知的CAIの基本構成 ① 専門知識 ・・・ 学習の対象となる分野の知識。 教授 方略 ・ 指導 法略 どの様な知識[宣言的(概念的)知識,手続き的知識, 発見的知識,メタ知識]を,どの様に取り扱うか. 学習者 モデル ② 学習者モデル ・・・ 学習者の理解状態や過程など を表現。 専門知識 ・教授知識 ・メタ知識 ③ 教授方略・指導方略 ・・・ 学習者の誤りを診断, 治療などの方法 ④ インタフェース 2015/10/1 インター フェース 学習 者 1 学習者モデル (1) オーバレイモデル (2) バギーモデル エキスパートの知識・推論 学習者の知識・推論 (3) Matzのモデル エキスパートの知識・推論 学習者の知識・推論 2015/10/1 2 (1)オーバレイ・モデル •学習者が理解している知識 •実施している推論 •専門家の知識や推論と同じ。 あるいは, その部分集合(一部) (例) SCHOLAR(Carbonell, P.21) GUIDON (Clancy, 図5-6, P.22 付録B-2 ) * 専門知識と比べることで,何が欠落しているか(できなかった部分) は分かる。 * なぜできなかったかを診断するには不向きとされる。 2015/10/1 3 SCHOLAR(Carbonell(BB&N社))P.21 • 南米地理の教育用システム。 • 学習は,ソクラテス式問答法の対話による 主導権混在型の個人指導 適切な質問を作成, 学習者の解答の正否を決定, 学習者からの質問に対応 • 知識表現は, 意味ネットワーク構造(次図) 2015/10/1 4 南米地理に関する意味ネットワーク構造 (坂元監訳,「人工知能による学習革命」ホルトサンダース,1984) 国 上位概念 上位集合 例 : アルゼンチン 上位概念 位置 隣接国 緯度-22~-55 大陸 : 南アメリカ 上位概念 国 : ブラジル : 緯度 : 2015/10/1 ウルグアイ : 5 GUIDON (Clancy(BB&N社)) P.22 • スタンフォード大学で開発されたMYCIN(感染症診断エ キスパートシステム)の専門家養成のための医療診断 教育用システム。 • GUIDONの専門知識 ← MYCINの専門知識(Dルール) • 教育知識 ← MYCINから分離し, 200個のプロダクション・ルールで構成(Tルール) (機能) 主導権混在型の対話により,学生が正しく問題解 決を行うように指導する。 診断規則を表示, 学生モデル構築, 学生からの質問に応答など 2015/10/1 6 GUIDON (Clancy(BB&N社))② P.22 (a) 専門知識 ← MYCINの専門知識 Dルールとして,450個のプロダクション・ルールで構成 ①感染症の診断の知識 患者の状態観察,病理状態の推論,病原菌の決定 ②治療の知識 (b) 教育知識(指導の知識) ←MYCINのDルールとは独立 Tルールとして,200個のプロダクション・ルールで構成 2015/10/1 7 GUIDONのD・Tルールの例 2015/10/1 8 (2) バギー・モデル 専門家の知識や推論と同じ。 あるいは, その部分集合(一部) • 専門知識の誤った(バグ)理解状態も,学習者の 理解状態と捉える ~ バグのDBを持つ (例) BUGGYシステム(Brown, Burton; 付録B-3) * 専門知識の内容に強く依存するので,一般性の ある理解モデル構築への発展性に欠ける。 2015/10/1 9 BUGGY(Brown,Burotn&Larkin ) P.22 • 算数の基礎的技能を習得するに際して, 学習者の思い違い(バグ)を発見するシステム • 1つの減算という技能を,より細分化された下位の機能に 分解,構造化し, 減算はこれらの機能的な結びつきで行うとして, 正しい演算技能,誤った演算技能を「手続的構造」で知識 表現した。 (P.23 図B-3-1) • 学習者の思い違いは,予め用意された誤った副手続きで を正しい手続きに対応させ置き換えることで表現。 2015/10/1 10 BUGGYの 減算手続 的ネットワーク 2015/10/1 11 (3) Matzモデル • 学習者が理解している知識 • 実施している推論 • 専門家の知識や推論とは異なる。 • 学習者の既存の知識・推論(正しいものだけ でなく,誤った理解も含む)を出発点にしてい る。 (学習者には,学習者の理解・推論がある) 2015/10/1 12
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