プログラム設計方針 - s-nakahara.com index page

8.今後の課題・感想1
1.安全確保:余震が続き、高速道にも10cm程度の段差
最終が深夜の長距離となった
→中間集積地/前進基地を群馬大に設置。
2.ドライバーの確保:平日ということもあり、少数の人員で回した。
最長は約1100km:60歳の女性
→関東地区での車輌とドライバー確保への調査開始
3.資金:初期費用で2回分の運送費を予め確保
緊急物資車輌認定で高速道路無料←プロの仕事
4.出発時に数少ない明るい話題として新聞報道、地域SNSの認知
子供から尊敬されるようになった父母も。親子での参加も。
5.次回に向けた議論が現在進行形で続いており、記憶の風化から
逃れられる見込み⇔阪神淡路は3月の地下鉄サリン事件発生で
被災地以外の人間の記憶から薄れてしまった
近藤修司氏による
我ら「大震災【村つぎ】リレー」プロジェクト輸送隊
★プロジェクト参加サイト(2011年4月5日現在)
モリオネット(岩手県盛岡市) 1183名
桐生SNS(群馬県桐生市) 131名
あついぞhotコム(埼玉県熊谷市)779名
さんむSNS(千葉県山武市)136名
eじゃん掛川(静岡県掛川市) 2511名
愛っち!(愛知県春日井市) 315名
いたまちSNS(兵庫県伊丹市)1568名
さんでぃ(兵庫県三田市)
593名
さよっち(兵庫県佐用町)
547名
ひょこむ(兵庫県姫路市)
6025名
e-とちぎどっとこむ(栃木県宇都宮市)583名
かちねっと(東京都葛飾区)
841名
お茶っ人(京都府宇治市)
2017名
E-宍粟(兵庫県宍粟市)
394名
おのみっち(広島県尾道市)
498名
2011/4/9 10:00
岩手県盛岡市
2011/4/8 10:00
愛知県春日井市
2011/4/6 12:00
広島県尾道市
2011/4/710:00
兵庫県姫路市
2011/4/8 14:00
静岡県掛川市
2011/4/8 23:00
東京都葛飾区
「ひょこむ」
代表
和崎氏提供
その他
• 被災地からの通信の切り札となった
衛星携帯電話には、筆者の特許や
ノウハウが活きています。
• 社会人となってからの各段階
研究所技術者、地域情報化/地域活性化、
マネジメントと総ての段階での成果が役立って
いるのは、望外の喜びです。
先は長いです。息切れせぬよう、共に歩みましょう。
課題・感想2:個人として(学んだこと)
1.自分の役割:情報集積点、異分野組織仲介/調整役、環境整備/組織運営者。
2.自分の周囲:評論家より実践者が多い。文句を言う前に自ら動く。
3.結局最後は人
・組織の看板を背負う人の方が、その看板に潰されて動けなかった。
・根底にあるのは、普段からの人付き合いや結び付き。
・地位があっても、普段偉そうにしていても、動けない人、敵前逃亡する人、
何も声さえかけてもらえない(誰からも期待されない)人がいる一方、
皆から心配されて、応援が集中する人もいる。
4.女性パワーは凄い:行政に代わって奮闘する人間の多くが女性。
5.個人集団と組織人のコラボの有効性
ベンチャーやNPOという組織よりも個人を前面に出す集団は推進力、
瞬発力は凄い。しかし、持続力とか、根回しは不得手。そこを組織人が補完
6. 「生かされている」感が上昇
衛星携帯電話、ベンチャー支援、地域振興と活動総てが役立つという稀有な例。
7.当分引退は無理か
ベンチャーやNPOという組織よりも個人を前面に出す集団と組織人は
水と油のように発想から行動原則まで異る。
従って、その仲介ができる人間は、まだまだ少数派。
安全・安心を確保するICT調達の特長(私見)
今回に限らず以前から
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平時には、調達数少←自治体緊縮財政
災害・事件が起きてから緊急調達急増
調達が活発なのは半年のみ(喉元過ぎれば)
担当者、首長が変わると教訓活かされず
↓
調達の急増に対応できない(部品手配、IC増産)
調達少ない平時は生産ラインが維持できない
半年後には、仕掛品、部品在庫の山
↓
メーカーにとっては参入リスク大
製造は企業の社会的責任への対応頼み?
課題・感想3:コーディネーター考
1.コーディネーター、ファシリテーターが大量に必要との意見に違和感。
2.コーディネーターとは?武士(もののふ)の心を有する専門家。
・そもそも稼動がかかった時点で負け戦:現場だけで回るなら不要。
撤退戦の殿(しんがり)を志願するようなもの。
・周囲は皆敵:自分達ができなかったことを成功されて喜ぶ人/組織は無い。
・交渉時には裃の下に白装束を着込んでいるような気迫が必要。
・自らの利を追求しない姿勢と、実績に基づく周囲の信頼が必要。
3.必要とされる知識/資質は多様多岐。
商店街を含む産業振興、デザイン、観光、IT、流通、産学連携といった
広範囲の専門性と地域の文化/歴史に対する理解の両立+人脈。
4.受け入れる側にも度量が要求される。
・自組織の顔を潰す可能性もある。体面より全体の利益を優先できるか?
・コーディネーターはいなくなるが、自分は、その組織に留まるため、
周囲の反発に耐え続ける必要。
・利では動かぬコーディネーターを動かす人としての覚悟と魅力が必要。
5.養成は困難
・第2項に示したマインドを有する人間を育てられるのか?
・第2項に示し、高度な知識を必要とされる割には報酬が希少。
従って志願者そのものがいない。
ご清聴感謝いたします。
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