相乗平均から対数の世界へ 相乗平均 ■ 平均倍率 例1 株価の推移 1月28日 1月29日 1月30日 100円 160円 200円 ×1.6 ×1.25 平均何倍ずつ増えたのだろうか 相乗平均 1月28日 1月29日 1月30日 100円 160円 200円 ×1.6 1.6+1.25 =1.425 倍 2 ×1.25 両方とも1.425倍にしてみると・・・ 100円 142.5円 ×1.425 203.0625円 ≠200円 ×1.425 だいたい良いような気もするが・・・ちょうど200円にならないか? 相乗平均 そこで・・・ 1月28日 1月29日 1月30日 100円 160円 200円 ×1.6 100円 ×1.25 100円 × 2 × 2 1.6×1.25= 2 100円 × 2 × 2 =200円 × 2 こちらの方が適当ではないだろうか。 1つの物の連続した2つの期間の倍率の平均は・・・かけ算&√ 1.6×1.25 ・・・・・・ 相乗平均 という 相乗平均 例2 ねずみの家族 ある日 1ヶ月後 2匹 4匹 ×2 2匹 2ヶ月後 32匹 ×8 32匹 8匹 ×4 2×8=4 ×4 2匹 ×4×4 =32匹 相乗平均 ということは・・・ 期間が3つの場合 a1 a2 ×R1 a3 ×R2 a4 ×R3 ・・・3つの積の3乗根が平均倍率 3 R1 R2 R3 期間がn個の場合 a1 a2 ×R1 a3 ・・・ ×R2 an ×Rn-1 ・・・n個の積のn乗根が平均倍率 n an+1 ×Rn R1 R2 Rn 対数を使う ■ 倍率の内分 2つの期間の倍率の平均 ・・・・・・ 相乗平均 ×2 相乗平均 ところで a3 a2 a1 ×128 2128 28 24 16 平均 =中点 ・・・1:1に内分する点 と考えれば 別の比の内分も定義できる 対数を使う 2倍と128倍を1:2に内分する倍率は? 直線的に考えれば (内分の復習) 128倍 2 2 1128 =44 1 2 44倍 だが・・・・・・ 2倍 1 相乗平均と同じように考えるとどうなるか? 2 対数を使う 相乗平均を分析してみよう 2倍と128倍の相乗平均を Rm とおくと Rm 2128 対数をとる log Rm log 2 128 log(2 128) 1 2 log 2 log128 2 log Rm は log 2 と log128 の相加平均 log Rm は log 2 と log128 を1:1に内分する点 対数を使う では・・・ 2倍と128倍を1:2に内分する倍率をRとすると logR は log2 と log128 を1:2に内分する点 だから logR = 2×log2+ 1×log128 1+ 2 log2 128 log 23 log 8 2 1 3 R 8 2倍と128倍を1:2に内分する倍率は 8倍 対数を使う 128倍 直線補完 44倍 8倍 2倍 1 対数補完 2 このように、対数で内分して途中の値を補完する方法を対数補完という 複利での資産運用など、幾何級数的な変数を補完する 対数を使う 細かく対数補完しよう 倍率でなくても幾何級数的に増加する変数そのものに使えそう 今年部屋で発見したカメムシの数の推移 1月1日 1月6日 1月11日 2匹 20匹 200匹 内分して毎日の数を求める それぞれの期間を5等分して、直線と対数のそれぞれの方法で 各比で内分 1:4 2:3 3:2 4:1 対数を使う 250 200匹 200 150 100 50 20匹 2匹 0 1 2 3 4 さらに・・・ 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 内分 =2点の加重平均 たくさんの点の加重平均・・・期待値 対数の確率分布を考えてみよう おまけ 対数正規分布とは ある変数Sに対して S の関数 X を X=logS で定義する Xが正規分布に従うとき Sは対数正規分布に従うという 例 株価の分布 ・・・明日の株価はいくらになるだろうか? ある株が明日S円になる f(logS) 正規分布 logS これを繰り返し観察する 正規分布に従う 株価Sは対数正規分布に従う logS ※実際には明日という日は1度しかなく、同じ条件で繰り返し観察するのは不可能だが・・・ ドラえもんにお願いすれば観察可能 (中心極限定理で証明) おまけ f(logS) 逆に、ある期待値と標準偏差の 正規分布が与えられれば、 正規分布 X f(logS) それらを前提とした 株価の対数正規分布が得られる X=logS だから 対数正規分布 S=ex 分布のイメージ ・・・ 0の壁で動きが制限される S おまけ ■ まめ知識 対数正規分布に従うもの 金利、為替など・・・値の範囲が 0~+∞であるもの 様々な金融商品の価格が対数正規分布に従う ブラック=ショールズモデル 金融派生商品(デリバティブ)の価格計算式 数学者の ブラック先生 と ショールズ先生 が発明し、 マートン先生 が証明 ショールズ先生とマートン先生はノーベル賞を受賞 ・・・1997年 ブラック先生は? ところで、ノーベル数学賞? 1995年 ご逝去 ではなくて、 ない! ノーベル経済学賞 まとめ ■ まとめ はが す 歪んだ壁に貼った 馬の絵 logs s 変数 平均、内分、分布を調べたい f 相乗平均 相加平均 対数補完 直線補完 対数正規分布 正規分布 シマウマに変えたい ef(X) f(X) 壁に貼 る 縞を描く 終わり
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