10B・文化財保護制度の拡大 2010.11.24. 成蹊・文化人類学Ⅱ 10B・文化財保護制度の拡大 2010/11/24 - [2] 文化財保護制度前史 「古器旧物保存方」1871年太政官布達で、とりあえず古 いものは何でもピックアップ 祭器、古玉宝石、石弩雷斧、古鏡古鈴、銅器、古瓦、武器、古書 画、古書籍並びに古経文、扁額、楽器、鐘鈷碑銘墨、印章、文房 諸具、農具、工匠器械、車輿、屋内諸具、布帛、衣服装飾、皮革、 貨幣、諸金属造器、陶磁器、漆器、度量権衡、茶器香具花器、遊 戯具、雛幟等偶人並びに児玩、古仏像並びに仏具、化石の31部類 1888年設置の宮内省臨時全国宝物取調局でふるい分け 古社寺の建造物・宝物を「古社寺保存法」で国宝/特別保 護建造物に指定(1897年)→のち国宝保存法(1929年)へ 風景や動植物を「史蹟名勝天然紀念物保存法」(1919年) 国宝になりそうなものについて「重要美術品等ノ保存ニ 関スル法律」で指定(1933年) 上3点に加え、民俗資料、無形文化財及び埋蔵文化財に ついて「文化財保護法」で指定(1950年) 10B・文化財保護制度の拡大 2010/11/24 - [3] 文化財の拡大 民俗文化財、伝統的建造物群、文化財の保存技術につい て、1975年の文化財保護法大改正で追加(②) 近代以降の土木建造物、科学技術分野の歴史資料も指定 できるよう文化財指定基準を見直し(1995/1996年)…… 近代遺産①(③) 文化財になりそうな建造物について、1996年の文化財登 録制度導入によって追加……近代遺産②(③) 農業に関連した景勝地として、千枚田を「名勝」に指定 (1999年・2001年)……産業遺産? 2004年の文化財保護法大改正で、文化的景観・登録有形 民俗文化財・登録記念物のカテゴリ新設……生業に関わ る風景自体を保存+網掛けの拡大(④) 10B・文化財保護制度の拡大 2010/11/24 - [4] 文化財拡大のゆくえ 身のまわりのさまざまなものが「文化財」化してゆくと いう現象……それは誰が選び、誰が守るのか? どれを文化財に選ぶか・選ばないかの判断は、教育委員会のもと に設置される文化財保護委員会 所有者はその文化財を管理する「義務」を負う
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