銀河系ハロー ミラ型変光星探査 坂本強(日本スペースガード協会)、 松永典之(東大)、前原裕之(木曽観測所)、 三戸洋之(東大木曽観測所)、長谷川隆 (ぐんま天文台)、中田好一(東大木曽観測 所) Sakamoto et al. 2012, ApJ, 76, L90 銀河系概略図 ハロー 13Gyrの星が支配的 <10Gyrの星も存在 金属量が枯渇 厚い円盤 (10-13Gyr?) 矮小銀河 (20-30個) 0-13Gyr ~107-10Msun 金属量が枯渇 Sun 薄い円盤 <10Gyr 金属量が豊富 たくさんのミラ発見 銀河系ハロー SDSSにより大規模な恒星流発見(~100kpc) 矮小銀河 恒星流 矮小銀河の星 が銀河系潮汐 場で剥がされ 形成(主に Sagittarius dSph) 銀河系ハローにおける 過去の探査 広域にわたる系統的な探査は主に古い種族 炭素星の探査はあり (Totten et al. 2000;Ibata et al. 2001;Mauron et al. 2007) 既知の炭素星の距離の不定性大きい (我々の観測で大部分はミラ型変光星とわかった しかし 周期測定なし) 化学組成にバイアスあり(O-rich Miraサーベイなし) ⇒ ・10Gyr以下の星が銀河系ハローにどのように分布し、階 層的銀河形成論の予言と合致するのか不明 ・低金属量下での恒星進化、ダスト形成不明 ミラ型変光星 1、非常に明るく、振幅大きい(I>0.8)ので同 定は容易 2、周期光度関係によって高精度距離決定 (周期決定が重要) 我々の観測 銀河系ハローにおいて広域にわたってミラ型変光星を探査し、 3次元空間分布を決定する 木曽観測所1m望遠鏡+2KCCD 2009年1月-2012年2月(解析 終了) 木曽観測所1m望遠鏡+KWFC 2012年2月-現在(解析中) I-band サンプル619個 -RA=21-24h,0-4h,8h-16.5h,b>30° 2MASS J-H>0.7,H-K>0.3,K<13.5 (SDSS g’-r’>0.8,r’-i’>0,i’<18.5) を満たす星(stream領域に限定していない) -Sextans dSph方向の振幅大の1星 (Palmar-Quest Survey) 発見したミラ型変光星 16個のミラ型変光星検出(振幅>1等,P>100日) 長期にわたる 変光トレンド 空間 分布 PL relation で距離決定 星間吸収、 星周ダスト 吸収補正 Sgr streamと一致 ハローミラはSgr dSphで形成 既に破壊された 矮 小銀河は初期に星 形成停止? Sextans dSph ~90kpc Sgr dSph Sgr stream(Law et al. 2005,prolate) 周期分布 多くのミラが 300日以内 I amplitude0.5~1 I amplitude>1 銀河系内の矮小銀河の 平均金属量 LMC Ultrafaint dSphs Sextans dSph Sakamoto et al. 2012, ApJ, 76, L90 #2 [Fe/H]~-1.9(Battaglia et al. 2011) #1 cf.LMC –1~-0.5 2つのミラを発見-最もmetal-poor Carbon-rich Mira に 星周ダストの存在を示唆 天体名 距離 (kpc) 視線速度 周期 C-rich or (km s-1) (日) O-rich +10.0 Sextans dSph 90.0 -10.0 226±8.4 #1 #2 +12.3 72.0 -10.3 202±12 78.8 +11.2 -9.9 tidal radius 228±2 星周ダスト が存在 - - 314 C-rich J-K~2.2 121 O-rich - 銀河系 ダークハローの軸比へ の制限 Prolate dark halo 制限つかない 個々のミラ がSgr streamに付随す るのか否か決定 精度不足 Oblate dark halo streamの同定精度上げる方法 1、ミラのサンプル不足 →KWFCさらなる探査で増加へ 2、近赤外線平均等級なし →近赤外線でモニタリング 3、視線速度情報なし →可視赤外で分光 KWFCでの観測 (遠方赤色ミラ、青色ミラ) 探査なし どのような構造か不明 →赤色ミラ探査 赤色ミラ探査のみ →青色ミラ探査 Sagittarius stream (Law et al. 2005) Sagittarius stream(Law+05) 2009-2011 のサンプル (I<18.5, K<13.5) 探査なし 早期AGB 2012- 2012(I<19.5, K<14) Marigo et al. (2006) まとめ 銀河系ハローの広域にわたってミラ型変光星探査を行っ た(空間的なバイアスなし) ほとんどのミラはSgr streamに付随している。90kpcまで 発見。 Sextans dSphに最もmetal-poorな2つのミラを発見。非 常にmetal poor([Fe/H]=-1.9)の環境下で初めて circumstellar dustの存在を示唆。 銀河系ダークハローの軸比への制限は弱い。付随する ストームの同定の精度不足が原因。 青色ミラ候補星+発見ミラのKWFCモニタリング実施 発見したミラの視線速度測定、近赤外モニタリングを行 空間 分布 X-Y平面 Sgr streamと一致 ハローミラはSgr dSphで形成 J-K のヒストグラム ダストの存在を示 唆
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