皮膚電位計測演習 – データの分析

皮膚電位計測演習
– データの分析 –
福田玄明
これまで
• 先々週
– 皮膚電位計測の基礎
• 自律神経系
– 皮膚電位計測により,無意識の反応が計測可
能?
• 先週
– 実際に計測をしてみた.
今日
• データを実際に一緒に分析しましょう.
– どのように処理するか.
– どのようなことがわかるのか.
実験の説明
• Maskされた顔刺激に対する皮膚電位反応
サッチャー錯視
サッチャー錯視
使った刺激
1: サッチャー正立
2:ノーマル、正立
3:サッチャー,倒立
4:ノーマル,倒立
問題
• マスキングされた刺激は皮膚電位の変化
を引き起こすだろうか?
– 変な刺激と普通の刺激をマスク下で呈示した
ときの皮膚電位の差を比べることで確かめま
しょう.
– 刺激の種類で皮膚電位の差があれば,何ら
かの処理が,刺激には無意識にもかかわらず
生じたと考えられる.
– 具体的な刺激については次週.
分析方法
• 呈示された刺激の種類で皮膚電位反応の
大きさが変化するのかを確かめよう.
– 指標は振幅(amplitude)
– 刺激の種類
• 向き(正立,倒立)
• 種類(サッチャー,ノーマル)
具体的な方法
• まずグラフを書いて確認
– グラフにしたいデータを選択し,ツールバーの挿
入のグラフをクリック
– 変なデータを除外
• 振幅の計算
– Max関数の利用
• 条件ごとに平均値,標準偏差を算出
– AVERAGE, STDEV関数の使用
– 表を書く
• 統計分析
– データ分析からt検定をクリック
統計について少しだけ
• データには常に誤差が含まれている
• 得られた差が誤差によるものか実験操作
によるものか確かめる必要がある
→統計学的検定の必要性
(t検定,F検定,カイ2乗検定)
例えば
• 青山学院文学部の学生の学生番号が偶
数の人と奇数の人のテストの点数を比較
する
– 多分,差はない
– しかし,例えば,10人ずつ連れてきてテストを
受けた結果が等しくなることはない.つまり,
差がある.
– この差は偶数群と奇数群の学力差なのか,誤
差なのか?
中心極限定理
• 標本誤差は,サンプルサイズを大きくする
と正規分布に近似できる.
– 一つの母集団に対して,たくさんのデータを集
めると釣り鐘型の分布になる.
– 当たり前ですね.
つまり,文学部の学生の学力に大きな差がない,
つまり一つの母集団だとすると,
人数
釣り鐘型分布はガウス関数で近
似できる
μ:平均値
σ:標準偏差
標準偏差
奇数群
偶数群
平均点
点数
•関数がわかると確率が計算できる.
•そうすると,得られたデータが現れる確率が計算できる.
•どれくらい起こりにくいデータなんだろう.
•非常に起こりにくいデータであるならば,同じ分布ではない可能性が高いと言
える.
考え方
•
一般的な検定では,
1. 各条件間のデータには本当は差がないと仮
定する(帰無仮説)
2. 帰無仮説の上で,得られたデータが現れる
確率の計算
3. この確率が十分に低い場合(通常5%以下),
帰無仮説が間違っていると考えられる.
4. 結果,条件間に差があると考えられる.
t検定
• 2つの平均値の差を検定する方法
• t値が得られたデータの起こりにくさのイン
デックス,p値が確率
• p値が5%以下であれば,条件間に差が
あったと考えられる.
• やってみましょう.
この実験
• 結果を分析しました.
– 何が言えるでしょう.
– この実験のどんなところが良くなかったでしょ
うか,また,どうすれば良くなるのか.
– この実験は,生理計測の良さを活かしてるで
しょうか,そうでないならどんなことを調べるべ
きでしょうか
レポート
• 来週のデータ分析まで,含めたものをまと
めて最後の講義のときに提出していただき
ます.
• テンプレートは用意します.
– http://prosody.c.utokyo.ac.jp/~fukuda/source.html
• 質問などは[email protected]ま
で
さいごに
• いろいろやりましたが,どんな感じでしょう.
• すこしでも面白さが伝われば幸いです.