今なぜ機関リポジトリなのか?

今なぜ機関リポジトリなのか?
慶應義塾大学DRM機構
佐藤 康之
2004年1月
機関リポジトリとは?
• Institutional Repository
• 単独の学術機関または複数の学術機関が
自身の知的生産物を電子的に蓄積・保存・
発信するための電子書庫
• 新たな学術情報流通の構成要素
• 学術機関の認知度や公共的な価値の指
標
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リポジトリとアーカイブ
• 機関リポジトリ
– 機関の知的成果全体を網羅的に保存
– プレプリント、論文、モノグラフ、永続的な価値を持つ
授業資料、データセットなどの補助的な研究資料、会
議録、学位論文、灰色文献など
• 機関アーカイブ
– 機関の歴史や、その役員、教員、職員、学生、卒業生
の活動と業績に関する資料の保存
– アーキビストによる資料の選択
• 役割がオーバラップするので調整が必要
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背景
• デジタルプレゼンテーションへの需要
– 電子出版技術とネットワーク
– 研究量の増加(特に自然科学)と印刷出版モデルの
限界
• 学術情報流通の危機
– 学術雑誌の価格高騰と購読中止(シリアルズ・クライ
シス)
– 市場競争の停滞(大手出版社の市場寡占化)
– セルフアーカイビングの制限
• 学術機関の情報発信強化
– 科学技術・学術審議会『学術情報の流通基盤の充実 4
について(審議のまとめ)』平成14年3月12日
プレプリントサーバの成功
• プレプリント
– 研究者が自身の所属する学術コミュニティに
投稿する出版前の論文
• 研究成果の蓄積と共有
– e-Print サーバ Ex) ロスアラモス国立研究所
– 著者によるセルフアーカイビングの成功例
– 高エネルギー物理学、数学、経済学、認知科
学、天文学・天体物理学・地球物理学分野
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非集中型出版モデル
• 登録
– 研究者:電子論文のリポジトリへの投稿
– 図書館員:メタデータの付与
• 認定
– 学部・学科:査読のためのワークフロー
• 報知
– 機関:オープンリポジトリ間の相互運用
– 専門プロバイダ:メタデータの収集と検索サービス
• 保存
– 機関:永続的なアクセス保証、長期的なデータの移
行・蓄積のための資金確保
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リポジトリ間の相互運用
• メタデータの収集とポータルサービス
– 学際的な研究や発見を容易にする
• グローバルな非集中、分散型リポジトリ・システ
ム
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コンテンツの特徴に沿ったローカル管理
様々な場所やフォーマットによる複数のミラー
永続的な名前付け
標準化されたメタデータ
メタデータ収集プロトコル(OAI-PMH)による自動的
なメタデータ収集
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機関リポジトリの例
• California Digital Library : eShcolarship
• MIT : DSpace
• e-prints
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