中級日本語文型

中級日本語文型
第17課 分ける・押さえる(手の機能)
吉林華橋外国語学院
日本語学部 製作
文型
文型1 NというN
・そうじをしているとみえて、寮の窓という窓が開けてあった。
・辞書という辞書を調べたが、「こと」と「の」の使い分けがわからない。
・親は、やけどをした子供の治療のために、病院という病院を回った。
・東京中の図書館という図書館へ行ってみたが、その本はなかった。
練習【 】の中のことばを使って、文を作りなさい。
【入学試験・合格する・よう」、【神社・いう・神社・行く】、【神様・お願いした」。
A 入学試験に合格するように、神社という神社に行って、神様にお願いした。
文型2 ~ように思える
・子供には漢語をたくさん使った文の方が立派な文のように思えるらしい。
・ 「私には山田さんの意見の方が正しいように思えるのですが。」
・けんかの原因は田中さんにあるように思える。
・彼の死因は原子力発電所で働いていたことと関係があるように思える。
・公害病は工場だけでなく国にも責任があるように思える。
練習【 】の中のことばを使って、文を作りなさい。
【マナさん・ガン(cancer)・なる・原因】は、【たばこ・吸いすぎ・ような】思える。
A マナさんがガン(cancer)になった原因は、たばこの吸いすぎにあるように思える。
A マナさんがガン(cancer)になった原因は、たばこの吸いすぎのように思える。
文型3 ~というと
・コンピュータを使ってやる仕事というと、難しい仕事だと考える人が多い。しかし、確かにはじめは大変だが、慣
れてしまえば簡単な仕事だ。
・数学というと、すぐ数式を思い浮かべる人が多いだろう。数学では、確かに数式をたくさん使うが、実は計算より
論理的な推論が重要なのである。
・田中さんのお父さんは警官だ。というと、こわい人を想像するだろう。仕事中は確かにそうだが、家ではとても優
しいお父さんである。
・ 「河合桃子」というと、若い女の子を思い浮かべるだろうが、実は70歳の老婦人の名前なのである。
・北側の部屋というと、寒い部屋だと思いがちだが、実は、南半球では、日がよく当たる、暖かい部屋なのである。
練習【 】の中のことばを使って、文を作りなさい。また、(
)に入る言葉を考えなさい。
【日本・代表する・調味料・いう】と、【みそ・しょう油・答える・日本人・多い】。日本国内では確かに(
)、東
南アジアではある化学調味料が日本を代表しているのである。
A 日本を代表する調味料というと、みそやしょう油と答える日本人が多い。日本国内では確かに
そうだが、東南アジアではある化学調味料が日本を代表しているのである。
文型4 Vてはならない
・大人になっても、一人で大きくなったのではないということを忘れてはならない。
・戦争によってたくさんの人々が亡くなったことを忘れてはならない。
・科学はすばらしいものだが、使い方をまちがえると、恐ろしいものになることを忘れてはならない。
・今でも、食べ物がないために、死んでいく子供たちが多い国のあることを忘れてはならない。
・ほかの人の意見を聞かず、自分だけが正しいと考えてはならない。
・自分だけが幸せになればいいと思ってはならない。
・どんなに欲しくても、人の物を盗んではならない。
練習【 】の中のことばを使って、文を作りなさい。
【テレビ・放送される・こと・すべて・思う】ならない。
A テレビで放送されたことがすべてだと思ってはならない。
A テレビで放送されることがすべてと思ってはならない。
文型5 ~ものの
・大学は出たものの、仕事がまだ見つからない。
・小林さんの意見には反対したものの、だれも、より良い意見が出せなかった。
・アリさんが委員になった方がいいと強く主張したものの、なってくれるかどうか、彼には
まだ聞いていない。
・外交官になるための試験は受けてみたものの、合格する自信はまったくない。
練習【 】の中のことばを使って、文を作りなさい。
【国立大学・おける・女性教員・割合・増加・傾向・ある】ものの、【その割合・たった・9%】過ぎない。
A 国立大学における女性教員の割合は増加の傾向にあるものの、その割合はたった9%に過ぎ
ない。
文型6 NからNに至るまで
・日本では、沖縄から北海道に至るまでどこでも米が生産されている。
・大昔から現代に至るまで、火は我々の生活に役立っている。
・お金から衣類に至るまで盗まれてしまって、旅行が続けられなくなった。
・昨夜9時ごろ、関東から東北に至るまで広い地域で地震が感じられた。
・昨日のマラソン大会には、下は7歳から上は80歳に至るまで300人もの人々が参加した。
練習【 】の中のことばを使って、文を作りなさい。(
)の中に入ることばも考えなさい。
面接試験では、【食べ物・話】から【経済・問題・至る】至るまで【(
)範囲・わたる】質問された。
A 面接試験では、食べ物の話から経済の問題に至るまで広い範囲にわたって質問された。
文型7 Vてこそ
・実際に自分で何回もやってみてこそ、易しいとか簡単だとか言えるのだ。
・アインシュタイン(Einstein)も一度失敗してこそ、次の成功があったのだ。
・自分のやったことに責任がとれるようになってこそ、真の成人である。
・外国に出てこそ、国のことがよくわかるようになるのだ。
・ 「商品を一度試してみてこそ、ほんとうの良さがわかっていただけると思います。」
・ cf. 苦しい時の友達こそ、ほんとうの友達だ。
・ cf. 今日こそ、タンさんをデートに誘うつもりだ。
・ cf. 「あなたのことを思っているからこそ、いろいろ注意するのです。」
練習【 】の中のことばを使って、文を作りなさい。
【相手・よる・ことば・使い分けられる】こそ、【日本人・コミュニケーション・本当に・うまい・いく】のだ。
A 相手によってことばが使い分けられてこそ、日本人とのコミュニケーションが本当にうまくいくの
だ。
文型8 さて
・ 「私の話はこれで終わります。さて、留学生の皆さんはどのぐらい聞き取れたでしょうか。」
・ 「明治から大正、昭和にかけて、日本の女性の地位は高くなってきました。さて、1990年代になってからは、ど
うでしょうか。」
・ 「毎日暑い日が続きますが、お元気ですか。おかげさまで、私も元気です。さて、本日手紙をさしあげましたの
は、実はどうしてもお願いしたいことがありまして・・・・・」
練習正しい文を選びなさい。
「昨日○○県で起きた地震の被害状況についてお伝えしました。さて、(A.とても寒くて大変でした。 B.日
本ではこの1年間に地震が何回ぐらい起こっているのでしょうか。)」
A 「昨日○○県で起きた地震の被害状況についてお伝えしました。さて、日本ではこの1年間に地震が何回ぐら
い起こっているのでしょうか。」
文型9 ~にしても
・会社にしても、工場にしても、学校にしても、コンピュータのないところはない。
・最近では理科系の勉強をするにしても、文科系の勉強をするにしても、コンピュータの知識が必要である。
・暇であるにしても、忙しいにしても、土曜日には水泳をすることにしている。
・ 「会に出るにしても、出ないにしても、連絡してください。」
・ cf.先生にしても、人間だから、まちがえることはある。
・ cf.休みの日はもちろん、普通の日にしても、日本の旅館に泊まるのにはお金がかかる。
練習(
)の中にことばを入れて、文を作りなさい。
(食
)、(飲
)、東京はお金がかかるところだ。
A [例]食べるにしても、飲むにしても、東京はお金がかかるところだ。
形が(大
)、(
)、果物の値段はあまり変わらない。
A 形が大きいにしても、小さいにしても、果物の値段はあまり変わらない。
(元気
)、(
)、電話ぐらいはかけてほしい。
A 元気であるにしても、ないにしても、電話ぐらいはかけてほしい。
文型10 ~にしたがい/したがって
・北半球では、南に行くにしたがって、暖かくなる。
・暗いところでも、目が慣れるにしたがって、見えるようになる。
・留学生の数が増えるにしたがって、寮の数を増やさなければならない。
・トイレが水洗化されるにしたがい、伝染病が減ってきた。
・わりばしが普及するにしたがって、伝染病が減ってきたといういい点もあることはある。
練習【 】の中のことばを使って、文を作りなさい。
【インターネット・利用者・増える】したがって、次々に【新しい・問題・出る・くる】。
A インターネットの利用者が増えるにしたがって、次々に新しい問題が出てきた。
文型11 Vた末に
・二人は深く愛し合った末に、結婚した。
・いろいろ考えた末に、留学しようと決心した。
・苦労の(苦労した)末にやっとつかんだ幸せを大切にしたい。
・5時間の激しい戦いの末に、A選手が勝った。
・昔から人は生活のために木を切ってきた。このまま切り続けた末には、森や林が次々と失われ、
地球は砂漠になってしまうにちがいない。
練習【 】の中のことばを使って、文を作りなさい。
【1年間・わたる・説明する】末に、【やっと・工場・建てる・なる】
A 1年間にわたって説明をした末に、やっと工場が建てられることになった。
A 1年間にわたる説明の末に、やっと工場が建てられるようになった。
語句
語句1 (でき)上がる
・でき上がる・染め上がる・焼き上がる・晴れ上がる
・紅茶を使ったら、布はきれいな茶色に染め上がった。
・ケーキがいい色に焼き上がった。もういつ友達が来ても大丈夫だ。全部でき上がった。
・今日は空がきれいに晴れ上がっていて、いい気持ちだ。
・cf. タンさんは、何時間もかかってついに論文を書き上げた。タンさんによると、難しいことをし上
げるのはとてもいい気持ちだそうだ。
・cf. 今日は、初めて恋人のマナさんが家に来る。食器はすべて洗い上げ、きれいにみがき上げた。
ぜひマナさんとのいい関係を作り上げたい。
練習(
)の中にことばを入れて、文を作りなさい。
論文が(
)という連絡をもらった。
A [例]論文ができあがったという連絡をもらった。
語句2 一(足先に)
・ひとばん(一晩)・ふたばん(二晩)・いくばん(幾晩)
・ひとつき(一月)・ふたつき(二月)・みつき(三月)・いくつき(幾月)
・ひとさら(一皿)・ふたさら(二皿)・いくさら(幾皿)
練習(
)の中にことばを入れて、文を作りなさい。
このレポートは、きのう(
)書き上げた。
A [例]このレポートは、きのう一晩で書き上げた。
語句3 (歩き)回る
・お金を貸してくれる人を探してあちらこちらとび回ったが、だめだった。
・日曜日に子供が急病になったため、病院を探して駆け回った。
・あの政治家は責任をとらずに、逃げ回っている。
点急にいなくなってしまった犬をさがして、近所を聞き回ったが、見かけた人はだれもい
なかった。
練習(
)の中にことばを入れて、文を作りなさい。
社長のマナさんは、仕事で世界中を(
)。
A [例]社長のマナさんは、仕事で世界中をとび回っている。
語句4 (切り)分ける
日本人にとって、英語の“L”と“R”の音を聞き分けることは難しい。
目が悪くなったので、遠くの「わ」と「れ」の字を見分けることができない。
日本語が難しいのは、相手によって言葉を使い分けなければならないからである。
練習【 】の中のことばを使って、文を作りなさい。
八百屋でアルバイトをしているアリさんは、【新鮮な・野菜・か・見分ける】が上手だ。
A 八百屋でアルバイトをしているアリさんは、新鮮な野菜かどうか見分けるのが上手
だ。
語句5 -用
・a 学生用・先生用・男性用・女性用・子供用・大人用
・b トイレ用・体育館用・運動場用
・c 外出用・登山用・パスポート用・旅行用
・非常用
・男性用のトイレは一階と三階にあり、女性用のトイレは二階にある。
・体育館用の運動靴と運動場用の運動靴は分けなければならない。
・パスポート用の写真は縦4.5センチ横3.5センチでなければならない。
練習(
)の中にことばを入れて、文を作りなさい。
地震のときなどに飲む(
)水を用意していますか。
A [例]非常用の水を用意していますか。
語句6 Vては
・母は赤ん坊の(すやすやと眠っている)寝顔を見ては、安心する。
・小さい時、兄にお菓子をとられてはよく泣いた。
・悪い男の子たちはかわいい女の子をからかっては、喜んでいる。
・あき子ちゃんはデパートへ行く度に「赤ちゃんを買って」と言っては、両親を困らせる。
・cf.雨が降ってはやみ、降ってはやみしているうちに、夏になった。
練習【 】の中のことばを使って、文を作りなさい。
【亡くなる・子ども・写真・見る・泣く】いる。
A 亡くなった子どもの写真を見ては泣いている。