教育的視点からの UML図診断システム 海尻海谷研究室 修士2年 06TA521F 風間 将 1 目次 2 背景 目的 用語説明 システム概要 動作実験 まとめ 問題点 今後の予定 背景 3 ソフトウェア開発の設計段階にUML図を使うこと が多くなってきている 大学の講義等でもUML図の学習が行われている 演習として学生がUML図を描き、教師はそれを採 点・評価する 背景 現状では・・・ – – 提出された図形を採点するのは全て手作業 教師に対して学生の数が多い ⇒ 提出物の1つ1つにコメントを与えるのは 非常に手間がかかってしまう ⇒ 学生へのレスポンスが遅れてしまい 学習効果が低下してしまう 4 目的 UML図の診断をサポートするシステムの構築 – – – 5 提出された図形を機械的に処理する 診断を自動化し、教師の負担を軽減する Webベースのシステムを構築することにより、迅速なレ スポンスを実現する 用語説明 XMI – XQuery – 6 CASEツールから出力される、UML図の情報を持った XMLベースのファイル形式 XML形式のファイル内から任意の要素を取り出すため の照会言語 システム概要 サポート内容 – – 前提となること・・・ – – – – 7 既存の誤りと正解をシステムが認識することで、そのこ とに関する診断を自動化する データを追加することでシステムを拡張していく 今回扱う図形はユースケース図のみ ある問題に対する正解は複数ある可能性がある ある正解に対する誤りが別の正解の誤りとは限らない 提出した図形に誤りがあった場合、学生はそれを修正 して再提出を行う システム概要 診断ルール – – 8 提出された図形はシステム内に保存されている診断 ルールによって診断を受ける 診断ルールはXQueryによって作成される システム概要 診断ルールの例: – 9 「一般ユーザー」と「登録情報を修正する」が繋がってい るかどうかを判別する診断ルール システム概要 10 出力結果 ここからコメントを読み取り、システムで扱う 11 システム概要 ①図形の提出 CASEツールから出力されたXMIファイルを用いる ことで図形の情報を扱うことが出来る しかし、ツールが図形を再現するための座標情報 などの診断に不要なデータも含まれている 独自のデータ形式(簡易表現)へ変換して使う – 12 変換の仕組みはB4の安部君が用意してくれました システム概要 ①図形の提出 13 システム概要 ①図形の提出 14 システム概要 ①図形の提出 15 16 システム概要 ②要素のマッピング 同じ問題について描かれた図形でも、使用する要 素の名前は各人によって異なる 名前は異なるが意味は同じである要素同士をシス テムに判別させる必要がある ⇒ 提出された図形内の要素と、システム内に登録 済みの要素とのマッピングを行い、IDを割り振る 17 システム概要 ②要素のマッピング 18 既存の要素全てに対しマッピングを行う 意味的に重複するマッピング候補はない 19 システム概要 ③正解に関する処理 20 既存の正解図形を基にして判定を行う システム概要 ③正解に関する処理 本システムでいう正解とは、既存の正解図形との 完全一致のことを指す – 21 ここで正解であると判断されると以降の処理をせずに終 了してしまうため マッピングの結果と診断ルールより、 – 使用している要素の数 – 使用している要素の有無 を確認する システム概要 ③正解に関する処理 正解であると判断された場合・・・ – 既存の正解と一致しなかった場合・・・ – – 22 その旨を学生に通知し、処理を終了する 続いて誤りについての診断を行う どの正解に対しての誤りについて診断すればよいかを 判断する システム概要 ③正解に関する処理 使用されている要素が最も近い正解を採用する – 23 「足りない要素」と「余分な要素」の数が最も少ないもの を採用する 24 システム概要 ④誤りに関する処理 25 採用された正解についての誤りを検出する診断 ルールを用いて診断を行っていく システム概要 ④誤りに関する処理 誤りが見つかった場合・・・ – – 既存の誤りがなかった場合・・・ – – 26 その誤りに対応するコメントを通知して処理を終了する 複数見つかった場合は全てを通知する その図形は新出の誤りを含むか、別解の可能性がある 診断を教師の手に委ね、システムはコメント待ちの状態 となる 27 システム概要 ⑤システムの拡張 既存の正解でもなく、既存の誤りも存在しなかった 図形は教師の手によって診断される – 診断の結果から新たな診断ルールを作成し、対応 するコメントと共にシステムへ登録する – 28 その図形が新たな正解であるか、新たな誤りを含んで いるかを判断し、それについてのコメントを通知する 診断ルールの作成は現状、手作業で行っている システム概要 ①~⑤の処理を繰り返すことで、システムが判別 できる正解・誤りは増えていく 教師は同じ正解・誤りに対して二度と採点すること がなくなる 既存の正解・誤りならばその場で診断結果が返る ⇒教師の負担を軽減し、学生に対するレスポンスも 速くすることが可能となる 29 動作実験 実験の目的・・・ – – 30 本システムの支援内容が妥当であるかを検証する 本システムの診断部分が正しく動作するかを確認する 動作実験 実験内容・・・ – – – 31 ホテルのWebサービスについての問題 同研究室のB4に協力を依頼 作成してもらったユースケース図を基に必要なデータを 用意し、誤りがどの程度重複しているかを見る 動作実験 実験準備・・・ – – 32 サンプルとして得られた図形 7個 作成した診断ルール 10個 動作実験 – – 33 – 余分な要素についての誤り・・・4個 足りない要素についての誤り・・・4個 関連についての誤り・・・2個 動作実験 34 動作実験 35 実験結果・・・ 動作実験 36 ほとんどの誤りが複数の図形に含まれるものであ り、半数以上に含まれるものもいくつかあった 実際の講義での学生の人数を考えると、充分な支 援効果があると予想される また全ての図形を手作業で診断し、システムの動 作が正しいものであることを確認した まとめ 37 本システムでは、過去に登場したことのある正解と 誤りを検出することで診断をサポートする 新たに登場した正解と誤りを追加していくことでシ ステムを拡張していく 対象となる学生が多ければ多いほどシステムの支 援効果は向上していく 行った実験により、本システムの支援内容が妥当 であることが確認された 問題点 38 現状、診断ルールは教師が手作業で用意するし かない 複雑な診断ルールが必要となったとき、XQueryに ついての知識が求められる 今後の予定 39 未実装であるマッピングの処理を用意する 診断ルールの生成をいかに行うかを考える
© Copyright 2024 ExpyDoc