ポスト冷戦における国連の紛争処理能力の変遷と検証

ポスト冷戦における国連の
紛争処理能力の変遷と検証
パネルグループC 「安全保障」
宮田龍・笹川光平・吉光諭史
松岡依子・関口宏
ポスト冷戦における国連の紛争処理能力の変遷と検証
目的
1回目:事例を通じて国連の紛争処理の変遷と有効性の検証
2回目:1回目の議論を踏まえ、よりよい、ポスト冷戦の国連
による紛争処理のあり方の検討
パネルの意義
個々の事例の有効であった点、有効でなかった点を明
らかにし、さらに、国連がそれぞれの事例から何を学び取り、次
の紛争処理に活かしてきたのかを明らかにする。
問題提起
個々の紛争処理において国連の介入の何が有効で、
何が有効でなかったのか?
ポスト冷戦における国連の紛争処理能力の変遷と検証
•個々の事例の位置づけ
事例
多国籍軍
オペレーション
湾岸戦争
(91.1~2)
PKO
カンボジアなど
(平和維持活動) (92.3~93.9)
UNTAC
PEU
ソマリア
(平和執行部隊) (92.8~95.3)
UNITAF
UNOSOMⅠⅡ
ポスト冷戦における国連の紛争処理能力の変遷と検証
• 多国籍軍
米国を中心とする複数の国からなる軍隊に安保理が正
統性を付与。指揮権は国連ではなく、各国にある。
• PKO
派遣には平和維持に関する紛争関係者の了解が必要。
その他、大国の参加を拒否し、中立を守り、自衛以外の
武力行使は禁止されている。
• PEU
ブトロス・ガリ『平和のための課題』で提唱された。平和執
行部隊。PKOよりも重装備で活動し、停戦遵守を目的と
して安保理決議に基づき展開。事務総長のコマンドの下
に入る。
ポスト冷戦における国連の紛争処理能力の変遷と検証
論点とそれぞれの主張
オペレーション
多国籍軍
(湾岸戦争)
焦点
有効派
反対派

主体は国連 国連主導による、イラク 実質的にはアメリカ主導。
なのか
撤退への強制処置の成 指揮権は国連にはない。
功。

選挙の実施 有権者投票、武装解除 武装解除が行われないま
PKO
(カンボジア) 武装解除 の成功。議会開催、暫定 ま選挙。一般人の政治参

政府の再構 政府樹立、三権分立の 加難。ポルポト派の武装
築
新憲法を制定。
解除できず。
平和執行部隊 武力行使

内政干渉
(PEU)
(ソマリア)
PKO 活動に加え、武力 国 連 が 紛 争 に 巻 き 込 ま
行使の権限付加。紛争 れ、第三の当事者になっ
中の活動が可能に。
てしまった。