CDF実験の最新結果

ATLAS実験における
Fast TracKer (FTK) の開発研究
~ A Hardware Tracking Trigger at LVL1.5 ~
寄田浩平
For ATLAS-FTK Group
早稲田大学理工学術院
(ATLAS-Institute: U of Chicago)
JPS@立教大学
On March 29th, 2009
FTKの概要
> ATLAS Upgrade Project (Not strictly linked to phase X upgrade)
- LHCのHigh Luminosity Runに向けて(Target Year: ~2012)
- 2008年3月にR&Dは正式承認されている。(開発期間1年延長)。
- 現在、研究開発を進めると共にTDRを執筆中、1年以内に提出予定。
> 参加研究機関
- U of Chicago, Harvard Univ、Illinois Univ.(米国)
- INFN Pisa、Rome, Frascati (イタリア)
- [早稲田大学(日本)]
から実働は10人以下、、。
> FTK: Hardware Tracking Trigger System @ “LVL1.5”
-
Pixel/SCTからのヒット情報から飛跡を再構成。(Standalone)
On LVL1 Accept, 質の良いTrackをLVL2にできるだけ早く(<1ms)供給
CDFのSilicon Vertex Trigger(SVT)の発展版
極めて困難なことは承知 → 新しい領域への一つの挑戦!
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LVL1.5とは? 【模式図】
Calo
Muon
Pixel/SCT
No Tracking info.
for LVL1 decision!
LVL1
Trigger
L2の初段階、1ms以内で
ROD
ROD
質の良いトラックを供給
2nd output
* L2 DeadTime は、
ROB
1st
ROB
output
L1Rate x T(L2-Decision)で成長!
RoI
Very Low Impact
on current DAQ
ROD
Full Pixel/SCT
Hits received @
50KHz~100KHz
FTK
ROB
LVL2 CPU Farm
Basically, no change needed in LVL2
High quality track
(PT > ~2 GeV)
Not only RoI
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構築、挿入、運転の予定
FTK挿入目標
Phase I
Upgrade
Phase II
SLHC
FTKの利点:
→ >1034でも5年以上安定
したデータ供給と変化しうる
物理課題への柔軟な対応
→ Phase IIのDelayへの保障
(ほとんどのHW Upgrade
ProjectはPhaseIIを意識)
→ sLHCへの貢献、繋がり
→ FTKをUpgradableに
作るのも重要な研究
課題の一つ(未着手)。
Collimator
←1x1034
2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
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Pixel/SCT
FTKの内部構成(概念図)
RODs
 LVL1 Rate : 50-100KHz
# of readout lines/DF
S-link # of region (sector,crate)
# of hits/event
 # of DFs
DF
DF
DF
 # of cluster/event
LVDS-link
←VME完成
イメージ
*これはCDF
のSVTです。
 Size of SuperStrip
& Required coverage * それぞれのステージで
DO
DO
AM
DO
 Size of Pattern Bank I/Oの数や ボードの数、
and # of AM boards
そのスペックを様々な角度
Roads
から決定する必要性。
Road+Hits
# of TF, performance of RW-HW. → 現在はシステム全体の
Fitting time per/track.
最適化の段階であり、ボード、
RW-HW
1) # of tracks/event
チップの開発と共に、FTKSim
TF
2) # of roads/track
(Athenaで走らせることも可能)
3) # of combination/road
と呼ばれるSimulation Toolで
Track data  Total # of fit/event = 1) x 2) x 3)
開発がされている段階。
ROBIN
Rate for fit (LVL1 x N of fit/event)
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FTKで重要な事、難しい事
1.Signal Efficiency
2.Fake Rate
3.Resolution
4.Physics Impact
→ 決めるべき要素:
-
Region: 検出器の区切り方(Crateの数)
Sector: 第1パターン認識 (Moduleの組合せ)
SS Size: パターン認識→Pattern Bankのサイズ
Constant Quality: Track Fittingの質
最も重要な要素はプロセス時間(Timing)!
Pixel/SCT Hit
design/spec.,clock,,,
Given a certain design/spec.,clock,
T Process
hits
=F(Nhits
,
Bottleneck部分の洗い出し
ルミノシティー依存性を検証
現行HLTとの比較
clusters,
Nclusters
,
fits, …
Nfits
, …))
Event毎のTiming
最適化するための反復
システムデザインに反映(変更)
* しかし、現状はシステムデザインも未だ議論中かつ“実データ”もない!
→ ハードウェアシミュレーションもできない → 信頼性と現実味に欠ける。
→ 第一段階: CDFのSVTを用い、方法論の検証と実行性を確認。
Silicon Vertex Trigger (SVT) @ CDF
30
°
Z
SVT Timing Calculation
x 12 phi sectors
Hit Finders
raw data from
SVX front end
COT tracks
fromXTRP
Merger
2 AM++
AMSRW
road’s
hits
roads
Final
merger
hits
TF++
12 fibers
tracks
hits
Ghost
buster
L2
SVT
RX
hits
HB++
tracks
Xs
Xs
L1A
SVX hit
Xs
HF hit
Xs
Xs
AMSRW
Hits EE
AMSRW
Roads EE
Xs
Xs
TF in
TF out
Time
GB EE
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SVT Timing の簡単なモデル
wedge
wedge
T= a*Max(Nhit)+b*Max(Nfit)+c
Measured (data) > /Hit loading time: 30-45ns
Predicted
←BAD!
←GOOD!
> /Fit execution time: 25-300ns
などなど、、、(詳細省)
単純なモデルでも、重要なパラメータ
をおさえれば、ヒット数、フィット数など
の関数で実データを再現可能なことが
わかった。
特にTiming分布の平均、幅、Tailの
特性とそのルミノシティー依存性を深く
理解する必要がある。
SVT Mean = 20~25μs
* FTKの目標は数百μs (<1ms)
今後はより詳細化して、いくつか
のアルゴリズを検証する予定。
→ FTKに応用する。
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現状のパフォーマンス、問題点など
Impact Parameter Resolution
Single μ Sample
No Pileup but RH
ー FTK
ー IPAT
Impact Parameter
WH Sample
@10^34
FTK:
σ=~90μm
IPAT:
σ=~70μm
←20μm
Caveat ! Very Preliminary - Studies still underway !
問題点: SCTモジュールにGeometrical
なオーバーラップがあるため、同じ層内
でも二つのモジュールにヒットがある。
→ パターンのサイズが増える。
→ 一つの飛跡に対して、ふたつ以上の
パターン認識がされる。
*これらを抑えるアルゴリズムが必要。
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物理へのインパクトの例を一つだけ
> 信号: bbH/Aの場合
4jet Triggerの閾値(e.g. 50,70,100GeV)
が高いため、低い(< ~ 200GeV)質量の
Higgsのピークが消される!
→ 終状態は4つのb quark jetを含むため、FTKが供給するトラックの
情報から早い段階(LVL2の頭)で同定が可能となる。
→ Et閾値を下げて(55→30GeV@LVL1)、b jet tagの要請付加で回復!
そのほかにも、Electron/gamma/muonなどに適用したときの
改良度合いをみたいが、ただ単に手が回っていない状況。
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纏めと今後の課題
> FTKは質の高いトラックをLVL2のはじめ1ms以内で供給
- LVL1閾値を下げることが可能。
- LVL2のPC farmはもっと洗練されたアルゴリズムを使える!
- RoI以外のオブジェクトの利用の可能性。
> 新現象の性質解明は様々なチャンネルで見ないと×
→ bjetやτのようなあまり綺麗でない事象もとても大事になる。
> b jet/τのみならず、FTKの情報はe/γ/μにも利用可能
→ 単純に、トリガーロジックにFTKの情報を入れ込んで、DAQの質が悪くなるわけない!
今後の予定
> FTK Timing study用のソフトウェア開発 → デザインの最適化を行う。
> TDRを仕上げる(なるべく早く。一年以内)。
→ 現行のHLTのトラッキングと比較し、FTKによる恩恵を定量化、説得。
→ If Approved → そこから3年後(2012年内)のコミッショニングを目指す。
→ その後はFTKの力をフルに利用した物理解析が可能!
2018年頃のsLHCへ向けた増強計画に対して、Intermediate Upgrade Project
として開発構築し、第一段階のHigh Luminosity(~1034)に備えることが重要。
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