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一般救急業務
開業医による
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ドイツから医学を学ぶ
明治初期(1871年):ドイツから医学を導入した
健康保険制度、最近は介護保険制度もドイツを手本
臓器移植法もドイツの法律を参考
では、ドイツも日本と同じ医療問題を抱えているか?
No!
ドイツ国民は健康保険制度や日常の診療、とくに救急業
務に大変満足
それを調べることは大変に重要
ドイツの事情を客観的に知る必要がある
日本の矛盾: 痛みを避けた手抜きの真似事の蓄積
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医療保険に対する満足度
ドイツ 2000年
完全に満足
9%
どちらかというと満足
65%
どちらかというと不満足
22%
全く不満足
3%
分らない
2%
ドイツ医師会雑誌 97巻24号、2000
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ドイツ人の大多数が家庭医に満足
ドイツ医師会雑誌 2003年10月2日
アンケート調査
• 1000人のうち87%が、自分の家庭医は能力があ
り、包括的に助言をしてくれると感じている
• 74%が医師を替えることを考えていない
• 78%は、十分な時間を取ってくれたと感じている
• しかし、24%は将来家庭医を自由に選択したいと望
んでいる
• 医師の報酬請求に批判的。70%以上がより透明で
あることを要求した
• 41%が待ち時間の長いのに苦情を述べた
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開業医の診療時間と救急業務
• 休診日は土日、祝日、水曜日午後(全国統
一)
• 救急当番制を実施: 開業医は全員救急当
番に参加する義務
• 24時間365日診療所での受診と往診が受け
られる
• 休診日と夜間(例19時から7時)を救急当番
医が担当
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• 開業医の開業時間は7時から19時まで
• 救急センターを置き、それが連絡業務を
扱う地域が多くなった
• 救急当番表を作り、役所、警察、消防署、
薬局などに配布する
• 開業医の待機時間: 診療時間が8時半
開始の場合はそれまでの時間、昼休み
は休憩時間であるが急患があれば診療
する
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救急当番医と主治医
• 自分の患者は診療時間外でも診療する
義務
• それができないときは救急当番医に依
頼する
• 日中は必ず連絡可能な状態: 長時間
不在にするときは必ず同僚医師に連絡
して承諾を得ておく
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• 救急当番の時間内は、担当地域外に
出てはならない。
• 休暇や病気の時は同僚医師の助け合
いが徹底。
• 救急で診療した医師は、主治医に報告
し、患者を戻さなければならない。
• 患者が他の医師に逃げることは殆どな
い。
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救急当番義務化の歴史
• 1956年に医師職業規則で救急業務を
義務づけたが徹底は不十分であった
• 1972年の行政裁判所判決:救急業務を
州の法律で規定せよ
• 州医師会と州保険医協会が救急業務規
定を作成、実施
• これにより総ての開業医に救急当番に
参加する義務が生じた
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• 一般救急業務の能力がないと開業が
許可されない (入院させる必要があるか
どうかの判断ができること)
• 救急に関する生涯研修が義務化
• 眼科と耳鼻科はその専門で救急体制
を整えている
• 小児科救急に問題はない
柴田三代治医師(ドイツで30年間開業)は、内
科医だから小児は診れないという最近の日本
の新聞を見て、呆れたことだと述べている
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専門科の救急業務:専門医の救急業務
• 特定の専門科の専門医の数が十分に間に合
うときは、自発的に、この科の救急業務を組
織できる。例えば外科、小児科など。
• その場合その科の専門医は全員それに参加
しなければならない。しかしそれによって
• 一般救急業務への参加は免除されない。
• 専門科救急業務の範囲は一般救急業務の
地域を超えた広域になってもよい。
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柴田医師の一般救急業務
• ドイツで30年余家庭医として開業された柴田三代治
医師は自分の体験した救急業務を次のように述べ
ている。
• 週末は土・日の差がありますが、私の経験では(人
口2万人のオーバラート市)土曜日は 20人外来、
10~15回往診、
• 夜間は(夕方8時から翌日8時まで)外来4~5人 、
往診3~4人といった所です。季節により又流行病に
より大差があります。
• 日曜日は10%増。
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一般救急当番 南西ドイツの小さな町
• 産婦人科専門医Beisler医師によるとこの地域では、
週日の夜間は内科専門医と一般医(家庭医)が救
急当番に当る
• 土曜・日曜・祝日はそれ以外の開業医が当る
• Beisler医師は週末の救急当番を年に7,8回担当
• 一般救急であるから全ての年齢の患者を診るわけ
で、小児だから扱いに困るということは感じていない
• 重症と分れば小児科専門医や病院に渡す
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• なお、この地域には小児科専門医の自発的
救急当番組織がある。
• 日本の小児救急で問題になっているようなこ
とがドイツにないことが、改めて確認できた。
• 医学教育のどこかが大変違っている。
• ドイツでは医学部3年で、救急に関する教育
をしている。
医師国家試験のファイル: 参照
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医師国家試験と成績
筆答試験
訳つき
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ドイツでは口答試験を重視(実力がよく分かる)
1970年にマルチプルチョイスを導入するまでは
全部口答試験であった。
現行規定
前期試験学部2年
筆答
第1部 学部3年
筆答
第2部 学部5年
筆答
第3部 学部6年
口答
口答
口答
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医師国家試験 出題カタログ
インターネットで公開
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医師国家試験成績 IMPP ホームページ
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医師国家試験 前期試験 学部2年で受験
不合格率 大学別 2004年春
2ヶ月の看護業務とファーストエイドの実技と理論習得が受験条件
大学
受験者
不合格者
平均値
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医師国家試験 前期試験 学部2年で受験
不合格率 大学別 2004年春
合 計
20
医師国家試験 前期試験 学部2年で受験
科目別正解率 大学別 2004年春
大
学
物 理
生 理
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医師国家試験 前期試験 学部2年で受験
科目別正解率 大学別 2004年春
問題数
化学 生化学 生 物
解 剖
心理 社会
22
医師国家試験 第1部 学部3~4年で受験
科目別正解率 大学別 2004年春
大
学
病態生 人類
医史学 病理
理 臨 遺伝
床化学
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医師国家試験 第1部 学部3~4年で受験
科目別正解率 大学別 2004年春
救急を
早期に
教える
バイオ ヒスト
薬理 急性期
微生物
放射線
免疫
メトリ リ検査
中毒 救急
問 題 数
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家庭医の業務
ヨーロッパ30カ国のプライマリケア医師からの回答
診療所で日に患者40人以上
診療する家庭医の%
ドイツ
オーストリア
62
51
イギリス
診療所の外で週に15以上の
往診をする家庭医の%
76
ドイツ
オーストリア
76
17
オランダ
60
スイス
15
イギリス
55
オランダ
14
スイス
7
デンマーク
3
ノルウェー
6
フィンランド
1
デンマーク
2
ノルウェー
0
フィンランド
1
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ドイツ医師会雑誌1996年11月15日