調和数に関する擬似概念と予想

調和数に関する擬似概念と予想
東邦大学理学部情報科学科
指導教員 白柳 潔
5509062 田中 涼太
研究の背景
未解決問題
調和数・・・自然数のうち、全ての正の約数の調和
平均(逆数の平均の逆数)が整数値をとる数のこと
である。
(例)6:
半調和数
4
1 1 1 1
+ + +
1 2 3 6
=2
準調和数
調和数に関する擬似概念
目的
• 半調和数・・・調和平均が半整数になるもの。
(例)15:
4
1 1 1 1
+ + +
1 3 5 15
=2.5
• 準調和数・・・調和平均が限りなく整数に近いも
のに閾値を設定したもの。
(例)9(閾値0.1):
3
1 1 1
+ +
1 3 9
= 2.076923077
実験の方法
• 数式処理システムMaple14を用いて、調和数
と擬似概念を出力する。
• 数値を表にまとめグラフ化する。
• 時間短縮のため範囲を設定する。
調和数の結果
調和数
1
6
28
140
270
496
672
1638
2970
6200
8128
8190
18600
18620
27846
30240
32760
55860
105664
117800
167400
173600
237510
242060
調和平均
1
2
3
5
6
5
8
9
11
10
7
15
15
14
17
24
24
21
13
19
27
25
29
26
調和数
調和平均
332640
44
360360
44
539400
29
695520
46
726180
39
753480
46
950976
27
1089270
42
1421280
47
1539720
47
2178540
54
2229500
35
2290260
41
2457000
60
2845800
51
4358600
37
4713984
48
4754880
45
5772200
49
6051500
50
8506400
49
8872200
53
調和数の結果
半調和数の結果
半調和数 約数の数 調和平均
3
2
1.5
15
4
2.5
42
8
3.5
84
12
4.5
135
8
4.5
308
12
5.5
420
24
7.5
546
16
6.5
1428
24
8.5
1488
20
7.5
1890
32
10.5
2295
16
8.5
2660
24
9.5
3780
48
13.5
6210
32
11.5
7440
40
12.5
9424
20
9.5
12180
48
14.5
13392
40
13.5
18018
48
16.5
20832
48
15.5
24384
28
10.5
24570
64
19.5
半調和数 約数の数 調和平均
43152
40
14.5
43400
48
17.5
64260
96
25.5
66960
80
22.5
77490
64
20.5
90090
96
27.5
98420
48
18.5
121920
56
17.5
127710
64
21.5
155610
96
28.5
200340
96
26.5
204600
96
27.5
227664
80
25.5
316992
56
19.5
348688
40
18.5
353400
96
28.5
461776
60
24.5
483210
96
29.5
520800
144
37.5
544635
72
31.5
564200
96
32.5
半調和数の結果
右上がりの二次グラフにも見える。
調和数のグラフと類似している。
調和数と半調和数
準調和数の結果
準調和数の結果
閾値0.1の散布図
閾値0.01の散布図
準調和数の結果
閾値
最小値
0.1
9
0.01
199
0.001
1999
0.0001
20011
0.00001 0.000001
117649 2000003
0.0000001
19999999
この先閾値を狭めていくと最小値は大きくなっていくと予想できる。
考察
• 半調和数に関しては、564200という数字を境
に出力が途絶えてしまったこと。非常に不思
議で興味深い事実の発見。
• 準調和数に関しては、計算処理の時間により
0.0000001までしか調べることができなかった。
準調和数以外の散布図においては曲線を描
くものがほとんどだったが、準調和数はほぼ
直線になっていた。
• 準調和数の調和平均のほとんどが2となると
いうことも不思議である。
今後の課題
• 半調和数については、なぜ564200で出力が
途絶えてしまったのか解明する。
• 準調和数については、調和平均が2に近い値
になったこと、さらに閾値を絞って解明してい
く。
• 全体的に計算に時間がかかりすぎていたの
で、プログラムを効率化する。