特集に寄せて そうか。その「よき人」も、すべてが 係 )」 の 問 題 で あ る こ と が 提 起 さ れ て い ない経営者が大半だが、じつは「組織(関 ●三好春樹 偏差値の世の中で介護には流れてこなく る。「個体還元論」では、"私"は孤立し ﹁介護の社会化﹂のその結果 は す ぐ に「 あ れ は 自 分 で は な か っ た か 」 なり、代わって、一般社会と同じように、 ていくだけだ。 年前の石川県での事件に対して、私 と題したシンポジウムを呼びかけた。 人を手段にして平気な人が入り込んでき しかし、今回の川崎での事件には、マ 体制の見直しだけでなく、看取りケアが いずみの里の角孝司さんからは、夜勤 これこそが、声を大にして叫ばれた「施 深いところで虐待防止につながるという た。 設のノーマリゼーション」や「介護の社 現 場 レ ポ ー ト が、 藤 渕 安 生 さ ん か ら は、 スコミの皮相な介護観に違和を発信した 会化」の見事な成果ではないか。皮肉な 食し、出し、湯に入るという日常の繰り ものの、介護現場へのアピールはすぐに そこに、ネット上で伊永紳一郎さんが、 話だが。そして、私たちはみんな「社会 返しの豊かさを知り、創りだすことこそ 出てこなかった。 じつにストレートに「あれは自分ではな 化」された「ノーマル」なシステムの中 で深い、これまたストレートなアジテー かったか」と論じ、これまたストレート 伊永さんが告発したのは、個人でも社 ションが届いている。さらに、連載をお が虐待から遠ざかることだという、静か 会でもなく、この「介護保険に組み込ま 願いしている武井桂子さん、磯野真穂さ に組み込まれてしまっている。 れ た 私 」 な の だ。「 社 会 に 対 す る 迷 惑 度 に「虐待なんかするんじゃない!」と訴 えた。 なぜ私はこのストレートさを失ったの か。 んにも虐待についてふれてもらった。 曲せ玉で勝負すべきかなぁ。 く 私 に は も う ス ト レ ー ト は 無 理 だ か ら、 のランキング」で仕事をする私たちが虐 待と無縁でいられるはずがないと。まず、 そ れ を、 私 と 同 じ く「 あ れ は 自 分 だ 」 と言えなかった髙口光子さんの言葉を読 その自覚から始めるべきなのだ。 人の能力や心の問題」としてしかとらえ 山田滋さんからは、いまだに虐待を「個 んで気づいた。││石川の事件の頃には、 介護職は「よき人」という大前提があっ たと思います。││ 29 11
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