ATLAS実験における高速トラッキングトリガー システム

ATLAS実験における高速トラッキングト
リガーシステムの開発研究
木村直樹, 寄田浩平,
早稲田大学 理工総研
for ATLAS-FTK Group
日本物理学会 2009年秋季大会
9月10日
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高速トラッキングトリガー(FTK)
LVL1 accept のPixel/SCTのヒット情報から飛跡を再構成し、2GeV以上の全ト
ラックの方向,Pt,インパクトパラメータ,などを高速にLv2に送る。
Calo
Muon
Pixel/SCT
LVL1
Trigger
ROD
ROB
RoI
ROD
ROB
LVL2 CPU Farm
ROD
ROB
Full Pixel/SCT
Hits received @
50KHz~100KHz
FTK
High quality track
(PT > ~2 GeV)
Not only RoI
2013年稼動にむけて開発研究中であり、現在TDRを執筆中。
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FTKの目的
現状のデザインでは、トラッキングはLVL2とその下流で行われる。そこに
FTKがLVL2に全領域のトラック情報をあたえることによって:
•impact parameter(isolation)を使ってbクォーク(τ)を識別することにより、
膨大な量のQCDを破棄することができ、LVL2のインプット幅を増やせる。
結果マルチジェットトリガーのPt閾値を下げられる。
例:
* ダウンタイプへの結合が
大きなtanで強調される。 LVL1,4jet triggerのbandwidthを増やせ、4jet triggerの
Et閾値が50 GeVから30GeVに下げることが可能。
•ROI以外のオブジェクトをLVL2 decisionに使える。
•LVL2でトラッキングしない分LVL2を他の事に使える。
•などなど
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FTKシステム
8 region (~45°/region)
11レイヤー
(3pixel + 8 SCT)
Pixels & SCT
FTK
RODs
Data Formatter
(DF)
Hit
Super Strip
Data Organizer
(DO)
Associative Memory
(AM)
Road
Raw data
ROBs
Track Fitter
(TF)
X8 (each region)
Track Data
システム上FTKではこれらのプロセスを1~2ms以内に行わなければならない!
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プロセス時間の見積もりが必要。
この発表のメインテーマ
Data Organizer (DO)
6DO/region を仮定。 40MHz サイクルでヒットをスーパーストリップへ処理(FIFO)
11 layer を 6DOでカバーするので、基本的に1DOが2 layerのヒットを処理。
全てのヒット情報を保持する。
DO
DO
layer
DF
DO
DO
AM wait all hits
AM
DO
bias
Unbias DO
Processing time
Average # of hit
biased # of hit in DO make delay.
ヒット
スーパーストリップ
ヒット数(pixel layer3)
ヒット数は平均
750 hits / layer
1DOに1500 Hits
入射で ~10 μsec
790 hits
34
WHbb
10
5
Associative Memory (AM)
FTK
Data Formatter
(DF)
Hit
Super Strip
Data Organizer
(DO)
Associative Memory
(AM)
Road
Track Fitter
(TF)
X8 (each region)
Track Data
6
Associative Memory (AM)
12 AM/regionを仮定。 40MHzサイクルで Roadを評価。
DOからの全てのヒット情報を取得後Roadを評価。
FIFO
SS
6 DO
AM
pattern
AM
... 12 AM boards
Road
DO
それぞれのAMには 2(5) M pattern のRoad が入っており、DOからのスー
パーストリップがマッチしたroadを出力する。
DO
layer
Road
AMはRoadを作るために全てのヒット情報を待つためプロセス時間に大きく影響!
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DO Second Phase
FTK
Data Formatter
(DF)
Hit
Super Strip
Data Organizer
(DO)
Associative Memory
(AM)
Road
Track Fitter
(TF)
X8 (each region)
Track Data
8
Data Organizer: Second Phase
6DO/regionを仮定。 AMからのRoadを関連する保持して
いたHitsと共にTFに40MHz サイクルで出力する(FIFO)。
Each layer’s
Road and Hits
Road
AM
DO
DO
DO
DO
TF
DO
DO
基本的に次にくるTrackFitterに時間がかかるので、
プロセス時間にはあまり影響しない。
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Track Fitter(TF)
FTK
Data Formatter
(DF)
Hit
Super Strip
Data Organizer
(DO)
Associative Memory
(AM)
Road
Track Fitter
(TF)
X8 (each region)
Track Data
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Track Fitter (TF)
DOからのRoadと関連したヒットをフィットしてトラックの情報を得る。
1TFに6GigaFitterを仮定。1GagaFitterは1GHzでフィットを行う。
Each layer’s
Road and Hits
TF
Track 情報
GigaFitter
GigaFitter
DO
x 8 Region
GigaFitter
GigaFitter
GigaFitter
GigaFitter
layer
Road packet Assembler
and Fit distributor
6 Giga fitter
1イベントで平均200 kFit
(スーパーストリップサイズ
に依存)
平均40 μsec 程度のプロセス
時間
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Track from FTK
Track Efficiency や Fitの数はSS size
とAMに収められるpatternの数に依存
する。
小さいSS
大きいSS
全layerにhitを要求
Hitなしlayerを許容
今回のシュミレーションでは5mm(2M pattern 90% Track Eff)程度のSSサイズを使用
(大プロセス時間)。 最終的には500μm (20M pattern)程度になる予定。
FTK
Offline
 FTK   iPAT  30
FTK
Offline
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プロセス時間の見積もり
このようなプロセス時間を正しく見積もれるか?
データのあるCDFも同じようなTrackingTrigger(SVT)があるのでそれでチェックする。
プロセス時間(データ - シュミレーション)
プロセス時間
Processing time (μsec)
Date 読み出し上でのフェイク
今回のシュミレーション ー
Data
ー
CDFのデータとシュミレーションの結果は良く一致!
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Total FTK processing time
(DO/AM/TF only)
8region でそれぞれシュミレーションの情報を使いプロセス時間をみ
つもり、最も遅かった region をトータルのプロセス時間とした。
An example: Single muon MC no pileup
An example: WHbb 1034
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FTK processing time
WHbb 1034 MC
• Peak: ~ 0.15 ms
• 57% is within 1 ms
• 74% is within 2 ms
• 86% is within 5 ms
• 4% is over 10 ms
• Max 24 ms
プロセス時間の長いテールリージョンの
イベントは膨大な数のfitに依存する。
すなわち、ほとんど #fit/ 6 GigaFitter x
1 ns がプロセス時間。 つまりGigaFitter
の数を2倍にすれば、プロセス時間は
1/2.
これは最悪ケースをシュミレーションしただけ。
実際には、ボードの構成やシステムの改良を最適していく。
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Event Examples
プロセス時間が長いイベントの例
The slowest event (23ms)
2ms
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Summary
• FTKの開発研究は順調に進んでいる。
• 11月末にTDRが完成する予定。
今後の予定
• 11月の衝突データを有効利用。
• L2 トラッキングとの比較。
プロセス時間研究の今後の予定
• マルチジェットMCでのプロセス時間の研究(lum1033,34,35)。
• FTKシステムの構成の最適化。
• Event buffer size の研究。
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