PowerPoint プレゼンテーション

《1》
原子力・加速器応用研究
原子力関連
• 原子力発電所用ケーブル劣化の監視・診断特性試験
• 原子力発電所用ケーブルのケミルミネッセンス測定
による高分子劣化度合いの検証
加速器応用関連
• ケーブル絶縁用高分子材料の電子線架橋による改質
• シンクロトロン放射光利用による絶縁材料の劣化診断
• 高速重イオンと物質の相互作用のメカニズム解明
• イオン注入による高機能光デバイスの作製
• 高エネルギーイオン注入によるバイオセンサの高感度化
• シリコン熱酸化膜中のシリコンナノ結晶の形成と空間制御
《2》
原子力関連
原子力発電所用ケーブル劣化の
監視・診断特性試験
原子力発電所用ケーブル劣化の監視・診断特性試験
《3》
2006~2010年
経済産業省 原子力・安全保安院 高経年化対策強化基盤整備事業のひとつ
(独)日本原子力研究開発機構、東京大学との共同研究
ケーブル劣化の監視・診断手法として非破壊的な診断手法である
広帯域インピーダンス分光(BIS)法の適用可能性を検証
将来的には国が作成する原子力発電所ケーブル診断に関する規格への参考となる
sound
damaged
difference between sound and damaged cables
3000
2500
2000
Phase (deg.)
1500
Z ()
1000
500
0
-500
-1000
-1500
0
20
40
60
Frequency (MHz)
80
100 110
sound
damaged
difference between sound and damaged cables
160
140
120
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
0
20
40
60
80
100 110
Frequency (MHz)
協力機関:(独)原子力安全基盤機構、福井工業大学、日立電線、三菱電線工業、
(社)電線総合技術センター、(財)電力中央研究所、東京電力、関西電力 等
《4》
広帯域インピーダンス分光法によるケーブルの劣化診断の可能性
電気的に全長に渡る劣化を検出できる先見的な非破壊ケーブル劣化
目的 監視・診断技術として、BIS法について、その信頼性、適用性を検証し、
監視・診断技術に関するJEAG等の規格の制定及び規制基準の妥当
性判断に科学的根拠を提供する
本研究の背景と必要性
現在適用されている診断手法例
インデンターモジュラス法:インデンター (打鍵)を挿入する時の移動量
(押し込み深さ)に対する荷重 (押込み力)の勾配を測定
実使用には至っていない手法
・表面硬度測定法:円柱形の押針をスプリングで押しつけ、そのときの押し
込み深さを相対値で表面硬度として計測
・超音波劣化診断法:材料中の超音波伝搬速度を計測
・光診断手法:劣化により変色した有機材料の吸光度を2波長の光で評価
要求事項
非破壊の電気的計測法
リアルタイム計測法
BIS (Broadband Impedance Spectroscopy) 法の適用を検討
《5》
広帯域インピーダンス分光(BIS)法とは
Ldz Rdz
インピーダンスアナライザ
BIS法の信号測定原理
・
・
Cdz
V(z)
ケーブル単位長さあたりの等価回路
I(z)の変化を測定
成果例1
A社
未劣化
5
[10 ]
16
B社
Integral of impedance difference (Hz)
・
V(z)
Impedance= ・
I(z)
Gdz
A (red-white)
A (red-black)
A (black-white)
B (red-white)
B (red-black)
B (black-white)
14
12
200 kGy
10
8
6
4
100 kGy
2
0
40
50
60
70
80
90
100
Ratio of Elongation at Break (aged/sound)[%]
劣化
100 ℃
約100 Gy/h
1,970 Hr
約200 kGy
劣化ー未劣化間のインピーダンス値の差分の積分値
B社ケーブルはLOCA試験不合格
BIS法は適切に絶縁体の絶縁特性の劣化を把握
《6》
成果例2 部分損傷(絶縁体剥離) ケーブル長:4m、EPR絶縁、3芯
共振点: (a), (c), (e), (g)
1600
(b)
1400
1600
2導体分絶縁体剥離
as
1200
(d)
800
1000
(f)
600
Impedance ()
Impedance ()
1000
(h)
400
200
(c)
(a)
(h)
400
0
4.0x107
6.0x107
8.0x107
(c)
(a)
-200
2.0x107
1.0x108
2.0x107
4.0x107
インピーダンス値
Frequency (Hz)
2導体分剥離
as
100
(g)
(e)
6.0x107
8.0x107
(b)
(c)
(d)
(e)
(f)
(g)
(h)
f (MHz)
23
35
46
58
69
81
91
104
1
 (m)
2
4.1
2.7
2.0
1.6
1.4
1.1
1.0
0.9
対応候補
L
(2)
L/2
(b)/2
L/3
(1)
L/4
(b)/3
測定端と損傷部の距離が短い
1.0x108
Frequency (Hz)
2導体分剥離
as
100
50
高周波数域に特徴
50
Phase angle (deg.)
Phase angle (deg.)
(f)
600
(g)
(e)
-400
0
-50
-100
0
測定端と損傷部の距離が長い
-50
低周波数域に特徴
-100
2.0x107
4.0x107
6.0x107
8.0x107
1.0x108
(b)
0
-50
(d)
(a)
(e)
-100
-150
2.0x107
4.0x107
2導体分絶縁体剥離
(g) (h)
50
0
(f)
-50
(a)
Frequency (Hz)
8.0x107
1.0x108
ケーブル両端から測定することに
より損傷位置推定の可能性
(e)
(c)
-150
6.0x107
1.0x108
(d)
-100
(c)
8.0x107
100
Phase angle (deg.)
(g)
50
6.0x107
Frequency (Hz)
(b)
(h)
(f)
100
4.0x107
150
2導体分絶縁体剥離
150
2.0x107
位相角
Frequency (Hz)
Phase angle (deg.)
(d)
800
(a)
200
0
-200
2導体分絶縁体剥離
as
(b)
1400
1200
2.0x107
位相角差分
4.0x107
6.0x107
8.0x107
1.0x108
Frequency (Hz)
(1) 測定端子ー損傷位置間距離: 0.8-1.2m
(2) 測定端子ー損傷位置間距離: 2.8-3.2m
《7》
原子力関連
原子力発電所用ケーブルのケミルミネッセンス測
定による高分子劣化度合いの検証
ケミルミネッセンス(化学発光)とは
《8》
化学発光:物質が化学反応において、励起状態の活性錯合体を経て、基底状態の生成物を生じる際
の発光
熱、光
酸化反応
過酸化物
励起物質
基底状態
光
(出典 東北電子産業HP)
分解
・励起カルボニル [C=O]*
・励起状態の酸素 O2*
=一重項酸素 1O2
この発光
を測定
ケミルミネッセンスアナライザー
特徴:
① 物質の酸化や熱分解などに伴う微弱な発光スペクトルを超高感度
に検出。
② 熱・放射線同時劣化した絶縁体の酸化生成物からの発光を検出
することが可能。
③ 劣化度合いを定量的な関数として表現することが可能。
研究成果の一例
CL intensity (count/s)
2.0x10
1.5x10
A As +AO @135 °C
A As +AO @155 °C
A As +AO @175 °C
A As @135 °C
A As @155 °C
A As @175 °C
5
5
Integral of CL intensity (count)
2.5x10
《9》
5
1.0x10
5
5.0x10
4
4.0x10
7
3.5x10
7
3.0x10
7
2.5x10
7
2.0x10
7
1.5x10
7
1.0x10
7
175 °C 事前熱劣化
0
0.0
0
10
20
30
40
50
60
200
400
600
800
Pre-aging Time (h)
Time (min)
測定温度による発光量の差を確認
Integral of CL intensity (count)
10
9
175
135
155
事前劣化度合いの差を確認
[°C]
酸防あり
酸防無し
E=0.52 [eV]
10
8
E=0.28 [eV]
10
7
6
5x10
-3
-3
-3
-3
-3
-3
2.20x10 2.25x10 2.30x10 2.35x10 2.40x10 2.45x10
-1
Reciprocal Temperature [K ]
酸化防止剤の効果を確認
原子力発電所用ケーブルの劣化
度合いの検証法として期待
《10》
加速器応用関連
ケーブル絶縁用高分子材料の
電子線架橋による改質
《11》
直流ケーブル絶縁用高分子材料の電子線架橋
電子線(電子ビーム)を物質に照射すると様々な変化が起こります。
それらは多くの産業で役立てられています。
・耐熱性の向上
・素材に新機能を与える
ポリエチレン
(高分子)
e-
電子線照射
など
電子線照射により
高分子鎖間結合、すなわち架橋反応が起こる
直流ケーブル用絶縁材料である
低密度ポリエチレンに電子線架橋を施す
電子線架橋が電気特性に与える影響を調査
《12》
加速器応用関連
シンクロトロン放射光利用による
絶縁材料の劣化診断
《13》
Photoluminescence (PL)
フォトルミネセンス(PL: photoluminescence)とは?
光を試料に照射し、試料からの発光をモニターする
⇒電子準位を調べることが可能
①電子が光のエネルギー
を吸収し、励起される
②電子が下準位に落ちるときに、
光としてエネルギーを放出する
電子のエネルギー
上準位
上準位
hn
励起
検出器
hn
下準位
下準位
電子
電子
実際のPLスペクトル
《14》
Sample: 電力ケーブル用高分子絶縁体 (LDPE, XLPE, PP)
真空中、大気圧空気中、大気圧酸素中で、ArFエキシマレーザーが照射さ
れた試料に、シンクロトロン放射光を用いてPLスペクトルを調べた。
PL Intensity [normalized]
劣化前
1
0.8
0.6
Initial
Air
Oxygen
Vacuum
劣化後
未照射時にあった発光帯は、どの雰囲
気においてもレーザー照射することに
より減少する。
0.4
0.2
0
2
3
4
5
Detected Photon Energy [eV]
FIG. Effects of preirradiation of UV
photons in various atmospheres on PL
spectrum excited at 5.6 eV in LDPE.
2.9eV付近に新たな発光帯が生成され
る。強度は照射雰囲気中の酸素分圧と
負の相関関係をもつ。
劣化と電子準位の間には
相関性がある!!
励起光源
シンクロトロン放射光施設
(分子科学研究所: 愛知県岡崎市)
《15》
《16》
加速器応用
高速重イオンと物質の相互作用の
メカニズム解明
《17》
誘電体中のナノ粒子にイオンを注入すると、
ion
Au
Au
Auナノ粒子
イオン注入方向に変形
イオン照射
SiO2
100 nm
図 イオン照射によるAuナノロッド作製(1)
イオン照射方向に平行に長径を持つAuナノロッドを作製可能
イオン照射の利点
同一方向に配向したロッドを作製できる
誘電体内部の粒子を直接変形させられる
doseやイオン種でアスペクト比の制御ができる
(1) J. J. Penninkhof et al., NlMB 242 (2006) 523
《18》
しかし、
ion
Ge
SiO2
Geナノ粒子
イオン注入方向の垂直方向
に変形
図 I7+を 38 MeV注入、1×1015cm-2(2)
誘電体中のナノ粒子種類により変形の仕方が異なる。
高速重イオン注入により、ナノ粒子の変形を制御するためには、
イオン注入によるナノ粒子の変形機構の解明が必要となる。
(2) B. Schmidt et al., NIMB 257, (2007) 30-32
《19》
SiO2/Ge-nanoparticles/SiO2構造体の作製
シリカガラス中のGeナノ粒子が変形を起こすイオン注入条件確立
Geナノ粒子の粒径依存性
SiO2膜厚の依存性
ナノ粒子周辺材料の依存性
Geナノ粒子変形機構解明
シリカガラス中のAuナノ粒子変形と比較
• 高速重イオン注入によるシリカガラス中のナノ粒子変形機構の解明
• 発光デバイスへの応用性検討
《20》
加速器応用
イオン注入による高機能光デバイスの作製
《21》
イオンビームのエネルギー
小
数eV~
数百eV
表面堆積
イオンは固体の
上に乗るだけ
大
数百eV~数十keV
スパッタリング
(イオンビーム蒸
着)
衝突で一部の
原子核が飛び出す
数十keV~
高エネルギーイオン注入
表面で反応せず
奥深くで反応
《22》
例えば、光デバイスの基板材料であるシリカガラスにイオンを注入すると、
イオン重さ等
大
小
Si5+
Glass surface
7.25 mm
(a)
O4
+
10.0 mm
(b)
H+
Glass surface
Glass surface
32.9 mm
(c)
図 イオン注入面に対して側面から観察した光学顕微鏡像。注入イオンは
(a)Si5+(Dose:1×1014 cm-2),(b) O4+(Dose:1×1014 cm-2),(c)H+ (Dose:1×1017 cm-2)
イオン注入条件の選択により屈折率分布を制御させ、
高機能光デバイスの作製を行う。
《23》
現在までの研究結果その1
複屈折光ファイバの作製
2.4 MeV H+
Birefringence [×10-3]
1.5
1
約3倍大きい
0.5
0
従来複屈折光ファイバの
複屈折率
0
1
2
3
4
16
2
Dose [×10 ions/cm ]
5
イオン注入後の光ファイバの断面図(左)と、注入量と複屈折の関係(右)
コア間照射の場合
現在までの研究結果その2
方向性結合器の特性調整
増幅用
光ファイバ
1.55 mm
信号光
1
0.8
Coupling ratio [%]
Coupling ratio [%]
1
0.6
0.4
0.2
0
1200
信号光
Cross 1
Through 1
Cross 2
Through 2
Cross 3
Through 3
0.8
0.6
0.2
1300
増幅器の信号光
と励起光の合波
Core2
Through
Cross
P2
Coupling ratio [%]
Output
P1
z
1300
1600
1700
1400
1500
Wavelength [nm]
1600
1700
1
0.98 mm
Core1
1400
1500
Wavelength [nm]
結合部全体照射の場合
WDM Coupler
Input
1→2→3:大
シフト
0.4
0
1200
励起用
半導体
レーザ
《24》
0.8
0.6
シフト
0.4
0.2
0
1200
1300
1400
1500
Wavelength [nm]
1600
1700
《25》
加速器応用
高エネルギーイオン注入による
バイオセンサの高感度化
《26》
生体分子の優れた分子識別力を使用
特定の生体分子を検出
分
子
識
別
素
子
測
定
対
象
物
質
生物由来の素子
タンパク質、細胞、・・・
信
号
変
換
素
子
パソコンなど
利用される現象
表面プラズモン共鳴
導波モード励起
・・・
《27》
導波モードセンサーの構造
TE モード He-Neレーザー
detector
(photodiode)

プリズム
当研究室では
この構造に注目! Polarizer
Si層
導波モード
SiO2導波路
ストレプトアビジン
たい物質)
(測定し
teflon cuvette
Kretschmann 配置
測定したい物質のみを
吸着させる物質
※潜トラック:イオン通過により形成するダメージ層
《28》
プリズム
1.2mm
Si層
SiO2導波路
220nm
484nm
teflon cuvette
イオン照射
潜トラック※形成
潜トラックに対し
フッ酸蒸気エッチング
137MeV Au30+
fluence 5×109[cm-2]
細孔形成
20%HF
vapor
細孔
潜トラック
484nm
220nm
1.2mm
Si
Si
1
細孔形成後の表面像
《29》
Reflectivity
0.8
0.6
0.4
0.59
0.2
細孔なし
0
67
68
0.19°
69
70
71
Incident angle [deg]
500 nm
72
1
細孔形成後の断面像
Reflectivity
0.8
0.6
0.2
SiO2導波路
0.57
0.4
細孔あり
0
64
65
1.91°
66
67
68
Incident angle [deg]
69
500 nm
角度シフト量10倍、ディップの深さ減は5%以内
導波モードバイオセンサの高感度化に成功
《30》
加速器応用
シリコン熱酸化膜中の
シリコンナノ結晶の形成と空間制御
シリコンナノ結晶の形成と評価
《31》
半導体ナノ結晶
量子サイズ効果による特異な光学・電気的特性
光学・電子デバイスへの応用
イオン注入と熱処理による形成
200 keV Si+イオン
600 nm
SiO2薄膜 イオン
注入
Si基板
nc-Si
SiOx薄膜
Si基板
HFエッチングとAFMによる確認
SiO2薄膜
Si基板
熱処理
PL測定による確認
露出したnc-Si
PL intensity [ARB.UNITS]
300
7.0×1016[ions/cm2]
5.0×1016[ions/cm2]
3.0×1016[ions/cm2]
250
200
150
100
50
0
500
550
600 650 700 750
Wavelength [nm]
800