ネットワーク社会の 情報倫理

ネットワーク社会の
情報倫理
第5章
情報セキュリティ(前半)
[近代科学社刊]
5.1 情報セキュリティとは
ネットワーク上の脅威
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不正アクセス
メールの盗聴・改ざん
情報セキュリティ
1.被害の防止
2.事態の収拾
コンピュータやネットワークにおける安全性や信頼性の確保
5.1.1 情報セキュリティに求められるもの
情報の機密性
・「ユーザ認証」で不正アクセスを防止
・「アクセス権」を設定し、一般ユーザと管理者を区別
情報の保存および伝達の安全性
・不正アクセスされても、データを破壊や消去からブロック
・通信の過程において、データの改ざんや盗聴から守る
5.1.2 セキュリティの運用について
技術的な対策
外部からの有害プログラムや不正侵入を防ぐ。
・ウィルスチェック(ネットワーク全体、個々のPC)
・ファイアウォールの設置
運用の管理
運用規則をユーザ全員が理解し遵守する。
・セキュリティポリシーの確立
・使用者の立場にあった教育
5.2 ユーザ認証
ユーザ認証=本人確認
・「正規ユーザ」の識別(不正アクセスでないか)
・「一般ユーザ」と「管理者」の区別
認証方式と特徴
認証方式
利点
ID・パスワード
発行や認証の仕組みが
簡単
カード等の所持品 操作がやさしい
生体認証
偽造されにくい
欠点
パスワードの漏えい
紛失、盗難、偽造
システムが高価
5.2.1 パスワード管理
IDとパスワードによる認証は仕組みが単純
→ 推定されにくいパスワードを持つ
→ 盗み見やなりすましに要注意
パスワードを破る手口
パスワードに対する推定攻撃
ソーシャル・エンジニアリング
(1)総当たり攻撃
(1)のぞき見
単純で短いパスワードは危険
(2)辞書攻撃
辞書単語をそのまま使わない
(2)ログイン後の放置
(3)トラッシング(ゴミあさり)
(4)なりすまし
5.2.2 カードによる認証
ユーザの所持品による認証方式
磁気カードの被害
・スキミング(磁気カードの不正な読み取り)しカードを偽造
・テレフォンカードやハイウェイカード等でも多数の被害
ICカードの開発
・磁気カードよりも偽造が困難
・暗証番号との組み合わせで認証
・総当たり攻撃に対してはカードを無効化
5.2.3 生体認証
ユーザ本人の身体の一部(生体情報)
を使った認証方式
(=バイオメトリックス認証)
生体認証の種類
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指紋
虹彩
顔
筆跡
声紋
静脈
生体認証の特徴
・不正コピーが困難で、より確実な認証方式
・コンピュータ以外に特殊な装置が必要
・認証方式によっては高額(虹彩、静脈など)
5.3 ファイアウォール
ファイアウォール(防火壁)
→インターネット接続したコンピュータを外敵から守るシステム
ファイアウォールの主な機能
主な機能
概 要
アクセス制限
インターネットからの接続を制限する。
アドレス変換
プライベートアドレスをグローバルアドレスに変換する。
ユーザ認証
接続できるユーザであるか認証する。
ログ収集/解析
ファイアウォールを通過したパケットをすべて記録する。
フィルタリング
通過できないデータを判別し遮断する。
ルーティング
組織内の通信経路を決める役割を果たす。