ネットワークトポロジを反映したオーバレイネットワー

ネットワークとノードの情報を利用した
オーバレイネットワークの最適化
環境情報学部 仲山 昌宏
[email protected]
本研究の目的
ネットワークやノードの状態に基づいて構
成を動的に変更し、オーバレイネットワー
クを効率化する。
複数の中経者を介在した通信において
パフォーマンスの低下を低減させる。
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2002年度卒論最終発表会
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研究の背景
匿名の必要性
 匿名サービスの普及
 匿名掲示板、エスクローサービス
 匿名にしたい理由
 悪意を持つ人から自分の情報を守る
 ネットワーク上での行為と実世界の個人を隔離
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研究の背景
オーバレイネットワークによる匿名通信路
サーバを利用する匿名サービスの限界
 利用者の情報が集中
 転送量の増大
オーバレイネットワークによる匿名の提供
 直接通信をせず、第三者が中継転送を行う。
 ネットワーク上で個人を識別する唯一の識別子と
なるIPアドレスを隠匿することができる。
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研究の背景
オーバレイネットワークによる匿名通信路
データの転送に中継を利用する。
B
A
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研究の背景
匿名通信路の特徴と問題点
実時間性の高い通信を対象としている。
 チャット(数秒)
 掲示板(数分)
直接通信を行う場合と比べ、中継を行うノードや
そこに至るネットワークの影響を受けやすい
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関連研究
 Gnutella
 Ultrapeerによる二段階の階層化
 測定による接続先ノード選択
 Winny
 帯域幅による階層化
 キーワードによるクラスタ化
 P2Pストリーミング
 配信ツリーの動的構成
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関連研究の比較
転送
ノード
ネットワーク
Ultrapeer
直接
階層化
-
測定による
接続先選択
Winny
直接
稼働時間
ホップ数
中継転送
-
P2P
中継転送
帯域幅
キーワード
-
-
ストリーミング
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手法
ノードやIPネットワークの状況に応じてオーバ
レイネットワークのノード間リンクを最適化
 Hop数
 帯域幅
 処理性能
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手法
「ノード間のリンク」を対象
 情報の検索は対象外
 キャッシングやメッセージの経路制御は対象外
最終的に、近いノード同士でクラスタを構成する
ことを目指す。
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設計
ノード情報の交換と測定によってリンクを変化さ
せる。
C
D
:IP Network
:Link
B
:NodeAdv
:Measurement
A
E
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設計
動作概要
1.
2.
3.
4.
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新しく接続したノードAはノード広告メッセージを
オーバレイネットワーク上に送出する。
ノード広告メッセージを受信したノードBはノードA
に対し測定を行う。
ノード広告メッセージに含まれるノード情報と測
定結果から優先度を算出
既存のリンクよりも優先度が高ければ接続
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設計
初期状態(接続直後)
C
the Internet
A
D
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B
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設計
1. ノード広告メッセージ送出
NodeAdv MSG
ノード情報
the Internet
A
D
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B
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C
設計
2. 測定
C
the Internet
A
測定!
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D
測定結果
Hops: 3hop
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B
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設計
3. 優先度を算出
C
the Internet
A
D
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Node: A
優先度: ~~
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B
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設計
4. 優先度が高ければ接続
C
the Internet
A
D
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B
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設計
5. 最適化の例
C
the Internet
A
D
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B
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システムの設計
Application
Message
Procedure
Link Buffer
Msg
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Node Buffer
Control
Result
Link
Manager
Measurement
Module(s)
Other Node(s)
Target Node
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実装
 手法を評価するためのプロトタイプを実装
 オーバレイネットワークの構築
 ノード広告メッセージの送出
 ネットワーク状態の測定
 リンクの動的変更
 Unix環境で動作
 FreeBSD(4.7)、NetBSD(1.6)、Linux(Vine-2.1.5)
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運用実験
 実環境上で実験を行い、効率化が機能するこ
とを確かめた。
 RGNet上のホスト
• ec.sfc.wide.ad.jp
• jam.sfc.wide.ad.jp
 自宅のホスト(128kbps)
• omoikane.uryusoft.net
 WIDE Network上のホスト
• sh.wide.ad.jp
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自宅
運用実験
omoikane
the Internet
WIDE藤沢
jam
RG-Net
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ec
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sh
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運用実験
 オーバレイネットワークが、IPネットワークのト
ポロジに近づくように効率化された。
 実装を進める上でいくつかの問題が浮上した。
 ノード情報がうまく反映されるかは、より大規模な
実験が必要。
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定性評価
転送
ノード
Ultrapeer
直接
階層化
ネットワーク
-
測定による
接続先選択
Winny
直接
稼働時間
ホップ数
中継転送
-
P2P
中継転送
帯域幅
キーワード
-
ストリーミング
本システム
中継転送
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帯域幅
処理性能
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ホップ数
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今後の課題
 実装中に明らかになった問題の解決
 ノード広告メッセージのルーティング
 ノード広告のタイミング
 より良い測定手法の確立
 匿名通信路に利用するためのライブラリ化
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おわり
 ご静聴ありがとうございました。
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おまけ:その他スライド
研究の概要
 匿名通信路の実現に必要な、効率化された
オーバレイネットワークが必要である。
 ノードやIPネットワークの情報を利用してオー
バレイネットワークを動的に組み替える機構を
提案する。
 この機構が有効であることを示すプロトタイプ
を実装し評価を行った。
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修士研究計画
「仮想ネットワーク上で匿名性と相手の特定を両
立するシステムの構築」
 匿名性を保ったまま特定の相手との間に暗号通
信路を提供するシステム
 匿名性を提供するために、オーバレイネットワーク
上の中間ノードが通信の中継を行う。
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修士研究計画
中継者による匿名性の実現[往路]
! B 22.22.22.22
Src: A [44.44.44.44]
Src: A [11.11.11.11]
Dst: ?
Mes: Search Query
Dst: ?
33.33.33.33
C
Mes: Search Query
D
44.44.44.44
Src: A [33.33.33.33]
Dst: ?
A 11.11.11.11
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Mes: Search Query
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修士研究計画
中継者による匿名性の実現[復路]
B
22.22.22.22
Src: B [22.22.22.22]
Src: B [33.33.33.33]
Dst: A [11.11.11.11]
Mes: Response
Dst: A [44.44.44.44]
33.33.33.33
C
Mes: Response
D
44.44.44.44
Src: B [44.44.44.44]
Dst: A [33.33.33.33]
A 11.11.11.11
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Mes: Response
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C
中継者が遠い場合
the Internet
A
D
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B
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中継者の持つ帯域が
細い場合
the Internet
A
C
D
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B
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中継者が
高負荷の場合
the Internet
A
C
D
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B
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最適化された状態
the Internet
A
D
C
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B
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運用実験
 優先度の計算式として以下を設定
優先度 = -8 × ホップ数
+ log10 (帯域幅)
+ 負荷( load )
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設計
IPマルチキャストによるノード探索
1.
2.
3.
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ノード探索メッセージを、IPマルチキャストで特定
のマルチキャストアドレスにTTL=1で投げる。
ノード発見メッセージが帰ってきたらそのノードに
接続する。
時間内に帰ってこなければTTLを徐々に増やして
再びノード探索メッセージを投げる。
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アプリケーションの分類
動的なデータ
ICQ, MSNメッセンジャー
Groove
ShareCast, PeerCast
間
接
(
Winny 中
継
)
直
接
Napster/WinMX
Gnutella
Freenet
静的なデータ
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設計
6. 最終目標
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研究の背景
クライアント・サーバの限界
 利用者の情報が集中
 格好の攻撃対象
 運営の不備による漏洩
 転送量の増大
 利用者数の増加
 一人あたりの帯域幅の増加
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研究の背景
オーバレイネットワークの登場
IPネットワークの上にTCP等を利用して構築さ
れたアプリケーションによるネットワーク
 ファイル共有: Napster/WinMX, gnutella
 匿名ファイル共有: Freenet, Winny
 ストリーミング: ShareCast, PeerCast
 グループウェア: Groove
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評価

定性的評価


IPネットワークのトポロジに近いネットワークを構成できて
いるかどうか
定量的評価
ノードが増減した場合にネットワーク構成の最適化に要す
る時間
 ノード広告メッセージの転送とホップ数測定に要するトラ
フィック
 繋ぎ変える機構を採用しない場合とのホップ数やスルー
プットの差異

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関連研究1
Gnutella
Ultra
P2Pサービスにおける物理ネットワークを考慮し
た論理トポロジー構築手法
 gnutellaを利用
 Hop数と生存時間から最適なノードを選択
 帯域幅等のノードの情報を無視している。
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関連研究2
Winny
 匿名性を実現するファイル共有アプリケーション
 自己申告した帯域幅によるツリー状の階層化と、
指定したキーワードのマッチングによるクラスタリ
ングを併用
 IPネットワークのトポロジを無視しているため偶然
に大きく左右される。
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2002年度卒論最終発表会
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