質 • 主要作物で普及 – – – – 大豆 トウモロコシ 綿花 園芸作物などではコストの面から普及が遅れ気味 • 現在利用されている形質 – 害虫抵抗性 (“Bt”) – 除草剤耐性 (グリホサート, グルホシネート) – ウィルス抵抗性 • 今後の市場に出てくる形質 (近い将来) – 乾燥耐性, 心臓に良い油脂や果物など – 開発途上国に役立つ形質や作物(例 キャッサバ、ソル ガム、バナナ 米国の農業における バイオテクノロジーの利用 100% 80% 60% 40% 20% 0% トウモロコ シ% 大豆 % 綿花 % 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 • • • • • • • 栽培が規制されていない バイオテクノロジー作物 トウモロコシ - HT, IR, AP 大豆 - HT, PQ 綿花 - HT, IR 菜種 - HT, AP, PQ パパイヤ – VR カボチャ – VR タバコ – PQ • 大規模生産 商業栽培はされていない トマト - PQ チコリ – AP 馬鈴薯 - IR, VR 稲 – HT テンサイ – HT 亜麻 – HT プラム - VR HT – 除草剤耐性 IR – 害虫抵抗性 AP – 栽培に関連した形質 VR – ウィルス抵抗性 PQ – 収穫部位の品質に関連した形質 今後上市が予定されているバイテク大豆* 栽培に関連した形質 A Steady Pipeline of New Biotech Events Nearly Every Year Omega-3 Bt/RR2Y 連した形質 (Monsanto; Steandonic Acid) RR2Y Omega-3 (EPA/DHA) (Monsanto) DuPont Low Sat (Monsanto) Rust (Monsanto) High Stearate (Monsanto; DuPont) High BetaConglycinin (Monsanto; DuPont) LowPhytate Dicamba Tolerant (Monsanto; Pioneer (Monsanto) Feed: High Protein Soybean (Monsanto; DuPont) (DuPont) Yield Antibody containing (Monsanto; Pioneer) (against E. coli 0157:H) 201X 2009 Low Lin Modified 7S Protein FF (Syngenta) (Dupont) High Oleic (DuPont) Glyphosate & isoxazole tol. (Bayer)* High Oleic, Stearate (DuPont) GAT/Glyphosate-ALS (Pioneer) Liberty Link (Bayer) 食品としての品質に関 Disease (Monsanto; Pioneer) Soybean Cyst Nematode Monsanto; Pioneer Processing: High Oil Soy (Monsanto) Herbicide tol.: 2,4-D (Dow) and aryloxyphenoxy propionate herbicides *Estimated pipeline of soybean biotech events prepared by the American Soybean Association, November 2007. なぜ米国の農家はバイテク作物を 栽培するのか? • 生産性増加 • 生産コストの減少 (燃料、農薬使用量の減少) • 環境保全上の利点 (より少ない農薬の使用, 不耕起栽培の推進) • また、将来においては新たな形質の利用が 拡大するであろう (例 栄養特性の改変等) 新たに開発されている多くのバイテク作物 は日本政府の関係当局により審査される • 在京米国大使館によるバイテク企業調査 – 2008、2009年度に日本での申請予定 • 51イベント • 7 つの新たな形質 米国における規制の枠組み 農務省 (USDA) 農業、環境への安全性 食品医薬品局 (FDA) 環境保護庁 (EPA) 食品、飼料の 安全性 農薬としての 安全性 米国における規制の枠組み • 1983年 -最初の「遺伝子組換え」 (GE)植 物 • 1986 年 -バイオテクノロジー規制の調和 的枠組み • 既存の省庁と法律がどのようにバイオテク ノロジーにより開発された製品を規制する かを記述 米国における規制の枠組み • 遺伝子組換え体の持つリスクは、同じよう な形質の非組換え体の持つリスクと根本 的に違うものではない • 規制は科学に基づき、個々のケースにつ いて検討されるべきである 米国における規制の枠組み 形質・作物 関連機関 審査項目 食用作物における害虫抵抗性 (Bt コーン) USDA EPA FDA 農業・環境への安全性 農薬について環境、食品・飼料の安全性 食品・飼料の安全性 食用作物における除草剤耐性 (ラウンドアップ・レディ大豆) USDA EPA FDA 農業・環境への安全性 新規除草剤の使用 食品・飼料の安全性 観葉植物における除草剤耐性 USDA EPA 農業・環境への安全性 新規除草剤の使用 油脂組成を改変した食用作物 (高オレイン酸大豆) USDA FDA 農業・環境への安全性 食品・飼料の安全性 色を改変した観葉植物 (青いバラ) USDA 農業・環境への安全性 日米関係におけるバイオテクノロジー • 米国は日本への最大の食糧供給国. • 日本は米国の農業経済において極めて重要 な地位を占める. • 米国のバイテク企業と農家は日本での承認 が得られない限り、商業生産を行わない旨同 意している. 日米関係におけるバイオテクノロジー • 米国の農業でバイオテクノロジーは極めて重 要な地位を占めている. – なぜ、我々がバイテク作物を栽培するのか日本 の方々に理解してもらいたい • バイオテクノロジーは世界の食糧安全保障に もきわめて重要な役割を担っている • 米国で食品に利用されているバイテク作物は 日本に輸出されているものとまったく同じであ る。 参考ウェブサイト U.S. regulatory agencies http://usbiotechreg.nbii.gov U.S. Embassy Report on Agricultural Biotechnology In Japan http://www.fas.usda.gov/gainfiles/200807/146295225.pdf 米国大使館農務部ウェブサイト (日本語) http://www.usdajapan.org/jp/index.html 「myfood」 アメリカ食品の情報サイト(日本語) http://www.myfood.jp
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