システム構築の目的 開発計画を作る最終的な狙い →「システム構築で狙いとした目的を実現す ること」にある。 システムを構築するユーザの目 的 仕事をもっと簡単に、楽に、短時間にこな せるようにしたい 売り上げを増やしたい 生産のリードタイムを半減させたい 棚卸資産を大幅に圧縮したい 個人やチームの能力を向上させたい ユーザがシステム構築に求める 事 経営課題の実現・企業が抱えている問題の解消 組織の体質強化・競争力強化 目的の実現のためには 業務の仕組みを見直し変更 期待通りにシステムを開発すること 利用者がシステム構築で掲げた目的実現 へ向けてシステムを利用し、活用すること 開発計画策定時の実施事項 (1) システム構築の目的、対象業務と範囲を明確に する ビジネス環境を含む現状を調査分析し、目的達 成に結びつく新しい業務モデルを構想する 新しい業務モデルと現状のギャップを埋める方 策を検討する 新しい業務モデルを業務プロセスに展開し、機能 を定義する 開発計画策定時の実施事項 (2) 情報システムの概要を設計し、システム用 件を定義する 業務改革、組織改革の推進事項を明確に し、推進体制を立案する システム構築スケジュールを作成して、シ ステム化計画を作成する 投資対効果などを評価し、開発計画の承 認を求める 開発計画策定時の実施事項 (3) システム開発への指示・指針として、検討結果を 文書化する 開発計画立案における検討事項 (1)業務目的を達成するために組織として何を実 現するか (2)そのためにどのような仕組みを構築するか (3)その仕組みを支えるため、どういう情報システ ムを組み込むか 3-2 開発計画プロジェクトの 立ち上げ 開発作業を推進するため、開発計画を立 案するプロジェクトを立ち上げる。 2節ではそのプロジェクトの立ち上げに至 るまでの活動とこのプロジェクトチームにお けるSEの役割などを解説する。 プロローグ 検討の始まりは何らかのきっかけから きっかけは、オペレーションレベルからの 場合もあり、経営レベルからの場合もある。 プロジェクトチームの性格を決める 開発計画策定へ向けた 活動計画の立案 情報システムの開発計画を立案するには →開発計画で解決すべき課題を整 理する必要がある。 課題は組織の活動に関係したものが大半 開発計画を策定するプロジェクトを立ち上 げ、専門技術・業務に精通した関係者が集 まって検討する必要がある。 プロジェクトを立ち上げに至るまで の主な活動 対象領域の絞り込み プロジェクトの活動計画を検討する上では、 対象領域の選定とプロジェクトチームの編 成の2点がポイントになる。 特に対象領域がある程度絞られていない と、プロジェクトチームのメンバー構成を考 えることもできない。 システム化領域の選定 プロジェクトチームにおけるSEの役割 情報システムを構築する 業務と情報技術を組み合わせて新しい仕組みを創造する。 開発計画を策定する 経営層やユーザ部門の要求に基づいて、情報システムの 具体的な仕様をまとめ上げ、それを実現する実行計画を 作る。 プロジェクトチームにおけるSEの役 割(2) 開発計画を立案に参加するSEには、単なる情報技術 の知識だけでなく、開発計画を立案するプロジェクト のガイド役としての役割が期待される。 ガイド役の役割は・・・ 1)プロジェクトの進め方をガイドする。 2)使用の記述方法を指導する。あるいはユーザー部門 と一緒に使用を作成する。 3)計画のフィージピリティスタディ(実現性の評価)を行う。 プロジェクトの立ち上げ ある程度の方向性と基本的な構想がまと まる プロジェクトチームを編成 計画内容と方針の説明 とことん議論する プロジェクトの立ち上げ プロジェクトの立ち上げ 少人数のメンバーによる活動計画の検討 徐々にメンバーを加える 関係部門の代表者をメンバーとするプロ ジェクトチームへと移行 システム構想を立案する手順 図1: システム構想を立案する手順 システム構想を立案する手順 (2) 表1: システム構想の立案における主な活動 現状調査・分析 調査分析 1、目的をはっきりさせる 2、その目的にあった調査方法を選択し実行 3、調査した事実に基づいて問題を構造化 問題の真の原因を分析 現状調査・分析 (2) 一般的な調査項目 ・ビジネス環境: 市場、競争先、取引先、法規制など ・現行業務:組織・業務上の課題、技術動向、業界動 向など ・情報システム:現行システムの機能、アーキテク チャ、処理能力、保守・運用方法など 業務のあるべき姿の検討 SWOT分析 外部環境、内部環境の分析から事業の方向性を 見出す手法 S W O T … Strength (自社の強み) … Weakness (自社の弱み) … Opportunity (自社にとっての機会) … Threats (自社にとっての脅威) ■ ギャップ分析 “あるべき姿の現実のギャップ” “ギャップが大きければ 段階的な構築を検討する“ ■ 業務プロセスへの展開 概念的業務モデル 業務プロセス オペレーションズレベル 業務プロセスの再構成 ■ システム方式の策定 情報システムの概略の設計 新たな業務プロセスの各機能 ● 情報システムで行う ● 人手で行う 情報システムの システム機能、使用するハードウェア・ソフトウェア構成 をそれぞれ定義 ■ システム方式の策定 (2) 1 . 導入システム 導入システム機能を以下のように定め、それぞれの処理フ口ー、処理機能、 関連データを定義。 ( 1 )販売管理システム 基本的な機能は従来のシステム機能を踏襲する。 商社・代理店へ提供するシステム機能を追加する。 エンドユーザの要望を取り入れ、一部の機能を改善する ( 2 )情報提供システム 自社ホームべージとは別に製品情報を提供する Web サイトを立ち上げる。 最終顧客向けの製品情報と営業担当者向けの教育コンテンツを本システムから 提供する。コンテンツ作成ソフトはパッケージソフトを購入する。 ■ システム方式の策定 (3) 2 . システム構成 使用する機器(サーバ、 PC ) の仕様、導入台数の概算、既設 PC を 活用するための追加ソフト 3 . ネットワーク構成 商社・代理店とのネットワーク接続方法、営業拠点との回線増強の 要求内容 3-4 システム化計画の立案 システム面 → システム化計画として具体化 人の作業に関するもの →業務改革計画もしくは業務改 善計画として策定。 システム化計画の基本用件の確認 その他の用件の考慮事項 ・新システムへの移行方法 ・ソフト開発の利用環境や稼動後の運用環境 ・教育訓練・品質管理体制・セキュリティー対策を検 討。 開発計画の策定 各業務機能別の稼動時期を設定 業務面、システム面の作業課題をスケジュール化 マスタースケジュールの作成 開発推進体制の立案 システム構築の プロジェクトチーム体制例 業務改革チーム システム改革チーム 費用と期待効果の算定と評価 ・一時費用 →機器の取得費 ソフト開発費 ・運営費用 → 稼動後に発生 一時費用と運営費用 費用と期待効果の算定と評価 定量化効果→システム構築の期待効果を金額 換算。 定性的効果→金額換算できない。 効果が見込めない場合は? →プロジェクト開始時の基本的方針に誤りがあっ たということ。 費用と期待効果の算定と評価 (3) 計画内容の妥当性を判断。 基準に達しない場合 →計画の差し戻しもある。 開発計画書の用途(1) システム構築プロジェクトの進捗管理や稼 動後の評価などに活用 それ以外にも、REP(Request For Pro posal)の作成などにも利用 開発計画書の用途(2) 開発計画の作成例 組織名の変化 情報システム部門は組織名がたびたび変化 -1960年代 経理部門 → コンピュータ室 -1970年代 情報システム部、システム部 -1990年代 情報企画部、情報企画室 情報技術の進歩や経営からの要請の変化に対 して部門としての役割を変えてきた結果
© Copyright 2024 ExpyDoc