continuum QRPA 理論に基づく 中性子過剰Sn 同位体の異常な対振動

Continuum QRPA 理論に基づく
中性子過剰Sn 同位体の異常な対振動状態
下山 裕考、 松尾 正之
新潟大学大学院自然科学研究科 原子核理論研究室
原子核三者若手 夏の学校2010 @パノラマランド木島平
中性子対移行
対付加 過程
対除去 過程
他方の核
対象とする核
他方の核
対象とする核


i [ A  2] ˆ† (r )ˆ† (r ) 0[ A]


i [ A  2] ˆ (r )ˆ (r ) 0[ A]
+
03
+
03
+
02
+
02
g.s.
A-2
g.s.
A
g.s.
A+2
対振動状態と対回転状態
E[Г]
E
E[Г,Δ]
対振動・対回転の研究
D. R. Bes , R. A. Broglia
⊿
(1966)
R. A. Broglia , O. Hansen , C. Riedel , Adv (1973)
ペアリングギャップに対するエネルギーの最小値での揺らぎ
ペアリングギャップ⊿ = 0 の場合
ペアリングギャップ⊿ ≠ 0 の場合
(閉殻 ~陽子・中性子が魔法数)
E
E
対振動
Im⊿
対振動
⊿
0
0gs
0gs
0gs
対振動
Re⊿
対回転
対振動
02
対振動
0gs
02
対振動
0gs
対回転
02
0gs
対回転
研究背景
中性子過剰核の特異性
弱束縛な中性子が存在
低密度現象 (ハローやスキン構造)
動機①: 安定核とは異なる特徴を不安定核はもつため不安定核を
対象とした対移行の研究からも新たな発見があるのでは!!?
最近の対移行の理論研究 ~不安定核が対象~
・
18-22O
E. Khan , N. Sandulescu , N. Van Giai , M. Grasso (2004)
・
124,136Sn
E. Khan , M. Grasso , J. Margueron
・
18-22O, 42-46Ca
(2009)
B. Avez , C. Simenel , Ph. Chomaz (2008)
動機②: 中性子対が核表面付近で強結合対相関を示すなら
“対”の付加や除去が起こりやすくなるだろう!!?
中性子対は密度の低い場所で強く結合する
M. Matsuo (2006)
Continuum QRPA理論
密度
外場  ind
場
r

~
HF
 pair
r
外場による応答
外場による密度の揺らぎ
 ~ ~ * : 応答密度
線形応答方程式

密度の揺らぎによる場の揺らぎ
ind
 HF

誘導場
 ind
pair 
HF
 (t )

 pair



3
  
ext 



  (r ,  )   d r R0 (r , r ,  )   (r ,  )   (r ,  )
~(t )


密度応答関数
 
 
 
 
 
1



, r , E    i )
R0 (r , r ,  ) 
dE
Tr
AG
(
r
,
r
,
E




i

)
BG
(
r
,
r
,
E
)

Tr
AG
(
r
,
r
,
E
)
BG
(
r
0
0
0
0

C
4i
グリーン関数
G0 によって連続状態を正確に記述できる
Skyrme HFB +continuum QRPA
・ Skyrme相互作用パラメーター: SLy4
・ 対相互作用パラメーター
Serizawa , Matsuo (2009)
( cQRPAのphチャネル → Landau-Migdal 近似 )
: DDDI


 
 
Vpair (r , r )  0 1 0.71 (n / 0.8)0.59  (r  r )
低密度で強く作用するタイプ
・ Sn 同位体 (100-150), 0+ 対遷移
対消滅の演算子
P00 
0+


dr
Y

(
r

)

(
r
)
 00
対移行の強度関数
2n 付加
2n 除去
0+
0+
0+
gs
A-2
gs
A
対生成の演算子


P00   drY00  (r )  (r )
gs
A+2
S rm ( ad ) ( E )    i P00(† )  0
2
 ( E  Ei )
i
対移行の対遷移密度



Prm (ad ) (r )  i ˆ († ) (r )ˆ († ) (r ) 0
対生成・消滅演算子による対遷移強度関数
0+2
Box 1/4
strength function
gs
50
118
40
Sn
Sn120 DDDI-matter
gs
120
Sn
Continuum
gs
Padd
Prm
122
0+2
0+2
0+2
strength function
132
Sn
Sn134 DDDI-matter
gs
50
40
gs
134
Sn
gs
Padd
Prm
Sn
136
Sn
0+2 対振動状態
(MeV)^-1
30
+
0 2 対振動状態
20
120Sn
30
134Sn
20
10
10
0
0
0
2
4
6
[ MeV ]
8
10
0
2
4
(MeV)
6
(MeV)
Sn1
Sn1
Sn2
非常に大きい対振動状態への対付加遷移強度が存在
対振動状態はしきい値 Sn1 より高いが幅の狭いピーク
8
[ MeV ]
10
Sn 同位体の0+対振動状態
対振動状態の励起エネルギー
25
しきい値が急激に低くなり、
対振動状態の励起エネルギーとほぼ同じになる
Sn2
20
15
Sn1
Mex
[ MeV ]
10
励起エネルギー
5
中性子過剰領域(A>132)で
とても大きな強度がある
0
100
110
120
130
140
150
A
6
6
対生成演算子による
対付加の遷移強度
対消滅演算子による
対除去の遷移強度
5
5
3
2
1
strength
4
strength
strength
strength
4
3
2
1
0
0
100
110
120
130
N
Sn 同位体
140
150
100
110
120
130
N
Sn 同位体
140
150
対遷移強度
対振動 vs 対回転
25
+
02
A
+
0gs
対回転
A+2
15
strength
+
0gs
20
strength
+
02
対回転
10
5
対振動
0
100
110
120
130
140
N
Sn 同位体
対移行では基底状態への遷移強度が励起状態への遷移強度より
大きくなる
ADVMCES IN NUCLEAR PHYSUCS
M. Baranger, E. Vogt
大きな対付加遷移強度は対回転と同じ程度の強度をもっている
対振動状態の強度は非常に大きい
150
対遷移密度
A-2
A



P (r )  i ˆ† (r )ˆ† (r ) 0
02
gs
gs
gs
2
r P rm
gs-gs



P (r )  0 ˆ† (r )ˆ† (r ) 0
ad
gs
gs-gs
gs-gs
対除去



P (r )  i ˆ (r )ˆ (r ) 0
rm
+
02
r P ad
ad
A+2
+
対付加
2
1.2
r 2 Pgsad
1.2
1
1
120Sn
0.8
134Sn
0.8
0.6
0.6
0.4
0.4
0.2
0.2
0
0
Rrms
-0.2
0
5
10
fm
15
20
[fm]
Rrms
-0.2
0
5
10
15
fm
20
[fm]
対付加の遷移密度では核半径より外側まで伸びる長いテールが存在
外側のテールの分対振動状態の対遷移強度大きい
基底状態での1粒子エネルギーと粒子の占有数
134Sn
-0.40
0.04
136Sn
基底状態
-0.48
p 3/2
0.07
基底状態
弱束縛状態
p 3/2
対振動
-2.14
1.74
f 7/2
対回転
82
-7.77
11.9
-2.30
h 11/2
3.52
f 7/2
82
-7.87
11.9
h 11/2
弱束縛のp軌道に大きな成分を持つ対振動状態と考えられる
弱束縛であるためにテールが長くなっている
対相互作用の対遷移強度への寄与
低密度で強い作用 >

Vn [n ,  p ]  0 1  0.71(n 0.8)0.59

( ここまでの数値計算に採用 )

Vn [n ,  p ]  0 1 0.5(n   p 0.16)1
密度に依存しない >

Vn [n ,  p ]  0
中性子過剰領域 (A>132) で
対相互作用の違いがはっきりする
6
25
5
20
対振動
4
15
strength
strength
対回転
3
10
2
5
1
0
0
100
110
120
130
N
Sn 同位体
140
150
100
110
120
130
140
N
Sn 同位体
低密度領域での対相互作用の強さも遷移強度の増大に役割を担っている
150
結論
Sn同位体の0+対振動状態について調べた結果、対付加の遷移強度が
中性子過剰領域(A>132)から急激に大きくなることが分かった。
その大きさは対回転の遷移強度と同じくらい大きい。
この異常な0+対振動状態の特徴として、
・ しきい値より高いが幅の狭いピーク
・ 対遷移密度は長いテールを引く
( 弱束縛のp軌道が重要な要素を担う )
・ 対相互作用が低密度で強くなることも重要
今後
・対振動状態の波動関数(軌道や占有数)を記述すること
・Sn以外の原子核についても調べること