循環型社会と環境経営 システム

Part Ⅳ
循環型社会と環境経営システム
~利益を生みだす資源・廃棄物対策~
宇田環境経営研究所 所長
環境カウンセラー
大阪環境カウンセラー協会副理事長 宇田 吉明
1
講師プロフィール(宇田吉明)
1947年 神奈川県川崎生まれ
1970年 早稲田大学理工学部機械科卒業
明治製菓に入社、食品・医薬品のエンジニアリングに従事
本社食料生産部次長、大阪工場工務環境室長・環境管理責任者を歴任
「メルティキッス」 「プッカ」 「ガルボ」「ポルテ」「フラン」等の新製品開発に関わる
大阪工場で省エネ及びゼロエミッションで農林水産大臣賞受賞に貢献
2000年 摂南大学非常勤講師(地球・環境資源論)
宇田環境経営研究所設立 事業者の環境経営支援、省エネ・廃棄物・化学物質対応等支援を開始
履歴
公益社団法人オイスカ 幹事・環境部会長
特定非営利活動法人大阪環境カウンセラー協会 副理事長(事業部門長)
大阪市環境経営推進協議会 事務局
大阪市なにわエコ会議 環境に配慮した企業部会長
EA21地域事務局大阪 普及委員長、判定委員長、運営委員
大阪市環境審議会委員(地球温暖化防止条例検討委員会委員)
大阪府・大阪市・京都市の環境マネジメントシステム第三者監査員(アドバイサー)
資格
環境カウンセラー、 (中小企業診断士)、建築士、エネルギー管理士、公害防止管理者、
EA21審査人、EMS審査員、他
著書
2000年
2004年
2004年~
2006年
2008年
2010年
2013年
2
明治製菓大阪工場時代
~ゼロエミッション達成~
ゼロエミッション達成で産廃費用3000万円を1500万円に
省エネ&ゼロエミッションで食品工場初めてとなる農林水産大臣賞受賞
3
本日の内容
■前半(リスクマネジメントとしての廃棄物対策)
 ごみと種類
 循環型社会推進基本法関連法(廃棄物処理法、各リサイクル法)
 大阪市一般廃棄物規制
 水銀条例と水銀による環境の汚染の防止に関する法律
■中盤(環境経営における資源・廃棄物対策)
 環境経営システムによる廃棄物対策推進
 非ごみ三原則で進める廃棄物削減
■後半(利益を生み出す資源・廃棄物対策)
 廃棄物の再資源化事例
 マテリアルフローコストによる廃棄物費用見直し
■再資源化業者一覧表
4
リスクマネジメントとしての廃棄物対策
5
循環型社会に向けた関連法制
廃棄物処理法
 廃棄物の排出事業者に最終処分の確認を義務付け
資源有効利用促進法
環
境
基
本
法
循
環
型
社
会
形
成
推
進
基
本
法
(改正リサイクル法)
 自動車等の部品再利用, 家電の省資源設計を義務付け
家電リサイクル法
家電4品目について小売業者に引き取りをメーカーに再資源化を義務付け
小型電子機器リサイクル法
 レアメタルの再資源化促進(公布 H24.8.10 施行 H25.4.1)
自動車リサイクル法
自動車メーカー及び関連事業者に再資源化を義務付け
容器包装リサイクル法
プラスチック, 紙等の容器再資源化を義務付け
建設リサイクル法
 建設工事に伴う建設副産物の再資源化を義務付け
食品リサイクル法
 食品関連事業者に食品廃棄物発生抑制と再資源化を義務付け
グリーン購入法
国等に環境への負荷が少ない物品の調達を義務付け
6
ごみ(廃棄物)とは
廃棄物
(不要物であって固形状、
液状のもの)
一般廃棄物(産業廃棄物以外のもの)
産業廃棄物
爆発性、毒性、感染性など
人の健康又は生活環境に
係る被害を生ずるおそれが
ある廃棄物
特別管理廃棄物
産業廃棄物
一般廃棄物
7
廃棄物の分類
廃棄物:汚物または不要物であって,液状または固形状のもの
一般廃棄物
特別管理
一般廃棄物
PCB使用部品
ばいじん
感染性廃棄物
その他の
一般廃棄物
家庭廃棄物(ごみ、し尿)
事業系一般廃棄物
処理責任:市町村
廃棄物
(法で定めた産業廃棄物
以外の廃棄物)
(法で定めた産業廃棄物)
産業廃棄物
処理責任:排出者
↓
有価物
委託
特別管理
産業廃棄物
その他の
産業廃棄物
廃油
廃酸
廃アルカリ
感染性廃棄物
特定有害産業廃棄物
運搬費用を差し引いても有価 (法対象外)
(PCB,飛散性石綿等)
特別管理廃棄物;一般廃棄物及び産業廃棄物のうち爆発性,毒性,感染性,
その他,人の健康又は生活環境に係る被害を生ずる恐れのある性状を有するもの
8
産業廃棄物の種類
あ
ら
ゆ
る
事
業
活
動
に
伴
う
も
の
排
限出
定さ
され
れる
る業
も種
の等
が
そ
他の
1
燃え殻
石炭ガラ,活性炭,焼却炉の残灰など各種焼却かす
2
汚泥
排水処理汚泥,建設汚泥など各種泥状物
3
廃油
鉱物性油・動植物性油を問わず、すべての廃油
4
廃酸
無機性・有機性を問わず、すべての酸性廃液
5
廃アルカリ
無機性・有機性を問わず、すべてのアルカリ性廃液
6
廃プラスチック類
個体・液体を問わず、すべての合成高分子系化合物
7
ゴムくず
天然ゴムくず(合成ゴムは廃プラスチック類)
8
金属くず
鉄くず・アルミくずなど不要となった金属
9
ガラス・コンクリート・陶磁器類
ガラス,耐火レンガ,陶磁器,コンクリート,石膏ボード等
10
鉱さい
製鉄所の炉の残さい等
11
がれき類
工作物新築・改修・除去に伴うコンクリート・レンガの破片等
12
ばいじん
ばい煙発生施設,焼却施設で発生したもの
13
紙くず
建設業,製紙業紙,パルプ製造業,紙加工品製造業、新聞業、
出版業、製本業、印刷物加工業に限る
14
木くず
建設業,木材又は木製品加工業(家具製造業),パルプ製造業、
輸入木材販売業、物品賃貸業に限る
※木製パレットくずは業種限定はなし
15
繊維くず
建設業、衣服その他繊維製品製造業に限る)
16
動物系固形不要物
と畜場から発生した動物に係る固形状不要物
17
動植物性残さ
食料品,医薬品,香料製造に係わる固形状不用物
18
動物ふん尿
畜産農業から排出されるふん尿
19
動物の死体
畜産農業から排出される死体
20
中間処理物
1~18までのものを処分するために処理したもの
21
輸入された廃棄物
航行及び携帯廃棄物を除くもの
9
<廃棄物処理法>
廃棄物処理法と排出事業者
 廃棄物処理法では、「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を
自らの責任において適正に処理しなければならない」(法第3条)と規定し
ている。
 「自らの責任において適正に処理する」とは、排出事業者が「自ら処理す
る場合」と「処理業者に処理を委託する場合」がある。
排出事業者処理の原則




排出事業者処理が原則
処理基準の設定
収集運搬、保管、積替え、処分について基準設定
排出事業者が自ら処理することを通称「自社処理」という
⇒法第15条で規定する施設を設置する場合を除き、届出、許可等は不要
 自ら処理できない場合は、許可業者に委託できる(⇒委託基準の設定)
10
<廃棄物処理法>
処理と処分
保管を含む
焼却
収集運搬
脱水
保管を含まない
中和
処理
破砕
中間処理
その他
処 分
埋立
最終処分
海洋投棄
11
<廃棄物処理法>
多量排出事業者の産業廃棄物処理計画
 廃棄物処理法では、年間1,000t以上の産業廃棄物を排出する事業者
を多量排出事業者と定め、これら多量排出事業者に対して、処理計
画の策定や実績報告等を義務づけし、廃棄物の減量化・再資源化を
促進することとしている。
 T自治体では、この計画や報告を活用し、総排出量の約8割を占める
多量排出事業者に対し、さらに減量化等の指導を強化していく。
12
<廃棄物処理法>
運搬、保管、積替えの基準
 飛散、流出防止
 生活環境保全上の支障を生じない
 運搬途中の保管は、次の基準に適合する積替えを行う場合を除き、行え
ない。
①運搬先があらかじめ定められていること
②搬入量が日平均搬出量の7日分を超えないこと
③性状に変化が生じないうちに搬出すること
 囲い、表示
 高さ制限(50%勾配)
屋外における保管高さの基準例
13
<廃棄物処理法>
排出事業者の産業廃棄物の処理状況確認
14
<廃棄物処理法>
処理困難通知を受けた場合の処置
15
<廃棄物処理法>
マニフェストの写しの保管義務
16
マニフェスト交付状況の報告義務
<廃棄物処理法>

産業廃棄物を排出する事業者は、事業場ごとに、
その年の6月30日までに、その年の3月31日以前の1年間において交付
した産業廃棄物管理票の交付等の状況(産業廃棄物の種類及び排出
量、管理票の交付枚数等)に関し、様式第3号により報告書を作成し、
当該事業場の所在地を管轄する都道府県知事に提出することとする。
(平成20年度から義務付け)
マニフェスト交付者は、交付したマニフェスト(いわゆるA票)の写しを5年
間保存しなければならない。
 電子マニフェストを活用した場合の特例措置(法第12条第8項)
「電子マニフェスト」場合は、情報処理センターが集計して報告を行うため、事業者自
ら都道府県知事に報告する必要はない
17
廃棄物処理法に関する罰則
<廃棄物処理法>
18
<小型家電リサイクル法>
小型家電リサイクル法制度の内容
【制度概要】
市町村等が回収した使用済小型電子機器等について、これを引き取り確実に適正なリサイクルを行うことを約束した者(リサイクルをし
ようとする者で構成される)を国が認定し、廃棄物処理法の特例を与える制度。
【対象品目】
一般消費者が通常生活の用に供する電子機器その他の電気機械器具のうち、効率的な収集運搬が可能であって、再資源化が特に必
要なものを政令指定
製造業者(メーカー)の責務
・
設計、部品、原材料の工夫により再資源化費用低減
・再資源化により得られた物の利用
製造・販売
排出
国 民
消費者の責務
・分別して排出
・消費者の適正な排出を確保するため
に協力
引渡
静脈物流
回収
自治体
回収
集積所
回収ボックス or 資源ゴミの
新区分 or ピックアップ
市町村の責務
・分別して収集
・認定事業者への引渡し
※各市町村の特性に合わせて回収方法を選択
国の責務
小売業者の責務
引渡
中間処理施設
中間処理
・必要な資金の確保
・情報収集、研究開発の推進
・教育、広報活動
金属製錬
循環
利用
金属回収
認定事業者
・再資源化のための事業を行おうとする者は、再資源化事 認定申請
業の実施に関する計画を作成し、主務大臣の認定を受け
ることが出来る。
・再資源化事業計画の認定を受けた者又はその委託を受
けた者が使用済小型電子機器等の再資源化に必要な行
為を行うときは、市町村長等の廃棄物処理業の許可を不
認定、
要とする。
・収集を行おうとする区域内の市町村から分別して収集し 指導・助言等
た使用済小型電子機器等の引取りを求められたときは、正
当な理由がある場合を除き引き取らなければならない。
国
・再資源化事業計画の認定
・再資源化事業計画の認定
を受けた者に対する指導・
助言、報告徴収、立入検査
・認定の取消し
19
<小型家電リサイクル法>
政令指定品目(1/2)
20
<小型家電リサイクル法>
政令指定品目(2/2)
21
<PCB特措法>
PCB特措法施行令の改正
処分の期間を平成39年3月末に延長
(平成24年12月12日に公布)
■理由
 JESCO(国100%出資の特殊会社)による処理が遅れている。
 PCBが使用されてないとされていた電気機器から微量のPCBが検出さ
れるものが大量に存在することが判明した
■性質
熱に対して安定で、電気絶縁性が高く、耐薬品性に優れている。加熱や冷却用熱媒
体、変圧器やコンデンサなどの電気機器の絶縁油、可塑剤、塗料、ノンカーボン紙の
溶剤など、非常に幅広い分野に用いられた。
■毒性
生体に対する毒性が高く、脂肪組織に蓄積しやすい。発癌性があり、また皮膚障害、
内臓障害、ホルモン異常を引き起こすことが分かっている。
■事例
「カネミ油症事件」(1968年)配管から漏れて混入しダイオキシンに変化し多くの被害
22
水銀条例
<水銀汚染防止法>
水銀による環境の汚染の防止に関する法律
水銀による環境の汚染の防止に関する法律平成27年6月19日公布
水銀を含む電池やランプの製造を2017年から原則禁止
アルカリボタン電池と高圧水銀灯は現在も使用されていることなどから20年まで
廃棄物として規制?
早めの処分を
23
<大阪市ごみ規制>
大阪市条例に基づく一般廃棄物の規制
~資源可能な紙類の焼却工場への搬入禁止~
24
環境経営システムによる
利益を生みだす資源・廃棄物対策
25
環境経営システムによる廃棄物対策の推進
環境省のガイドライン
に基づく認証制度
~EA21による廃棄物対策~
必ず把握すべき項目
①二酸化炭素排出量
②廃棄物排出量
③総排水量(水使用量)
④化学物質
必ず取組む行動
①省エネルギー
②廃棄物削減(リサイクル)
③排水削減(節水)
④有害化学物質の削減
⑤グリーン購入(調達)
⑥環境に配慮した製品・サービス
EA21は社会経済全体をエコにすることを重視(サプライチェーンのグリーン化)
グリーン購入
(供給者のエコを支援する)
自社の環境負荷低減
(二酸化炭素・廃棄物・水・化学物質)
(自社のエコを推進)
製品への環境配慮
(顧客をエコにする)
26
EA21による廃棄物削減への取組
廃棄物排出量の把握
P
重量を量って現状の発生量・排出量を把握
環境方針の策定
廃棄物の発生抑制・再資源化に努めます
環境目標の策定
廃棄物の削減2014年度比 △20%
中期目標(3年後)△50%
環境活動計画の策定
D
実 行
CA
確認・評価
今後へのアクション
誰が、いつ、どこで、何を、どのように
工程見直し(不良品削減)、帳票見直し(省紙)
分別・再資源化
啓発、掲示、表示等で全員活動
工程見直し
帳票見直し
再資源化
〇→歩留改善策推進
△→1枚ベスト運動推進
✕→展示会で開拓
27
再生利用と処理費用
~再資源化でコストダウン~
1997年
(ISO14001導入)
1998年
1999年
M社食品工場の事例
28
D社排出物処理費用の推移
単位 万円
8000
6000
売
却
益
7000
4000
2000
処
理
費
-2000
-4000
92年度比
3200万円アップ
(84%増)
3800
0
3851
一般廃棄物
廃棄物
有価物
1920
1970
1476
92年度比
▲1437
(▲27%)
-6000
1992年
2002年
29
D社のゼロエミッション活動
30
廃棄物のコスト見直し
マテリアルフロー会計
MFCA(Material Flow Cost Accounting)
材料:100kg
単価:10円/kg
加工時間:0.5時間 加工単価:6000円/時間
エネルギー:10kWh エネルギー単価:25円/kWh
製品重量:80kg
ロス:20kg
<一般会計>
材料費
10円/kg×100kg=1000円
加工費
6000円/時間×0.5時間=3000円
エネルギー 25円/kWh×10kWh=250円
原価
4250円
<MFCA>
■正の製品
材料費 10円/kg×80kg=800円
加工費 6000円/時間×0.5時間×80/100=2400円
エネルギー 25円×10kWh×80/100=200円
原価
3400円
■負の製品
材料費 10円/kg×20kg=200円
加工費 6000円/時間×0.5時間×20/100=600円
エネルギー 25円×10kWh×20/100=50円
原価
850円 (無駄の発生)
31
MFCA事例(日東電工㈱)
~MFCA Forum 事例集より~
システム:マテリアル、エネルギー、廃棄物費用以外の費用(労務費、減価償却費等)
32
エコアクション21認証取得事業者(1)
一般廃棄物の削減実績
業種
事業者
所在地
一般廃棄物排出量(kg)
従業
員数
取組前
取組後
削減率
ポイント
商社(機械工具)
A社
大阪市
100
10.0
2.3
77% 梱包材の再利用
トナーカートリッジ再生業
M社
大阪市
42
5.4
1.2
78% 紙類の再資源化
製造業
N社
大阪市他
358
179
124
31% 紙類の分別・再資源化
流通業(機器)
F社
大阪市
30
5.1
1.5
71% 梱包材の再利用
商社(食品資材)
R社
2.6
0.9
78% 不良在庫の防止
33
エコアクション21認証取得事業者(2)
一般廃棄物の削減実績 単位:kg
取組前 取組後
事務所
604
354
人材派遣会社
720
696
会計事務所
1,313
788
企画会社
640
400
法律事務所
229
102
商社
9,981
5,334
事務機メンテナンス業
6,543
4,774
食品商社
5,470
3,839
部品加工業
6,690
5,710
電機工事業本社ビル
3,300
2,475
食品加工業本社ビル
1,940
1,470
比率
59%
97%
60%
63%
45%
53%
73%
70%
85%
75%
76%
EA21認証取得事業者の取組計画・実績等は環境活動レポートとして
公開されています。
中央事務局のホームページで見ることができます(http://www.ea21.jp)
34
エコアクション21認証取得事業者
産業廃棄物の削減実績
業種
事業者
所在地
製造(紙製品)
S社
三田市
建設(塗装)
F社
東大阪市
製造(金属加工)
S社
製造(金属加工)
従業
員数
一般廃棄物排出量(t)
取組前
取組後
ポイント
削減率
86%
分別と再資源化
剥離紙、金属付紙の売却
123
245
34
7
0.9t
0.3t
66% 塗料の在庫管理
大阪市
113
4.5t
4.0t
12% 切削油の長寿命化
Y社
大東市
16
5.9t
1.5t
74% 徹底した分別
製造(金属製品)
M社
堺市
115
96.3t
72.5t
製造(金属部品)
S社
大阪市
25
0.4kL
0.04kL
製造(樹脂加工)
E社
吹田市
20
1.5t
0.8t
49% 分別と再資源化
製造(紙製品)
K社
豊中市
14
61.3
48.0
22% ロス削減
製造(印刷)
K社
大阪市
20
12.3
7.7
製造(樹脂)
N社
大阪市
70
26.0
16.0
25% 再資源化
90% 鉱油の濾過再使用
37% 不良率の削減
38% 切替時のロス削減
35
ゼロエミッションへの取組
~非ごみ3原則~
持ち込まない
ごみとなるものは持ち込まない
発生させない
ごみを発生させない
持ち出さない
発生した廃棄物を徹底的に
再使用・再生利用等により
廃棄物として持ち出さない
36
持ち込まない活動








包装の簡易化
再資源化可能な材料による梱包
通函の利用
供給者側の検品強化(不良品を排除)
プレカット材の利用
取説・カタログ等の電子化
請求書・納品書・見積書等の電子化
Myバッグ・My弁当・My水筒・My箸
・
・
・
37
発生させない活動







工程内不良品撲滅(品質管理)
切替ロス削減(生販連系)
立上ロス削減(垂直立上)
3S活動
軍手・ウエスのクリーニング使用
エアジェットタオルの採用(ペパーレス)
コピーミス防止(ヒューマンミス・メカニカルミス防止)
・
・
・
・
38
ごみとして持ち出さない活動








分別の徹底(教育訓練)
社内再使用(コピー用紙の再利用)
社外再使用(容器類等)
再利用(容器類)
再生利用(金属・樹脂・ガラス・木材・紙・食品・油等)
再資源化業者の開拓(口コミ・webサイト)
・
・
39
EA21認証事業者の環境活動レポートからみる
一般廃棄物削減への具体的な取り組み
~ リデュース~
ミスコピーの防止(プレビューによる確認他)
縮小コピー
両面コピー
電子回覧(配布物の廃止)
電子決済(印刷物の廃止)
プロジェクタの使用(配布物の最小化)
FAXの蓄積機能利用(電子データ化)
ダイレクトメール(郵送物)等のお断り
購入雑誌等の見直し(共有化)
カタログ等の必要部数の見直し(残品の防止)
業務見直し(業務の“事業仕分け”)
帳票見直し(1枚ベスト運動)
両面印刷ポスター
(環境省)
マイ箸、マイカップ、マイ水筒、マイバッグ、マイ弁当
40
EA21認証事業者の環境活動レポートからみる
一般廃棄物削減への具体的な取り組み
~リユース~
裏紙の利用(社内利用)
使用済み封筒の再利用(社内便等)
段ボールを2次配送用に利用
シュレッダー廃紙を梱包用パッキン材として使用
通い箱の採用
トナーカートリッジの再利用
社内フリーマーケットの実施
41
EA21認証事業者の環境活動レポートからみる
一般廃棄物削減への具体的な取り組み
~リサイクル~
分別回収(ごみ置き場→資源置き場)
古紙回収業者へ
PETボトルの寄付(エコキャップ運動)
「OA紙」「新聞」「ダンボール」
「雑誌・カタログ・その他の紙」
「シュレッダー処理紙」
「ペットボトル」「びん」「缶」
リサイクルステーション
資源置き場
手作りの
分別ボックス
42
利益を生む廃棄物対策
~非製造業~
事業所
主な取組
具体的な内容
商社
不良在庫の予防
在庫管理方法の改善
停滞在庫の早期販売
本社
ペーパーレス化の推進
紙類の徹底分別
社内文書の電子化
ごみ箱の廃止
商社
梱包材の再利用
シュレッダー導入し緩衝材に
在庫管理強化
在庫圧縮で不良在庫削減(M社)
不良在庫を1/4に削減
43
利益を生む廃棄物対策
~製造業~
事業所
主な取組
具体的な内容
食品製造業
廃プラの分別と売却化
PPバンド、ポリ袋、ストレッチフィルムの再資源業
者の開拓
樹脂製造業
種類別分別
樹脂の種類別に分別し、再資源業者を開拓
食品製造業
歩留向上
ロスがでにくい工程に改善
部品製造業
通い箱化
梱包作業短縮と梱包材費用の削減
紙製品製造
産廃→売却
買い取り先の開拓
特性要因図による分析
44
利益を生む廃棄物対策
~具体的事例~
事業所
廃棄物
有効利用
梅酒メーカー
加工後の梅
梅入り梅酒(付加価値商品)
梅干しメーカー
梅の種
肉牛の飼料(付加価値商品)
養鶏場
鶏ふん+梅調味液
肥料(付加価値商品)
スーパー
食品残さ
有機肥料化→有機栽培野菜販売(付加価値商品)
製紙メーカー
梅の種
梅炭→消臭効果を負荷した紙(付加価値経営)
45
廃棄物削減=工程内不良削減
N社の事例
46
コピー用紙の削減は1枚ベストで
テーマ
定時退社の推進
ねらい
必要な報告書を絞り、1報告1枚に集約し、
仕事を平準化する。
課題
・残業時間が多い
・仕事が偏る
現状
改善策
・報告書が多い
・報告事項の仕分け
・作成時間が短い
・帳票の簡素化
(1報告1枚)
・人の仕事は手伝え
ない
・仕事の分担化
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廃プラの再資源化(例)
ストレッチフィルム
ポリ袋
PPバンド
ポリ袋洗浄機
圧縮機
再生養生シート
再生ポリ袋
再生PPバンド
カーペット・衣料
文具・プランター
塩ビ管
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廃プラ以外の再資源化
木くず
紙くず
食品排水汚泥
乾燥
パーティクルボード
紙
堆肥化
廃油
小型家電
食用油 鉱油
普通肥料 堆肥 石鹸・飼料 焼入油
金属類
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50
発生抑制
~レストランで食べ残しを減らす工夫~
メニューの工夫
お持ち帰り
欧米諸国では、残し
た料理を持ち帰りは
一般に行われている。
ご飯の量を選べるようにする
51
再資源化
~パレスホテルの事例(堆肥化)~
スープを作るときに出る鶏ガラ
を粉末状に処理するシステムの
実現に成功。ペットフードの原
料としてリサイクル
ホテル内で生ゴミを堆肥化、
『エコパレス』として販売
契約農家(森ファーム)の協
力のもと、『エコパレス』で育
てたお米をホテル内レストラ
ンでも提供
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<コピー用紙削減>
オフィス内の用紙サイクル
オフィスの用紙は使用後、約1週間以内に約90%が廃棄
印刷
配布
(紙・電子)
分別
回収
用紙の廃棄日数
8日以上
11%
1日以内
34%
保管
廃棄
2~7日以内
55%
約1週間以内に約90%が廃棄
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<コピー用紙削減>
Loopsシステム利用によるメリット
経済性
用紙の購入・廃棄費用を約80%削減
※試算の前提条件
1. A4コピー用紙
月間印刷枚数4,500枚を5年間使用
2. 5回繰返し利用(4回消色)
 コピー用紙1枚当たりのコスト
@0.50円[email protected][email protected]円
 通常使用の場合
@0.70円×5枚=3.50円
 4回リユースした場合との差
3.50円-0.70円=2.80円
 5回印刷した場合の1カウント当りの
削減費用は
@▲0.58円
一般的な複合機
(※)使用環境によって再利用できる回数は異なります。
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<参考資料>
大阪市 再生資源事業者の紹介のHP
http://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000033054.html
活用は自社の判断で
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<参考資料>
プラスチック再生事業者リスト
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<参考資料>
古布・食品・木くず再生事業者リスト
57
<参考資料>
ガラスくず再生事業者リスト
58
まとめ
廃棄物対策の考え方
 諦めるな 必ず見つかる
 価値を見つけろ
 駄目もとで当たってみろ
 包材=廃棄物
 廃棄物はMFCAで考える(原料費+加工費+エネルギー費+廃棄費)
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