世界遺産とは • 1993年、白神山地(しらかみさんち)、屋久島(おくしま)、 法隆寺地域(ほうりゅうじちいき)の仏教建造物(ぶっきょ うけんぞうぶつ)、姫路城(ひめじじょう)が登録(とうろく) されて以来、世界遺産は、この10余年のうちに13件に及 (およ)んでいる。 • 世界遺産とは、世界中の貴重(きちょう)な文化遺産(ぶ んかいさん)・自然(しぜん)遺産・複合(ふくごう)遺産を 人類共通(じんるいきょうつう)の宝物(たからもの)として 守り、次世代に伝えていこうとするものである。現在、世 界遺産条約(じょうやく)の締結国数(ていけつこくすう)は 182カ国にのぼり(2006年現在)、日本は1992年に125番 目の締結国として世界の仲間入(なかまい)りをした。 世界遺産の種類 • 世界遺産には、文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類 がある。 • 文化遺産とは、顕著(けんちょ)な普遍的価値(ふへんて きかち)を有(ゆう)する記念物(きねんぶつ)、建造物群( けんぞうぶつぐん)、遺跡(いせき)、文化的景観(ぶんか てきけいかん)などを指(さ)す。 • 世界遺産条約は不動産(ふどうさん)を対象(たいしょう) としており、例えば、1寺院(じいん)の1仏像(ぶつぞう) などと言う登録はなされないのが特徴(とくちょう)だ。ま た、文化的景観(ぶんかてきけいかん)とは、1992年に 登録基準(とうろくきじゅん)に加えられた概念(がいねん )で、「自然と人間の共同作業(きょうどうさぎょう)」を表し ている。 • 日本の文化遺産は次の通りである。 ①法隆寺地域(ほうりゅうじちいき)の仏教建造物(ぶ つぞうけんぞうぶつ)、 ②姫路城(ひめじじょう)、 ③古都京都(こときょうと)の文化財、 ④白川郷(しらかわごう)・五箇山(ごかやま)の合掌造 (がっしょうづく)りの集落(しゅうらく)、 ⑤原爆(げんばく)ドーム、 ⑥厳島神社(しつくしまじんじゃ)、 ⑦古都奈良(ことなら)の文化財、 ⑧日光(にっこう)の社寺(しゃじ)、 ⑨琉球王国(りゅうきゅうおうこく)のグスク及び関連遺 産群(かんれんいさんぐん)、 ⑩紀伊山地(きいさんち)の霊場(れいじょう)と参詣道 (さんけいどう) • また、文化的景観(けいかん)とは、1992年に登録 基準(とうろくきじゅん)に加えられた概念(がいねん )で、「自然と人間の共同作業」を表している。人間 が自然を利用して長い時間をかけてつくり出した意 味する。日本では、日光(にっこう)の寺社(しゃじ) がその例である。 法隆寺地域の仏教建造物 姫路城 古都京都の文化財【金閣寺】 原爆ドーム 白川郷・五箇山の合掌造りの集落、 厳島神社 古都奈良の文化財 日光 興福寺の5重の塔 平城京 見猿・聞か猿・言わ猿 東照宮 琉球王国のグスク及び 関連遺産群 紀伊山地の霊場と参詣道 • 自然遺産は、顕著(けんちょ)な普遍的価値(ふへん てきかち)を有(ゆう)する地形(ちけい)や地質(ちし つ)、生態系(せいたいけい)、景観(けいかん)、ま た、絶滅(ぜつめつ)の恐(おそ)れのある動植物の 生息(せいそく)・生育地(せいいくち)などを含(ふく) む地域(ちいき)を登録(とうろく)する。 • 日本の自然遺産は次の通りである。 ①白神山地(しらかみさんち) ②屋久島(やくしま)、 ③知床(しれとこ) 白神山地 屋久島 知床 • 複合遺産は、文化遺産と自然遺産の両方に価値を 兼(か)ね備(そな)えている遺産だ。今のところ日本 ではその例はない。 • 世界で登録されている件数の総数は812件(文化遺 産628件・自然遺産160件・複合遺産24件)である。 (2005年現在) 世界遺産登録の基準 -文化遺産- 1.人間の創造的才能(そうぞうてきさいのう)を表す傑作 (けっさく)。 2.ある期間、ある文化圏で、建築物(けんちくぶつ)、技 術(ぎじゅつ)、記念碑(きねんひ)、都市計画(としけい かく)、景観設計(けいかんせっけい)の発展(はってん) において人類(じんるい)の価値の重要(じゅうよう)な 交流(こうりゅう)を示していること。 3.現存(げんぞん)する、あるいはすでに消滅(しょうめ つ)してしまった文化的伝統(ぶんかてきでんとう)や文 明に関する独特な、また稀(まれ)な証拠(しょうこ)を示 していること。 4.人類の歴史の重要な段階を物語る建築様式(けん ちくようしき)、技術的(ぎじゅつてき)な集合体(しゅ うごうたい)、また景観(けいかん)に関(かん)する 優(すぐ)れた見本(みほん)であること。 5.ある文化(または複数の文化)を特徴付(とくちょう づ)けるような人類の伝統的集落(しゅうらく)や土地 利用(とちりよう)の優れた例(れい)であること。特 に抗(こう)しきれない歴史の流れによってその存続 が危(あや)うくなっている場合(ばあい)。 6.顕著で普遍的な価値を持つ出来事(できごと)、生 きた伝統、思想(しそう)、信仰(しんこう)、芸術的作 品、あるいは文学的作品と直接(ちょくせつ)または 明白(めいはく)な関連(かんれん)があること。 -自然遺産1.生命進化(せいめいしんか)の記録(きろく)、地形 形成(ちけいけいせい)において進行(しんこう)しつ つある重要な地質学的過程(ちしつがくてきかてい)、 重要な地形、自然地理的特徴を含み、地球の歴史 の主要(しゅよう)な段階(だんかい)を代表する顕著 な例であること 2.陸上(りくじょう)、淡水域(たんすいいき)、沿岸(え んがん)および海洋(かいよう)の生態系(せいたい けい)、動植物群集(どうしょくぶつぐん)の進化や発 展(はってん)において、重要な生態学(せいたいが く)が進行し、生物学的過程を代表する顕著な例で あること 3.類例(るいれい)を見ない自然美および美的要素(よ うそ)を持った優れた自然現象(げんしょう)、あるい は地域を含むこと。 4.学術上(がくじゅつじょう)、あるいは保全上(ほぜん じょう)の観点(かんてん)から見て、顕著で普遍的 な価値を持つ絶滅(ぜつめつ)の恐(おそ)れのある 種を含むこと。また、生物の多様(たよう)な野生状 態(やせいじょうたい)を保全(ほぜん)する意味で、 重要な自然の生息・生育地を含むこと。
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