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土を知る
土はでき方によって性質が異なる
岩
普通の土壌のでき方
岩
普通の土壌のでき方
根釧の土壌
根釧の土壌
●火山性土(80%)
●低地土(10%)
●泥炭土(10%)
陸地
河川
低地土のでき方
・洪水
・河川の蛇行など
低地土のでき方
・洪水
・河川の蛇行など
低地土のでき方
低地土のでき方
泥炭土のでき
方
泥炭土のでき
方
泥炭土のでき
方
泥炭土のでき
方
摩
周
養老牛
中春別
海
厚床
火山性土のでき方
摩
周
養老牛
中春別
海
厚床
火山性土のでき方
摩
周
養老牛
中春別
海
厚床
火山性土のでき方
摩
周
養老牛
中春別
海
厚床
火山性土のでき方
摩
周
養老牛
中春別
海
厚床
火山性土のでき方
未熟火山性土
黒色火山性土
厚層黒色火山性土
根釧の火山性土
牧草
収量
少
多
仮
比
重
リ
ン
酸
吸
収
係
数
有
効
態
リ
ン
酸
交
換
性
カ
リ
ウ
ム
未熟火山性土
大
小
大
小
黒色火山性土
↓
厚層黒色火山性土
小
↓
大
↓
↓
小
土壌の種類に応じた
診断基準
土壌養分と牧草生産性の実態
大
土壌pH
未熟火山性土
7.4
pH(H2O)
7.0
黒色火山性土
厚層黒色火山性土
6.6
6.2
5.8
0
2
4
6
8
10
炭カル量(kg/土壌1t)
土壌の種類とpH緩衝曲線
(根釧農試,1987)
厚層黒色火山性土(標津301地点)
6
未熟火山性土(虹別76地点)
5
造
成
年
5
10
15
草地造成後の経過年数
(年)
20
草地造成後の経過年数と土壌pHの実態
(根釧農試,1987)
リン酸
100
95%
90%
80
年間生草収量指数*
未熟火山性土
60
100
80
黒色火山性土
60
100
80
厚層黒色火山性土
60
0
50
100
ブレイNo.2 P2O5.(mg/100g)
年間生草収量に対する施肥反応によって設定したリンの土壌診断基準値
減肥(4-5kg/10a)
標準施肥(8-10kg/10a)
土壌診断基準値
(三枝ら,1990)
ブレイNo.2
小
Km-4a
Me-a
Km-2a
Ya
大
Km-1f
Ma-f1
60
40
20
0
20
無機態
P2O5増加量 (mg/100g)
100
80
リン酸吸収係数
40
1
2
Ca
3
Al
60
80
4
Fe
100
リン酸吸収係数の異なる火山灰におけるブレイNo.2
と形態別無機態リン増加量の関係 (三枝ら,1990)
リン酸添加量:1、2、3、4の順にそれぞれ10、20、40、80mgP2O5/100g
チモシーの P2O5吸収量 mg/pot
y=x
200
100
0
100
200
ブレイNo.2 P2O5 mg/pot
0
100
200
無機態 P2O5 mg/pot
土壌からの減少量
栽培前後の土壌からのリン減少量とチモシーのリン吸収量の関係
△,未熟火山性土;
○,黒色火山性土;
●,厚層黒色火山性土
(根釧農試,1987)
主要火山性土におけるリンの土壌診断基準値とそれに基づくリン施肥量
判定区分
基準値
基準値以上
項目
土壌
土壌診断基準値
(mg P2O5/100g)
未熟火山性土
黒色火山性土
厚層黒色火山性土
30未満
20未満
10未満
30-60
20-50
10-30
60以上
50以上
30以上
年間リ ン 施肥量
(kg P2O5/10a)
共通
12-16
8-10
4-5*
* 減肥は少なく と も 3年間継続でき る
基準値未満
カリウム
チモシーのカリウム吸収量(mgK
チモシーのカ リ 吸収量 K Omg/pot
2O/pot)
未熟:仮比重大
チモシーのカ リ 吸収量 mg/pot
600
400
200
600
400
200
厚層:仮比重小
0
0
40 0
0
10
20
30
100
200
300
交換性カ リ 含量 K Omg/100g
交換性カ リ 含量 K Og/m2O/pot)
交換性カリウム含量(mgK
2O/100g) 交換性カリウム含量(mgK
ポット当たりのカリウム量が同じならカリウム吸収量も同じ
△,未熟火山性土;
○,黒色火山性土;
■,厚層黒色火山性土
(三枝ら,1990)
100
90
*
年間乾 物収量指 数
80
70
60
**:年間カリ供給量Ks kg/10a
50
Ks = Kn + Ka
40
Kn,早春施肥前0-5cm土壌中の
交換性カリ量 (kg/10a)
30
20
Ka,年間カリ施肥量 (kg/10a)
10
0
0
10
20
30
40
50
60
年間K 2O 供給量** kg/10a・0~5cm
牧草への年間カリ供給量と年間乾物収量との関係(1983~1985年)
△:未熟火山性土 ○:黒色火山性土 ■:厚層黒色火山性土
*:各年度における各草地の最高収量を100とした。
(三枝・能代,1996)
カリウム
カリウム
肥料
施肥カリウム
kg/10a
火山性土の
種類によらず
22kg/10a
交換性カリウム
kg/10a(0-5cm)
土壌
ただし、仮比重が火山性土ごとに異なるから
<土壌診断基準値>
未熟火山性土 7-9mg/100g
黒色火山性土
9-12 mg/100g
厚層黒色火山性土 10-13mg/100g
土壌カリウム 4 kg/10a
+施肥標準18g/10a = 22 kg/10a
土壌診断に基づくカリウムの施肥対応
草地の維持管理時における土壌診断基準値(抜粋)
診断基準 (0-5cm土壌)
診断項目
未熟火山性土 黒色火山性土 厚層黒色火山性土 低地土・台地土 泥炭土
pH(H2O)
5.5-6.5
30-60
有効態リン酸
150-300
交換性石灰
20-30
交換性苦土
7-9
交換性カリ
5.5-6.5
20-50
200-400
20-30
9-12
5.5-6.5
10-30
300-500
20-30
10-13
(単位 )
5.5-6.5 5.5-6.5
20-50
30以上 mg/100g
200-450 400-800mg/100g
10-20
30-50 mg/100g
15-20
30-50 mg/100g
(北海道施肥ガイド,2002)
草地土壌の特徴
毎年の維持管理は表面施用
土壌養分含量
層
位
耕起・攪拌は更新時のみ
深
高
採土深の注意
< 調査目的 >
1.維持管理時の施肥設計・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0~5 cm
2.草地更新時の土壌改良資材算定
・・・・・・・・・・・・耕起時に表層15cmになる層
耕起前
耕起後
改良対象土層
ここの層を
採取する
調査対象土層
新草地表層
耕
起
深
旧草地表層
草地更新時における土壌分析の対象となる土層 (根釧農試,2007)
土壌採取地点の注意
A-01
枕地になるような
端っこは取らない
圃場の対角線上を歩きながら、面積に応じ数個から
十数個採取して、一袋にまとめる
(ふんや堆肥の塊が入らないように)
(根釧農試,2007)
土壌採取時に土を区分する
火山性土か? 低地土か?
泥炭土か?
迷ったらスコップで掘る