確率・統計Ⅱ 第4回 区間推定(2) 1. 母分散の推定 2. 母比率の推定 3. 区間推定のまとめ 母分散の推定 ◎ 母集団が正規分布に従う場合(の み) 次の定理によって、 カイ二乗分布を用いる。 【定理】 2 (n 1) S 2 2 は 自由度 n-1の カイ二乗分布に従う カイ二乗分布の式とグラフ 自由度 n=5 自由度 n=10 f ( x) 1 n 2 2 n 2 x n2 2 e x 2 0.18 0.16 0.14 0.12 0.1 0.08 0.06 0.04 0.02 0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 (x>0) カイ二乗分布のパーセント点 カイ二乗分布の右側α%点を χ2α/100 と書くことにする。 ※ 左側β%点は χ2 1 - β/100 と書ける。 信頼水準95% 右側2.5%点 χ2 0.025 = ? 左側2.5%点 χ2 0.975 = ? 【注】 n に依存する カイ二乗分布のパーセント点 2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0.00 0.05 0.22 0.48 0.83 1.24 1.69 2.18 2.70 0.00 0.10 0.35 0.71 1.15 1.64 2.17 2.73 3.33 3.84 5.99 7.81 9.49 11.07 12.59 14.07 15.51 16.92 5.02 7.38 9.35 11.14 12.83 14.45 16.01 17.53 19.02 … 0.025 … χ … 0.050 … χ 2 … 自由度 n χ20.975 χ2 0.950 母分散の推定 ◎ 母集団が正規分布に従う場合(の み) 次の定理によって、 カイ二乗分布を用いる。 【定理】 2 (n 1) S 2 2 は 自由度 n-1の カイ二乗分布に従う 母分散の推定 カイ二乗分布の右側2.5パーセント点 P( 20.975 2 20.025 ) 0.95 (信頼水準95%の場合) つまり よって 2 (n 1) S 2 2 P 0.975 0.025 0.95 2 1 1 2 2 2 P 2 (n 1) S 2 (n 1) S 0.95 0.975 0.025 1 2 0.025 (n 1) S 2 1 2 2 0.975 (n 1) S 2 これに S2 の実現 値 s2 を代入 母分散の推定 つまり (標本の大きさ n 、信頼水準95%の場合) 1 2 0.025 (n 1) s 2 1 2 2 (n 1) s 0.975 自由度 n-1 の カイ二乗分布の 右側2.5パーセント点 自由度 n-1 の カイ二乗分布の 左側2.5パーセント点 2 [例題]母分散の推定 [3] 10世帯の収入の平均と標準偏差を 調べたところ、それぞれ703万円、15 万円であった。 このデータを正規母集団 N(μ,σ2) から の無作為標本と考えて、母分散σ2の 95%信頼区間を求めよ。 [例題]母分散の推定 10世帯の標準偏差が15(万円)だから、 n 10, s 15 225 2 2 したがって母分散σ2の95%信頼区間の上 限・下限は、 (自由度 9 の カイ二乗分布の表を用いて) [例題]母分散の推定 1 下限 = 2 0.025 1 (n 1) s 9 225 19.02 2 106 .5 自由度 9 上限 = 1 2 0.975 (n 1) s 2 1 9 225 2.70 750 .0 [演習] カイ二乗分布を用いた推定 [1] 正規分布に従う母集団から、次のデータ が得られた。 12, 14, 14, 9, 10, 12, 11, 13, 10, 15 母分散σ2の95%信頼区間を求めよ。 区間推定(2) 1. 母分散の推定 2. 母比率の推定 3. 区間推定のまとめ 母比率の推定 母集団の中で、事象Aの比率が p で あるとき、標本の中のAの割合から p を推定する。 母集団分布は、母平均 p, 母分散 p(1-p) p q 理由: Aである要素を1, それ以外 の要素を0と考えればよいから。 0 1 母比率の推定 標本 X1, X2, …, Xn は、 確率 p で値1をとり, 確率 (1-p) で値0をとる 確率変数と考えられる。 標本平均 X の 平均 E(X)=p =母平均 =母比率 分散 V(X)= p(1-p) / n (復習)母平均の推定 母平均μ, 母分散σ2 とする。 標本の大きさ n が大きい場合、 または(nが小さくても) × 母集団が正規分布に従う場合 標本平均 X は正規分布に従う 2/n) /n) N(μ, N( p, σp(1-p) (復習)母平均の推定 (信頼水準95%の場合) x 1.96 n x 1.96 n p p(1 p) x x 「母分散が未知の場合」だが、母比率pで 表されている点が一般の場合と異なる。 ∴標本分散を用いなくても、p の点推定値であ る標本平均の実現値 x を用いて近似できる。 母比率の推定 結局、 (信頼水準95%の場合) x (1 x ) x (1 x ) x 1.96 p x 1.96 n n [例題]母比率の推定(大標本) [1] 自由党の支持率を400人について 調べたところ、支持者は168人だった。 このデータから、自由党の支持率を 95%の信頼率で区間推定せよ。 [例題]母比率の推定 400人中168人が支持だから、 n 400, x 168/ 400 0.42 したがって母比率 p の95%信頼区間 の上限・下限は、 [例題]母比率の推定 下限 = x z0.025 x (1 x ) n 0.42(1 0.42) 0.42 1.96 400 x (1 x ) 上限 = x z0.025 n 0.42(1 0.42) 0.42 1.96 400 0.37 0.47 [演習]母比率の推定 [1] 1997年12月16日、ポケモンの視聴率は 16.5%であった。 このデータは、実は600人のうち99人が見 ていたという事実から計算されたものだっ たとするとき、本当の視聴率を95%の信頼 率で区間推定せよ。 区間推定(2) 1. 母分散の推定 2. 母比率の推定 3. 区間推定のまとめ 区間推定のまとめ (Ⅰ)母平均μの推定 基本(正規 or n大) x 1.96 σ未知(n大) σの代わりに s を使う σ未知(正規 and n小) σ→ s 、 1.96→t分布の2.5%点 n 区間推定のまとめ (Ⅱ)母比率pの推定 x (1 x ) p x 1.96 n (n大) (Ⅲ)母分散σ2 の推定 (正規) 1 2 2 0.025または 0.975 (n 1) s 2 メニューに戻る メニューへ
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