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14.09改定
マーケティング・マネージャー
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マネジメントとリーダーシップ
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はじめに
マーケティングとは顧客に価値を提供することです。したがって、次のことを
満たさなければいけません。
① 対象顧客(ターゲット)を明らかにすること
② 提供する価値を明らかにすること
③ 価値を提供するプロセスを明らかにすること
マネジメントとは、組織活動が計画通りに行われるように管理することです。
したがって、次のことを満たさなければいけません。
① 計画を立案すること
② 計画に基づいて活動できるように組織構成員を指導、育成すること
③ 組織活動が計画通り行われるよう指標と現実を比較評価すること
④ 比較評価のうえ、ギャップを抽出、問題の原因を探索して、組織に改善
活動を起こさせること
価値提供により「対価」を得て、存在できる企業において、マーケティング・
マネージャーは、企業の要といえます。
これからの自動車整備業界においては、マーケティングとマネジメントが必要
不可欠であり、マーケティング・マネージャーの活躍により、自動車整備事業社
の生存は決まるといえます。業界エリートとなる高い志を持って、「生涯取引」
マーケティング・マネージャー研修を受講して頂ければ幸いです。
株式会社AOS総合研究所
代表取締役西脇
実
1.環境変化
① 生涯取引(マーケティング理論)が必要となった背景・・・
高度成長期(=市場拡大期)において、有効であった商品別(車販、車検、
BP、保険、用品、買取など)の営業展開が、市場縮小期に入り、売上の減少
またはマーケティングコストの増大など「好ましくない現象」が表出、有効では
なくなった。
商品別の展開においては、商品別の売り込み、シンプルなオペレーション
とマニュアル化により対応できた・・・、しかしながら多様化、複雑化しながら
縮小する市場では、経験だけでは対応することができない。生き残るには、
経営原理および実証理論を基に自らモデル開発をしなければならない。
① 売上の拡大余地(成長=新たな価値提供先)をどこに求めるか?
② 最小のマーケティングコストで、いかに売上を確保するか?
③ 社員の主体性、自律性を実務を通じて、いか育むか?
・・・ 新しい価値を提供する仕組みづくりと
人材を育成しなければならない!
新しい価値提供の実現 = 「生涯取引」活動
商品軸(車販、車検、BP、保険、用品、買取など)の営業展開は、顧客軸に考えるなら、
軸としている商品以外の売上(機会)を損失しているといえる。
これを 「機会損失」 という。
車検中心の自動車整備事業では、車検以外の85~90%程度の機会損失が生じている。
これは 売上拡大の余地 ということになり、新しい価値提供先 といえる!?
すなわち、「機会損失」とは・・・、「新たな価値提供先」といえる。
「生涯取引」活動は、学術的な経営原理と実際のデータを解析することにより、導き出さ
れた理論を「現場」で実務実証することで、その完成度を高めながら、組織にあった新し
い価値提供の仕組みづくりと人材育成を目指します。
多種目(車両内シェア)
横展開(世帯内シェア)
価値創造
+
価値提供
② 本質的な問題… コスト競争(人件費 vs マーケティングコスト)
③ 付加価値構造
B. 新しい価値創造のために現在を整える
現在の生産
作 業 = 高品質
標準化
仮
説
実
証
合理化
効率化
=
時間 利益
(価値創造の原資)
価値創造+価値提供
将来の生産
A.ビジョン、計画、準備段取り、基礎的実証
2.組織とは?
…なぜ、組織で働くのか?
個人による生産活動の限界 ×
生得的限界 →
人間協働
=
組織活動
※ 個体が生まれながらに持っている能力や性質を克服するために協力して働くこと!
組織三原則… 「共通の目的」 「役割」 「伝達」
これが明らかでないと組織とはいえない!?
[注 意]
個人なら、気ままにやっていられた…
しかしながら、組織になると
朝早くから… モリをうちたいのに…
個人は生得的限界を克服できるかわりに、
組織から「制約」を受けることになる。
この制約=代償を理解できない人格を「個人人格」という、また代
償を覚悟し、組織の仲間と連携、協働しながら、「役割」を果そうとす
る人格を「組織人格」という。
このように組織で働くことにより、個人の中に「個人人格」と「組織人
格」が生じることになり、個人人格と組織人格の「対立」が生じる。
この心の中に生じる「葛藤」を調整しなければ、個人は組織を離れ
たり、無気力な構成員となってしまう。
3.対立の調整
① 「対立」は、生じるものであり、「健全」である!
環境変化に適応をするための「活動」は、組織および組織活動
の革新であり、経営と社員という労使対立、営業とサービスという
部門間対立など、新しい仕組みと従来の仕組みの「対立」が、
必ず、生じる。
そして、生じた「対立」を調整しなければ「適応活動」とならない。
つまり、環境変化に適応する為の活動とは「対立」の調整である。
したがって、「対立」が生じることは健全であり、不健全なのは、
「対立」がないものとして取り扱ったり、抑圧、妥協により解決した
かのように装うことである。
引用:メアリー・P・フレット
② 「対立」とは「相違」であり、
「目的」や「環境」を共有しているから生じる。
→ 相違とは、環境、立場、経験、知識、情報などの違いである。
対
調
立
共通の目的、環境の共有
+
整
「対立健全」宣言
+
「共通の目的」再認識
役割、連携方法の見直し調整
→
立場、経験、知識、情報の相違
→ 統合、合意
+
知識、情報など相違点の顕在化
環境変化 … 革新(創造)の「決意」
対 立 = 相違(環境、立場、経験、知識、情報) + 共通の目的
調 整 = 対立の健全化 (健全宣言、共通の目的の再認識、相違の顕在化、第三の方法の検討)
統 合 = 合意形成
参考文献:「管理の預言者」 著者 M・P・フォレット
スタッフサイド
組織の構成員の多くは、自分は無力だと感じており、外部環境に大きな変化が起こっていることを
正しく察知し、適切な行動を起こしても、組織の上層部に反対する人物がいれば、自分にはなす術
がないことをそれまでの経験から知ってしまっている。
「方針に反する」「そんなことをしている余裕はない」「黙って言われたとおりにしていれば良い」
など、さまざまな叱責の言葉が、彼らの脳裏に刻まれている。
社員の顧客に関する意見は正しいことが多い・・・、しかし部分的である!
管理者サイド
引用:「リーダーシップ論」著者ジョン・P・コッター
成功しない経営者(=管理者)の多くは新しいシステムを採用するが、環境変化を考慮していない。
慣例に基づく評価や管理の仕組みを変えようとしない。
責任者自ら「なぜやるのか」「何をやるのか」「どのようにやるのか」ということを語らず、さらに
役割分担や評価の仕組み、会議や訓練方法など、ビジョンに適合した管理体制を作ることなく、社内
相互作用を十分にすることなく成功を手に入れようとする。
(現在の生産を高品質を維持しながら、合理化効率化をする、アドバイスを怠っている)
経営者の問題意識は正しい・・・、しかし全体的である!
まずは「なぜやるのか」という改革の必要性、価値を明らかにすること
続いて「何をするのか」という目的を明らかにする、「どのように」は最後である。
→ 社員の忙しいという言葉に耳を傾け、新しい仕組みと対立する何か、を明らかにする!?
変革には、リーダーによる「動機づけ」と従来のシステムを整理するアイディアが必要である!
お客様 (社会)
① 組織「共通の目的」
② 役割の連鎖
顧客創造(価値創造+価値提供)
組織(経営者)
③伝達
上司部下 対立
組織構成員(個体)
個人人格
葛
組織人格
組織構成員(個体)
他の役割(他部署)
藤
(対立)
部署間 対立
4.共通の目的
※ 付加価値を高める… 「共通の目的」とは?
A
新しい価値創造のために現在を整える
A 現在の生産
合理化
作 業 = 高品質
標準化
効率化
仮
説
実
証
=
時間 利益
(価値創造の原資)
価値創造+価値提供
B 将来の生産
B
ビジョン、計画、準備段取り、仮説実証
※ 合理化、効率化は効用(共通の目的)が大切!
なぜやるのか(=価値)!?
何をやるのか(=目的)!?
どのようにやるのか(=方法)!?
価 値
目的
手段
手段
ムリ
ムダ
ムラ
5.組織に生じる問題とその原因について…
① 組織共通の目的(組織の存在意義)
および自らの役割を認識していない。
⇒ なぜやる?何をやる?どのようにやる?の理解不足!
… 説明していない。
② 役割の連結、連鎖の不備(部分最適)。
⇒ 役割の連鎖、伝達により価値が生じることを知らない?
ゴールイメージ(全最適思考)がない! … 知らせてない。
③ 生じた「対立」を放置したり、抑圧、妥協で終わらせている。
⇒ 共通の目的を達成するための互いの役割、相違点に
対する理解がない! … 調整していない。
課題の整理・・・
① 車検リスト入庫率を65%に上げる!
⇒ 他社傾向(車検長期未取引、一般整備車検未取引、BP車検未取引)の攻略
② 保有車両(=車検)を増やす!
⇒ 直接未取引(一般整備、BP、オイル)、世帯内未取引の面談からの攻略展開
③ 有効保有車両づくり、車検顧客の50~60%とする!
⇒ 4大テーマ、レポート早い重い&クーポン使用説明、オイルパック&受信電話
④ プロポーズ商品(買取、代替え)
⇒ 車検早期予約から買取(査定)特典による代替えへの展開
⑤ プロポーズ商品(自動車保険)
⇒ 自動車保険証券50%、アタック25、マネジメント75攻略
円環的に行えるか!?
部門を超え、顧客を中心とした価値提供ができるか・・・。
最も効果的なモデルを選択 = 象徴的活動(経営資源、機会損失の規模、成功確率)
本質的には…、仕組み作り、人材育成、成功体験(実務実証+標準化)