パネルディスカッション 「禁煙外来で使える心理療法」 2008・2・10 於 横浜開港記念館 「NLP(神経言語プログラミング)」 湘南内科医院 橋本敦生 (1) NLPは1970年代の初期、カリフォルニア大学の ジョン・グリンダーとリチャード・バンドラーの協同作業 で開発された。その後改良を加えられ、今も成長し続 けている。 NLPは心理療法の新たな一派ではなく「コミュニケー ションと変化のための技法」を提供するものである。 NLPを何かを一言で言うのは難しい。従って色々な表 現で言われている。 (2) イ、NLPとは、どんな分野であれその道に優れた 人々を研究して、そのパターンを学ぶ方法。 (ジョセフ・オコナー、ジョン・セイモア) ロ、NLPとは、学ぶことを学ぶための最初の組織的な 手がかり。 「人間が手に入れた最初の実用的認識論」 (グレゴリー・ベイトソン) ハ、NLPとは、まず態度であり、方法論であり、それか らテクニックが続く。 (リチャード・バンドラー) (3) Neuro-LinguisticProgrammingの意味 NeuroというのはNeurologyから来ている。 医学では神経組織とその疾病を研究する学問という 意味であるが、NLPでは主として知覚組織と受け 取った感覚(外界及び内界から)を脳がどう処理 するかをテーマとする。 Linguisticは言葉の力に関するという意味である。 Programmingは脳のなかの構え(フィルター)をどう 整頓するかに関している。 (4) 現実 現実 削除フィルター 歪曲フィルター 一般化フィルター 無意識 意識 (5) NLPが臨床場面でどう応用されるか実例をあげて 説明する。 32歳の女性、看護師。禁煙の為の心理療法を受けた いと言う。既に、リセット禁煙の本を読んだり、ニコチン パッチを用いたが思うような成果が上がっていない。 私はNLPを使った心理療法を次のような手順で 行っている。 (6) 患者とのラポールを確立する。 「ラポール技法」 信頼感と親密さをすばやく手に入れる方法。 マッチング:ペース合わせ 呼吸、姿勢、言葉(速さ、高さ、音調)、使っている感覚 その他。 ミラーリング・クロスミラーリング (7)目標を明確にする。 「目標」とは よい目標の条件 イ、肯定的な表現: ロ、自分自身で行う: ハ、知覚できる:何時、何処で、誰と、どのように ニ、リソースを特定する:内的リソース、外的リソース。 ホ、エコロジーをチェックする:自身の内、外。 (8) 特定の技法を選んで適用する。 「パートの統合」 パートは意識にのぼる こともあり、無意識に 沈むことも有る。 パートはそれぞれ役割 (よい意図)を持って いる。
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