組織の社会責任規格は 今後の企業・NPO・地域社会に どうかかわる? NPO/NGOが紡ぐ ステークホルダー・エンゲージメントのあり方 IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所] http://blog.canpan.info/iihoe/ 代表者 川北 秀人 コミュニケーションから エンゲージメントへ (monologueとしての)reporting 行為・実績の羅列 → 読みやすさ = 使いやすさ? dialogue ステークホルダーとの「一時的な接点」? → 継続的な対話 engagement 相手を巻き込んで、力を借りる! IIHOEって? 組織目的: 地球上のすべての生命にとって、 (1994年) 調和的で民主的な発展のために 社会事業家(課題・理想に挑むNPO・企業)の支援 隔月刊誌「NPOマネジメント」発行 育成・支援のための講座・研修(年100件以上) 地域に根ざして活動する団体のためのマネジメント講座 行政と市民団体がいっしょに協働を学ぶ研修 ★企業の社会戦略(責任・貢献)のデザイン ★ビジネスと市民生活を通じた環境問題の解決 2020年の地球への行動計画立案 専従3名+客員4名、浦安・京都、約5500万円 企業の社会責任(CSR)・貢献の支援 「社会・環境報告書」に 第三者意見執筆(07年) アドバンテスト エスエス製薬 カシオ計算機 損保ジャパン デンソー 東京ガス NEC NECパーソナルプロダクツ 日本航空 バンダイナムコHD ブラザー工業 三菱化学 三菱ケミカルHD 市民との対話の支援 (左の13社以外に、07年) 凸版印刷 日産自動車 富士フイルムHD(フイルム+ゼロックス) 三菱東京UFJフィナンシャルG 戦略立案・人材育成の支援 社会貢献の支援 ステークホルダー・エンゲージメント塾 セブンイレブン(みどりの基金) 松下電器産業(サポーターズファンド) トヨタ自動車(環境活動基金) 関連コラムの連載 日経CSRプロジェクト 環境goo(NTTレゾナント) 念のため、確認! CSR ≠ 社会貢献 CSR = 環境+人権+安全+・・・ =企業の社会におけるすべての責任 (Corporate Social Responsibility) 「法的責任」から「社会責任」へ 法律を守るだけで、 顧客は信頼してくれるか? 品質は向上するか? 得意先は、扱い続けてくれるか? ブランドの価値は、高まり続けるか? → 法律を超えた取り組みがなければ、 持続可能な企業経営は、ありえない。 → 「経済」を守り続けるための「環境」と「社会」 「ISO26000/SR」も、2010年発効予定 CSRではなく、「SR」=すべての組織の社会責任 当然、企業だけでなく、NPOにも、行政にも、労組にも 社会責任は問われている。(その頃にはXBRLも。。) → 詳しくは「NPOマネジメント」第52号「NSR特集」参照 では、NPOや行政は社会責任を果たしているか? 環境負荷を下げる努力はできているか? 紙・ゴミ・電気は?→調達・使用・廃棄を通じて対応してる? 参加者・支援者・スタッフの安全は守れているか? 労働・品質・情報の安全は確保できてる? 参加者・支援者・スタッフの健康は守れているか? 「辞めるのは本気じゃないから」?!? → 「課題解決のプロフェッショナル」として、これから。。 本気でSRしないと、自治体も生き残れない! 安全よりメンツを守るまちのギョウザ、食べたい? 環境や交通に配慮がないまちに、住みたい? 「職員が誇りを持って働ける役所」と 「そうでない役所」、どっちが良いまちになる? 「子育てしやすいまち」と「しにくいまち」、 どっちに住みたい? 「子どもが本気で就業体験できるまち」と 「できないまち」、どっちで働く若者が増える? 「女性や外国人が活躍するまち」と 「しにくいまち」、どちらに企業は進出する? 問われる責任の進化に、どう対応するか? 環境広報 → 環境・社会コミュニケーション → ステークホルダ・エンゲージメントへ 「Eco-Friendlyなイメージ」の発信 →対話を通じたSustainability =「事実に基づく Eco-Friendliness + Socio-Friendliness」の確認 →社会責任を果たすために、NPOやサプライチェーンなど「相手を巻き込んで、力を借りる」 80年代 90年代前半 90年代後半 00年代 10年代 バブル ポストバブル 不況の長期化→デフレ 雪印ショック(安全性の不信) ITバブル エンロン事件(会計事務所も加担) 地球環境サミット 温暖化防止条約会議(COP) 資源高騰 第1約束期間 GRI(レポートの国際ガイドライン) G3(マテリアリティ) ROHS、REACH 容器包装など各種リサイクル法 → 完全施行へ グリーン購入法 森林税 改正省エネ法 →総量規制? プリウス発売 → 燃料電池自動車発売 (「エコっぽい商品」開発ラッシュ) → グリーン購入対象商品の品揃え 環境担当部門の設置 → ISO14001認証 → EMSの活用 「地球にやさしい」広告 → 環境報告書発行 → ウェブ整備 → 対話イベント開催 (製造物責任、個人情報保護、談合厳罰化、製品安全法、飲酒運転厳罰化) →いよいよISO26000 (ステークホルダー・エンゲージメント) 「社会からの期待」に応える約束を 誠実に履行できるか? 法律は止まっているが、社会は動き続けてる! 社会の関心の広がり・深まりが、そのまま期待に! では社会の関心は、どう広がり、どう深まるのか? → 継続的な対話(ステークホルダー・ダイアログ)や 相手を巻き込んで力を借りる(エンゲージメント)! 「安全性の主張」が「安心=信頼」に結びつくか? 「良いことばかり書かれていて信頼できない」 課題と対策の率直な開示が、信頼につながる → 「消極的な責任」から、「積極的な責任」へ 本気でCSRしなきゃいけない10の理由 二酸化炭素の排出規制 廃棄物の抑制・リサイクル エコ調達、SCM (サプライチェーン・マネジメント) (中期的には)コストダウン CO2排出=エネルギー消費 雇用上の魅力 処遇上の働き続けやすさ 安全衛生 労働・品質・情報の「安全」 独自性・ブランド強化 BCP(緊急時の事業復旧) 地域における信頼 ブランドの脆弱さ → 守りのCSR → 攻めのCSR 基本は、EHS+C Environment(環境) Health(健康) + Human Rights(人権) Safety(安全) + Security → Employees’ Happiness Standard! (従業員の幸福水準) Community(地域またはテーマ社会) (いつも同じ話で恐縮ですが) 責任の3次元を、 どこまで拡大できるか? 責任の3次元 = 事項(何を:issue)×主体(誰が:reach)×程度(どれだけ:depth) → 事項の網羅性は、ガイドラインで一気に拡大 新しい事項として、人権、ファミリー・フレンドリネス、 メンタルヘルス など 程度は、情報開示の拡大で「水準」が向上 法的責任の範囲か、日本で「さすが」か、世界で「すごい」か? ISO26000/SRが挙げる「主要課題」(第7章) 組織統治(7.2) 無差別、社会的弱者への関心 共謀の回避 市民的・政治的権利 社会的・経済的・文化的権利 労働における基本的権利 雇用と雇用関係 労働条件と社会的保護 社会的対話 労働における安全衛生 人間開発 環境(7.5) 汚染防止 持続可能な資源の使用 気候変動の緩和と適応 自然環境の保護と回復 公正な事業慣行 (7.6) 汚職防止 責任ある政治的関与 公正な競争 影響範囲における社会的責任の推進 財産権の尊重 消費者課題 (7.7) 労働慣行(7.4) 意思決定プロセスと構造 権限委譲 人権(7.3) 公正なマーケティング、情報、契約慣行 消費者の健康と安全の保護 持続可能な消費 消費者サービス、支援、紛争解決 消費者データ保護、プライバシー 教育と認識 コミュニティの社会的・経済的発展(7.8) コミュニティ参画 雇用創出 技術開発 富と所得 責任投資 教育と文化 衛生 能力開発 日本企業の社会責任:12のチャレンジ 人的多様性 「機能しない制度」の打破 日本人の多文化経営力か、 多様な人材による経営か? トップ+管理職:他社を学ぶ 現場:求めよ&誉めよ! グループ:共有価値と独自性 運営体制:統括から促進へ 生物多様性:調達・立地・管理 コンプライアンス:評価の徹底 CO2:徹底+イノベーション! 「対話」:対象と成果目標? 水!:どう確保し続ける? 社会貢献:戦略と専門性! BCP:社会との接点を再確認 全社をコミットさせる! 身近な水源+世界での保全支援 地域住民:傾聴と積極性 顧客:「質問」に答え続ける! 安全:指導内容・体制の再編! 協働:対象と成果目標? 人権:ブランド+人材確保 「責任範囲となる主体」は、まだまだ。 本社だけか、国内連結会社だけか、 海外グループ会社も含むか? グループ内だけか、 調達先から販売・整備会社まで含むか? 新しい広がりとして、 調達先・販売会社の多様性促進 調達先の外国人従業員の雇用・就業条件 原材料採集地の地域住民の人権 → 企業の関心・危機感・対応は、やっと高まってきた 特に信頼してほしい人は、誰? - 重要なステークホルダーとは ★顧客(海外含む) 株主 ★格付機関・金融機関 行政(海外含む) 自治体 国 従業員(グループ含む) トップ・マネジメント 中間管理職 ★現場 海外! 取引先(海外含む!) 調達先 ★供給(販売)先 ★従業員の家族(海外含む) 事業所周辺の地域住民 地縁団体(町内会) 学校 海外! 「市民」 こども 主婦 ★サラリーマン ★学生 リタイアした人たち ★NPO(海外も!) その人たちは、 誰から、何を聞けば信頼してくれる? たとえば・・・ 顧客 格付機関 現場 供給(販売)先 従業員の家族 サラリーマン 学生 NPO 誰から? 何を聞けば? 販売の最前線 安全性(素材、使用上、廃棄時・・・) IR/環境担当 検証可能な、収益向上と環境・人 権負荷削減の実践 社長と上司 理念と実践の一致 安全性(素材、使用上、廃棄時・・・) 営業担当 本人と第三者 理念と実践の一致 第三者 理念と実践の一致 広報/採用担当 取り組みの理念と実践 各業務の現場 検証可能な、環境・人権負荷削減 の実践 CSRの現場(最前線)は? 顧客 自治体 販売先 国 調達先 現場の社員! 従業員の家族 株主 格付機関 金融機関 市民 NPO CSRからESRへ トップダウンとボトムアップのバランス! Corporate Social Responsibility Company Social Responsibility Division Social Responsibility Employee Social Responsibility CSRの最前線は、日常の現場! CSRにきちんと取り組める会社は、 他のこともちゃんとやってる! 品質管理も、製品安全管理も、顧客満足も、CSRも、 結局は現場の継続的な改善力 小集団活動の成功のポイント? 具体的な目標 頻繁なふりかえり 他のユニットと定期的に(頻繁に)共有する 良い事例は誉める 課題があれば、惜しまず解決に協力する コミュニケーションから エンゲージメントへ (monologueとしての)reporting 行為・実績の羅列 → 読みやすさ = 使いやすさ? dialogue ステークホルダーとの「一時的な接点」? → 継続的な対話 engagement 相手を巻き込んで、力を借りる! 市民の声は、 「市場=現場で顧客が何を考えているか」 購買結果も重要だけど「なぜそれを選んだのか」 という理由・背景は、開発に不可欠。 購買には予算・空間など制約条件が多くあるが、 「好み」には制約はない。 非合理的で理不尽な好みも、やむをえない現実。 大切なのは、「差や違いがなぜ生まれたのか」、 「よりよいイメージを形成するために、必要なこと・ 効果的なことは何か」を知ること。 実は市民は、従業員でも、その家族でもある。 → プロが合理的に選ぶ・評価する制度とは別に、 素人が「直感的・心情的」に選ぶ制度も大切。 どう始める?どう拡げる? 本業の長期的な基盤に投資する。 人材:優秀な従業員が働き続けやすい環境づくり 子育て・介護などに「家族に優しい」柔軟な働き方 将来の人材:中学生・高校生へのガチンコ就業体験 環境:水・土・森の保全→原材料の確保として 従業員が本気で続けられる課題を示す。 廃棄物の削減(=資材の最適化)、エコ安全ドライブ 同業や地域の他社と一緒に取り組む。 場合によって、自社で先行投資して他社にも開放する。 ベンチマーキングを止めない。 専門家としてのNPOと協働する。 慈善的な配分から、戦略的な投資と協働へ 企業とNPOとの協働の領域(博報堂・IIHOE) 本業(business oriented) (営業・生産部門が担当) 本業に関係する、単発的な社会貢献 本業に直結する、継続的な社会参画 例:売上の一部を寄付 (cause-related marketing) 周年記念事業 医薬品メーカーの保健啓発広告 運輸業界の交通安全キャンペーン 例:NPOへの無償提供・割引販売 NPOとの協働商品開発 NPOとの協働販売促進 IT企業によるIT技術・製品支援 ←単発的(content oriented) 継続的(context oriented) → 本業に関係がうすい、単発的な社会貢献 本業に関係がうすい、継続的な社会貢献 (慈善型の協賛:charitable sponsorship) (strategic philanthropy) 例:災害など突発的事態への対処 チャリティー・コンサートへの協賛 社員に対する、地域活動の案内 例:障害者の芸術活動支援 継続的な清掃活動 環境や文化に関する連続講座 地域の子どもたちへの就業体験協力 非本業(philanthropy oriented) (広報・社会貢献部門が担当) 農業・漁業・食品加工業なら? 流通業なら? 販売(代理)業なら? 運輸業なら? 飲食業・旅館なら? クリーニング業なら? 農業・漁業・食品加工業なら? 流通業なら? エコ安全運転 飲食業・旅館なら? 顧客(貴重な財産!)への貢献:情報+機会の提供 運輸業なら? 商品の安全の保証+ゴミ削減+施設の安全確保 販売(代理)業なら? 土・水・森の保全+透明性(表示+開示)の確保! 土・水・森の保全+ゴミ削減 クリーニング業なら? 徹底した廃液管理!+節水+水・森の保全 2010年に向けて、「2つの多様性」に、 なぜ本気で取り組まねばならない? 2010年:生物多様性国際年 名古屋で「生物多様性条約締結国会議」 調達資材の中で、生物由来のものは? 事業所上流の水=森を守っているのは、誰?? 2015年に向けて、どこで・どれだけ作る・売る? それを支える人材は、どう採る+育てる? 「人的資源ポートフォリオ」の責任者は、誰? 育児・介護と両立しにくい企業は、生き残れる? 日本人だけで、本当に大丈夫? チャレンジする社風は、制度と実践から!! ご参考までに 「環境・社会コミュニケーションの考え方・進め方」 環境goo(NTTレゾナント)連載(2000年4月から) http://www.eco.goo.ne.jp/business/csr/review/ 「環境・社会報告書リサーチ」 (世界初の読者調査。NSCの発行者調査と連動) 日経CSRプロジェクト「CSRコミュニケーション」 http://www.nikkei.co.jp/csr/comu/index.html 「企業の社会参加」 (1999年1月から2006年3月まで) 月刊総務(ナナ・コーポレート・コミュニケーション刊)連載
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